2022年7月30日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年9月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年9月号、一昨日の続きです。

『ごきげんよう、一局いかが?』

冴に麻雀友達ができましたね!

お昼休みにひとり、アプリで麻雀をやってることをクラスメイトの千星に知られた冴。冴になのか麻雀になのか、いたく興味を持たれたようで、今日も冴のもとを訪れた千星。お昼を一緒することとなって、さらには麻雀についてもいろいろ質問を受ける。

あっさり負けてしまった冴。よほど凹んだか、今日はもう打つ気になれない? 千星にやってみないかと水を向けてみたら、たいそうお喜びになられて、冴のとむらい合戦とそれはそれは乗り気でいらっしゃるんですね。

ここから冴による簡単な麻雀講座。麻雀を知らない人にはいい感じ。で、この説明された範囲で、できるだけ頑張ろうとしている千星が実にいい感じでした。うっかり鳴くと役が作れない。うかつに捨てると振り込んでしまう。などなど、麻雀の基本的なところ、初心者がハマりやすいところをしっかりトレースなさっている千星。そんな彼女が、鳴かずに対対和ができそうと、ありえないこと口走って、いや、それは対々じゃない! 四暗刻だ!

っていうのもまた初心者にはよくあるケースだっていいますよね。わからないまま同じの3枚ずつ揃えていって、うまいこと和了れたらびっくりの四暗刻。和了れて嬉しいはないちもんめ、嬉しそうな千星のその気持ちの根っこ、和了れたからじゃない、勝てたからでもない、役満作れたからでもない、冴の仇討ちができたから! っていうのがすごくいいじゃありませんか。

なんか一度に距離の縮まったように感じられて、でもそれからのやり取り! まさかのマウント! いや、まあ、冴より強くなる可能性は否定できないレベルで充分ありえるよね。からの、冴の一緒に麻雀やりましょう宣言。負けず嫌いゆえの発言が、一緒に楽しみましょうのお誘いになってるの、いやはや裏腹。でもそのままならなくも、なんだかうまくいってる感じが面白い。

かくしてふたり一緒に麻雀する仲に。どんな具合に取り組んでいくことになるのかな。ほんと、次回くらいには千星が冴よりも強くなってたりしそうで、わくわくです。

『mono』

車載カメラのテストに出向いた皆。白樺湖に集合して、ビーナスライン経由で美ヶ原に向かうというのですが、景色がいいという撮影テストに適したシチュエーションに加え、道が悪いという、カメラステーの振動テストもできるという一挙両得ルート。ほんと、この目的を一度にかなえようとする合理性、あっぱれであります。

ずっとカメラの脱落を怖れてる春乃がいいですよね。あんまり心配なら、丈夫な紐かチェーンでカメラ本体とステーのどこかを繋いでおくのもありなのでは? クイックリリースが提案されていましたけど、だったらなおさら紛失予防のストラップですよ。

今回の目標、ひととおり達成したその先、美ヶ原でふたりを待っていた光景、一面の雲海というのもまたよかった。ええ、きっとこういう、すごい! っていうのが描かれるものと思っていたんですよ。それが見事こうして展開されて、ああ、見どころだ! 読者ながらちょっとした達成感覚えたのでありました。

『うさパン焼いて悪いかよ!』

いい話だった……。

可愛いものが好きながらも、自分には似合わないと頑として認めないちりみと、そんな彼女をパン作りに誘うタクマ。その関係が進展した今回。その進展するにあたってタクマが乗り越えることとなった事件。ちりみと他校の不良とのケンカの途中、見られてしまったちりみの手作りパンノート。それを馬鹿にされたことに、タクマ、ちりみ以上に激しく怒ってみせたというのです。

ケンカなんてからっきしなのに、ちりみの気持ちが馬鹿にされたことが許せない。ちりみが可愛いパン作ってなにが悪いのか。恐怖に震えながらも立ち向かって、一方的にボコられながらもちりみの可愛いを大切にしようとしたタクマの気持ちの強さ、真っ直ぐさ、これには感動させられるものありました。

ちりみのノートの存在を知った時のタクマの気持ち。どれほどに嬉しかったか、それだけに馬鹿にされたのが自分のことのように悔しかったかもよくよく伝わって、タクマ、本当に素直でいいやつだなあ!

そうしたタクマの気持ちがちりみにも伝わったか、あるいは身を呈して自分のことを守ってくれたことについての感情も手伝ったか、真っ赤になってしまったちりみ! いやもう、この子もすごく感情のあらわれやすい、純ないい子ですよね。いや、ちょっと素直ではないんだけどもさ! で、その感情の機微に気付いてあげられないタクマ!

このちぐはぐさもまた面白かった。

こうして3話できっちりしっかり、ふたりの目標の定まるまで、その気持ちの通じあうまでを描いてみせたところにも好感。いやもう充実の導入、読みごたえ抜群でした。

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