『まんがタイムオリジナル』2022年9月号、一昨日の続きです。
『カントリー少女は都会をめざす!?』
夏といえば海、というわけで八重たち、皆で海へと連日繰り出すのですが、さすがに飽きた? というか、ちょろっと移動したらそこがもう海、思う存分泳げるし遊べるっていうの、絶好のシチュエーションなのでは!? と思うんですが、やっぱさすがに飽きるのか。あの、海がどんどん特別でなくなっていく表現、水着から普段着に変わっていくのがね本当面白くて、ああ、この子たち、というかこの土地の人たちにとっての海の距離感ってこんな感じなんだ、っていうのがよくよく感じとれたと思ったのでした。
それこそ、海水につかった服のまま家に帰って着替えられるってことでしょう? ええ、ちょっと旅行客には無理な楽しみ方ですよ。
このへんの浜は砂浜じゃなくて、たくさんの貝殻に埋め尽くされていうの、ああ、これビーチコーミングの絶好地なのでは? 和歌山、といえばビーチコーミング。でもこの子らも貝がら拾いやってますが、なかなかこれといった結果は出せてない感じ。やっぱりそれなりの知識ないしがないとうまくはいかんものなんだな。
そして八重の迷走? ちょっと遠くの海にいきますか。人がいっぱいいる海! っていうんですけど、いやいや、人がいない海、混んでない海の方が絶対よくない? いやほんと、大河とみなちゃんが曇ってますけど、いやほんとそうですよ、あえてコンディション悪いとこにいくなんて! でもさすがの八重も、どうせ時間かけていくなら都会の海より都会そのもの、人工物に囲まれたい。なんでもかんでも都会とつけばいいわけじゃないというのがわかって、なんだかちょっと安心しました。
『敷金礼金ヤンキー付き』
今回は水着回!? といいたいけど、あんまそういう色気とかなにかは感じない。むしろ真夜の迷走回。日焼けに憧れてアパートの屋根に上がったら、梯子が壊れて降りられなくなってしまった……。というのですが、日焼けするのに競泳水着? なんか微妙な柄よ? 特攻服ならぬ特攻水着? ともあれ、それ、顔と腕、足くらいしか焼けへんやん! それになんならガレージとかベランダでよかったのでは!?
といったような常識が通じるようなアパートではなかった。日に焼くなら太陽に近い方がいい→屋根の上! みたいなすごい短絡があったに違いないんですよ。
アパートの住人、大家総出で真夜救出作戦を練るくだりです。普通に考えたら警察なり消防なりに通報して助けてもらうのが筋ですよね。という、この超正攻法を大家が提案! 真夜に拒否されてしまうわけですが、まさか最短で正解に辿り着くとは、しかも大家がですよ! 実に意外な展開で正直驚かされました。却下されるんですけど。
次に現実的な案、二階の共用廊下に降りるというのも却下。で、ここからどんどん現実味がなくなっていくんな! いや、これ、真夜、助からないのでは!? どんどん不安になっていくやつでしたよ。
酷かったのが風船案! いやいや、これがゲームならいけたかも! もうちょいってとこで、鳥に割られてしまうみたいなやつね。次の案、背の高い佳に背伸びさせる。いやいや、届かないから! 本当にがっかり案が続いた末の諦めやっつけ案が、布団の上に飛び降りろというの。それにしても布団の量、少なくない!? というか、これを二階の共用廊下案と折衷させたらよかったのでは!?
いや、二階の廊下に飛び降りたら、衝撃で廊下が落ちるまであるな。ドリフのコントみたいだ。
ともあれ、自棄になった真夜の飛び降りと、それを見事に受け止めてみせた大家の活躍! 大家、ここぞという時にはやってくれる! ほんと、大活躍だったんですが、頼りになるところを見せつけて真夜の信頼獲得、みたいになるかと思ったら、大家、マジ怒りじゃないですか! まあ、怒るの当たり前ですけど、それでもちゃんと見捨てず体張って助けてくれるところ、怒りながらも結構妥当なアドバイスしてくれてるところ。ヤンキーたちから一目置かれているだけあるなあと思わされたのでした。
『オネェの恋のはじめかた』
桜子の残念感、これでもかと畳み込まれてきますよ! 勉強の次は料理。自分で作ってきたというお弁当。どうにも異質な音をたてる卵焼き。おいしくできたと嘘をついても、あからさまに駄目そうという。このほんとに残念な感じ。凪はあえてそれを受け入れて動じないわけですが、いや、これ、よっぽどでは!?
対して時宗はというと、さすがですよね、お弁当自分で作ってきてるんだ。男子高校生とは思えぬ彩り豊かでコンパクトなお弁当だな! いやでも、時宗、なんでもしっかりこなせてしまうの。地力があるってやつだと思うのですが、本人、きっといろいろ努力してるんだと思う。家事でもなんでも家族に甘えない、そんな自立心があるとか、あるいは家族に頼れない理由があるとか、そういうなにかがあるのかも知れませんね。
さて、桜子が時宗に料理を教わることになりました。はいいんだけど、卵の割るところからなの!? そりゃそうか。ここがクリアできてたら、あんな異音はしない。卵の扱いが駄目なところで気づくべきなんでしょうが、当然計量スプーンの理解も駄目。ほんと、調理実習とかどうしてたの!? いや、これも勉強がアレなところから推察しておくべきだったか……。
でも、頑張る気持ちがあるのはいいですよね。そして見事にほだされる時宗。かくして完成を見た卵焼き、途中から時宗のためにと思いながら作った、というので見事時宗も報われることになったと思ったところでその仕打ち! いや、これ、凪なら表情ひとつ変えず食べたはず!
まだまだ修練が足りませんよ、といいたいけど、不意打ちはつらいよね。時宗は頑張ったと思います。
- 『まんがタイムオリジナル』第41巻第9号(2022年9月号)
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