2011年11月13日日曜日

『まんがタイムジャンボ』2011年12月号

『まんがタイムジャンボ』2011年12月号、昨日の続きです。

『あゆみさんは心配性』。あゆみさん、いいなあ。ポニーテール、可愛い。というのは別として、心配性で過剰に世話焼いてくれるあゆみさん。時に面倒くさかったりするみたいですけど、付き合う距離感がわかったら、すごくいい友達になれそうな人だと思うんですよ。あゆみ 私の嫁にこない? とか、ほんとその気持ちよくわかる。自分がつらい時には支えてくれて、あゆみさんが困った時には支えて、みたいな友人関係。あのふたりの仲のよさは羨ましい。あんな風につきあえる友達がいるのはしあわせだと思います。そして弟に対する態度。クリスマスを前にそわそわしてる、あれがもう可愛くてしかたない。弟からしたら、今さら家族とパーティだなんて、みたいな気持ちかも知れないけど、いや、でも、そんななんでもないことが日々のしあわせなのよ。ほのぼのと暖かい。いい漫画です。

『南の島のサツキ』、面白いです。冒頭のかくれんぼ。あの苦肉の策で足跡を壁につけていくというの、ちょっとしたことにおかしみをのっけて、実によかったです。子供の少ない島での生活。小さな子供にまじって遊ぶ高校生さつきが、それはそれは楽しそうで、このすれてないという感じがいいなって思うんですね。実際これは理想なんだって思うのですが、子供にとってはいいお姉さんで、大人からしたらいい娘。あの、お母さんと一緒に斜めになってテレビ見るとか、ちょっとした合理性がおかしみに繋がる、輪ゴムで電気消すなども、不思議と愛らしい。ちょっといたずらっぽいところ、それがいいんだろうなって思うんですね。

『太陽くんの受難』は年賀状の話題。ああ、そろそろなのか。結構忙しいといっているのに、なぜか太陽くんに押し付けられる年賀状づくり。けどそれでも嫌な顔せず、楽しんで作ってる、そんな彼、すごくいいやつです。兄妹で作る。いろいろ作る。それで量産するんですが、この人、器用というか職人肌なんだなあ。押し付けられるようなかたちではじまった話でしたけど、最後には皆が集まって手伝ってくれている。さりげなく集まって、さりげなく手伝う。靴屋の小人みたいな手助け、これがいいですね。みんな、人まかせじゃない、仲間思いだっていうのが伝わってくるところとか、実によかったです。

『はなな大増刷』は他人事じゃない話ですよ。大荷物運んでいる先生。いったいなにごと!? と思ったら、床が抜けそうなほど本をためこんだのが原因で、アパートを追い出されたんだそうです。まずい、他人事じゃない。それで、先生、郁子ちゃんのアパートに引っ越してくるっていうんですけど、郁子ちゃんが大家代理になったといういきさつ。これが実に沁みます。悲しい過去があったんだなあという話。姉を失って悲しみにくれる郁子に、状況を理解できていない小さなはななが笑いかける。この様子、いじらしさ、たまらんものがあります。ほんと、郁子ははななを引き受けて育てたわけだけれど、同時にはななに支えられてきたんだなということがわかる。素敵なエピソードでした。

  • 『まんがタイムジャンボ』第17巻第12号(2011年12月号)

引用

  • ミナモ「あゆみさんは心配性」,『まんがタイムジャンボ』第17巻第12号(2011年12月号),102頁。

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