2011年9月10日土曜日

『まんがタイムきらら』2011年10月号

『まんがタイムきらら』2011年10月号、昨日の続きです。

『箱入りドロップス』、これはいい感じ。カラーも素敵。女の子ふたりの浴衣、柄も色合いも綺麗で素敵です。いや、ほんと、扉の雫、にこにこしてすごく可愛い。萌の紺の浴衣も落ち着いてしめやか。素敵なお姉さんです。で、本編の雫さん。びっくりのおどおどだ。手をつなぎませんか、って、わお、萌さんやってくれます。うん、これは陽一が手をひいてあげるべきでしょう。しかし、はじめてのお祭りに嬉しさいっぱいの雫、もうたまらんなあ。この、隔離されてて、これまで楽しいことも全然経験してこなかった、そんな女の子を、みんなで応援しようっていうね、そんなところが見えて、もうなんかじんとしちゃった。あの熊のくだりですよ。萌の反応、これで一発インパクト加えておいて、その次の一本ですよ。ああ、みんな頑張れ! そう思いたくなる、そんなエピソード。もう、たまらぬ。ほんと、すごくいい、すごく楽しく、気持ちぐいぐいひっぱられる、そんな話でした。

『サンタとトナカイが、小学生で。』、ゲストです。戸中井由智乃と三田木香歩子は、人の姿に身をやつしているトナカイとサンタクロース。夏のこの時期にプレゼントを配っているというんですね。何故!? ここ、南半球? って、いや、去年のクリスマスで配りきれなかったらしい……。防犯システムの進歩が、サンタクロースの活動を妨げてる! って、なるほど。しかし、あの侵入、いやプレゼント配布に用意された道具のアレなこと。で、プレゼントもBLとか、なかなかナイスですね。ちゃんと欲しがってるものをあげるんだ。この、届けにいって遊んじゃうとか、このへんが小学生サンタなんでしょうね。連載にはむいてない? そう思ったりもする漫画ですけど、はしばしに気のゆきとどいたネタ、見せかたがある。悪くないように思います。

三者三葉』、今回は西山近藤の話っぽいですね。この扉、すごくいい。で、本編、西山を怒らせたといって近藤がへこんでる。って、この人、本当に無自覚なんだなってのがわかる。いや、これまでもいろいろ描かれてきたことですけど、ほんと、近藤さん、容赦ありません。まあ、今回とどめを刺したのは双葉ですけど。でも、無茶ブリに機嫌そこねながらも、ちゃんと期待に応えようとする西山さんですよ。いい子だなあ。なんでやねん! とかも、ほんと、健気な人。その健気さがあるからこそ、最後の最後、近藤のとどめ、これが効くんだろうなあ。ほんと、西山近藤にスポットあてつつ、メインメンバーにも光を当てていく、実に面白い回でした。

『だいすき♡』は、太一志津回ですね。いやほんと、千夜がからまないとこんなに穏やかなんだ。って、え? 穏やか? しかし志津さん、この人も太一のことちゃんと心配して、いい人よね。あんまり幻想持ちなさんなと忠告して、いや、けど自分にもダメージとかね。この人もいい感じに深みにはまってますよ。で、その後、デートっぽくなっちゃうのね。靴屋での雰囲気とか、いいじゃない。このふたり、付き合っちゃえばいいのにね、そんなこと思っちゃうくらいで、喫茶店でもね。互いにいいとこ悪いとこ、わかってる。そんなふたりはいい関係だと思います。地味で静か、そんな回だけど、よかった。しみじみする話でした。

My Private D☆Vはほた。です。で、これ、なんとショートストーリー仕立てか! 驚いたけど、こういうのもいいなあ。女の子ふたりの、友情からほのかな恋心? 淡く曖昧な思いをすくいあげて、だんだんに深まっていくその様子描かれて、なるほどイラストも実にいい感じ。話が主でなく、イラストが主でもなく、そのふたつがあいまってともに支えあう、互いのよさを引き出す、そんな風合い。やわらかでやさしげで、とてもよかったです。

  • 『まんがタイムきらら』第9巻第10号(2011年10月号)

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