2023年11月4日土曜日

『まんがタウン』2023年12月号

 『まんがタウン』2023年12月号、発売されました。表紙は『押しかけギャルの中村さん』。片手にカップのドリンク持った中村さん。もう冬目前? ニットにふわふわファーの帽子、といいたいけれど、肩も脚も出ているね!? これは季節は秋なのか冬なのか、わからん! でも冬っぽいんだよなあ。12月号、もう年末、クリスマス時期なのかも、なんて感じがするんですね。そして中村さん、いい笑顔で手を引いている。ああ、秋山がいるのね!? イルミネーション? 輝く街へと繰り出そうとする、そんな浮きたつ気持ちが感じられるようです。

今月は新規ゲストが2本です。

『姉ちゃんなんて大キライ』

さすがのといっていいのでしょうか、安定の面白さですね。読み切りゲスト、ということでキャラを絞ってきっちりふたりがどういう人物であるか紹介しつつ、話のフリから、さらにはまさかの展開、大ゴマ使った見せ場を用意し、次へ次へと話を進めていく。

その話の動きとともに、登場人物の変化する内心も描いてみせる、この巧みさ。漫画としての見せ方、話の練り上げ、そしてすっきりと落ちをつけて、きれいに終わらせる手腕。一本の短編として、完成度高く仕上げてきなすった! もう、本当にうまい漫画だったと思いました。

しかし、この姉ちゃん。弟思いなのはわかるけど、普通に迷惑ではあるな! ほんと、姉というのはこういうものなのか。そうした解像度。作者にも姉がいらっしゃるのでしょうか。

『のうのうと高校生』

インパクトある作風! これ、『ザ・小学生ズ』の人だ。前回も印象的だった。クラシックな雰囲気。ちょっと辛辣で不気味ささえ感じさせる絵柄。なんていってましたけど、今回は登場人物が高校生になったことで、不気味さよりもナンセンスさがより強く押し出されるようになった。そんな風に感じました。

この漫画は絵柄含めた見せ方で押す、そんな作風なのだと思います。描かれる内容はそこまで斬新ではない。ナンセンスなネタを真顔で押し切る、そういう押しの強さが持ち味。好き嫌いは強そうですね。けれどこうしたアクの強めの作風もあっていい。今の流行りとか関係なく、多様な個性が発揮できること、それがジャンルの幅の広さを作るのだと思うんですね。

『もくもくもくのキャン』

ひとり、焚き火をする木野。そこにおはようと話しかけたのは、原田ならぬひとりの男性。木野が応えて、草太さん。ああ、木野の夢だこれ。夫とのキャンプの日々を夢に見ている。しかしこの夢の結末、テントに入った夫に続きテントに向かった木野の見た情景。無人のテントを前にした木野のその表情。胸がしめつけられるような寂寥感あって応えました。

けれどそこで原田と話をするでしょう? 夫とキャンプする夢をいつも見る。それが木野にとっての救いとなっている。今日原田と一緒に過ごしたキャンプも、また夢で夫との時間になるだろう。それを楽しみという木野。ああ、この人がひとりキャンプを続ける理由、その一端がまた垣間見えた、そんな気がしたのでした。

木野と原田、ふたりで眺める朝日。また一緒にキャンプにいこうと話しているふたり。これからも続くだろうふたりの関係、それを思えばなにかほっとさせられるような気持ちにさせられます。ただ一緒にキャンプにいく。それだけのことかも知れないけれど、ただそれだけではなかった。長い時間をかけて、少しずつ歩みよりながら理解を深めていった。その過程あったからこそ、この感慨なのかと思います。

『兎なりのウサギさん』

寒くなると、人もウサギも調子を崩します。寝始めの頃はまだちょっと暑かったのが、明け方にかけて冷えちゃったんですね。それで紅詩もみたらしも調子を崩してしまった。紅詩は風邪、みたらしは腹痛。あまりの不調に青枝に助けを求めて、みたらしを動物病院に連れていってもらう。

青枝、さすがですね。鬱滞と申し出て、レントゲンからの治療です。このレントゲン写真、もしかして本当のウサギのものですか? そして治療ではまず注射。それから内服薬。薬を飲ますのはそれはそれは大変で、バナナにかけても食べない。加工しても食べない。なのでスポイトで強制給餌というのですが、風邪をひいてる紅詩が大奮闘!  この迫力! この鬼気迫る表情!

ほんと、それまでは風邪ひいてる紅詩さん、色っぽいなあとか思っていたのが、一発で吹き飛びました。時には気迫も大事です!

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