2012年11月9日金曜日

『まんがタイムきらら』2012年12月号

『まんがタイムきらら』2012年12月号、発売されました。表紙は『棺担ぎのクロ。』、薔薇の庭園に座っているクロでありますね。この庭園、いや本当は庭園ではないんですが、詳しくは本編で。しかし、こうした廃墟、古城に薔薇が咲き誇っているという情景見れば、英国風庭園思いだされますね。石の質感、そこに咲く薔薇。なかなかにぐっとくる風景であります。少し暗めの周囲に露出をあわせ、中央部背景を白くとばしている、その写真的表現、それもまた素敵だと思います。中央の人物がしっかりフォーカスされている、その構図がナイスです。

チェリーブロッサム!』、いきなりのだばぁ、前回のあらすじですけど、それで笑ってしまうのはなんとしたものでしょうか。つばきの恋の相談、そいつを受けて見事に動揺する大倉山先輩。動揺するのはいいんだけど、あそこまで行動が不審になるとは。さすがは大倉山先輩ですよ。でも、動揺してる先輩はとてつもなく可愛いと思います。つばき曰く、まだ見ぬ大倉山先輩、彼女も大咲のこと好きなのではないか? そうした心配に色めきたつ先輩がおそろしくキュート。あまりの動揺に、大岡山、転じて大岡麻夜、アドホックな偽名まで使って、ほんと、これからどうするんだろう。先を思うと、楽しみでなりませんよ。つばきと別れて、落ち着きを取り戻した先輩の自省。結局最後には台無しなんだけど、でも、本当は真面目な人なんだというのが伝わって、この人のシリアス、それはとても沁みいる、そんな説得力がありました。しかし今回は、丸ごと大倉山先輩といった感。多彩な表情、シリアス、そしてエキセントリック。最高でした。

『女子大生生活様式』、これ、実にいいですね。ゲームセンターに討ち入るねね。ブタマフラー、ぬいぐるみ目当てなんですが、その本気度合いがすごい。いざって! しかし今回は面白かった。いつも友達に頼ってるように見えることねだけど、誰かに頼れないとなると普通に頑張れるんだ。いいなあ。要領いいのとはちょっと違う。基本まじめなのかな? 意外で、けどこの人のらしさ、それがよくわかるエピソードだったと思います。そして、ねねですよ。大量のブタを前に、どの子が一番かわいいか吟味。取れるものが欲しいんじゃない。欲しいものを取るのだ、その執念は素晴しい。これも、ねねのらしさですよね。妥協がない、どれでも一緒なんかじゃ全然ないっていう、ほんと、この子、素晴しい。ブタマフラーが取れてからの展開も、可愛いわ、ゆるぎないわ、実によく、そしてこよもぬいぐるみにちょっと心うばわれかけてる? 世話するのよ? うん、ぬいぐるみ好きは世話しますよね。しかし、今回、面白かったし可愛かったし、大落ちのインパクトも実によくって、ほんと、よかったですよ。

『うちのざしきわらしが』、夕美は素晴しいです。今回は秋なので文学なので紙芝居を作ってきたっていうんですね。え? 文学? 内容は昔話パロディで、交換してもらえないわらの話に始まって、現代風『さるかに合戦』。いや、これ、ちょっと、面白い。どいつもこいつも残念な落ちがついてくるんですが、いや、これいいですよ、気が利いてる。単発に近い、ぽんぽんぽんとネタが出て、落ちていく、そのテンポが気持ちいいですよ。しかし、夕美の淡々と語る、あの態度が素敵です。わらの紙芝居、これもいいなあ。わんわん!

『すいまさんといっしょ』、よいなあ。衣装あわせて、どえらい可愛いすいまさん。いろんな洋服着てみたいというふみんも実にいい。で、本題のデパート。すいまさんの言動に振り回されるご主人もいいですが、いろんなもの、布団の柄に興味しめして、かわいいのどうのと喜ぶすいまさんの様子が、見ていてとても楽しい。喜びのあまりテンション高くなってる、そのテンションが伝染するんですかね。ほら、星柄の布団みつけたすいまさんの表情とか、最高じゃないですか。ほんと、最後まで嬉しそうなすいまさん。ほのぼの、ハッピー、読んでる私もなんだかしあわせ気分ですよ。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第12号(2012年12月号)

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