2010年8月19日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2010年10月号

『まんがタイムきららMAX』2010年10月号、発売されました。表紙は『ホイップノート』。実際のところ、人気あるのかな。赤青黄色髪の三人娘。本編ではまだ春なので、冬服着ているわけですが、表紙では夏服を先取りして、真っ白なセーラーのワンピース? 暑そうだな。といった無粋な感想はおいといて、アイスキャンデーを食べる三人、ちょっといたずらっぽくいじわるしている上喜知花、取り返そうと飛び付く浜千鳥玲子が画面に動きを作って、華やかでそしてアクティブな雰囲気、実によいなと思っています。

でもって、『ホイップノート』。巻頭カラー。およめさんクラブの最後のひとりの入部が決まる、そんな回であるのですが、まあどう考えてもレコちゃんですわね。第1回の時点で主要キャラクターとして存在を印象づけて、そして今回はその可愛さを強烈に打ち出して、可愛いというよりも美人の系統。小柄で制服がだぶだぶ、ちょっと内気で照れ屋さん? こういうキャラクターが好みという人には、もうたまらなく訴えそうじゃありませんか。というわけで、はげしく訴えられているわけですが、あえていいたい、チカが好きです。

部長と、部長のもといた空手部、その関係の微妙さ、ばたばたと意図やら気持ちのすれ違いを描いて、楽しかったです。ちょっとした騒動、けれど誰が悪いわけでもない、仲良くやっている、そんな雰囲気がいいなって思います。そして最後にレコの移籍。その入部希望の理由は今後にもいろいろ関わってきそうで、ちょっといろいろなんだかニヤニヤしてしまいます。

『きんいろモザイク』。アリス、ホームシック。アンニュイなアリスも可愛いなあ。しかし、しのの見当外れ、また友人綾、陽子の常識外れ、ベタなんですけどね、そのベタを面白く感じさせるテンポがあるんですね。絵の、キャラクターの、可愛くてほのぼのとして、どことなくすっとぼけた、そんな感触が、独特のテンポ感を生み出している、そんな風に思っています。しかしだ、ただ雰囲気がいいっていうわけではなくて、綾ちゃんの何であんなこと言ったんだ あいつとか、イギリスでのアリスについて勝手な想像繰り広げるふたりに、勝手に肯定してしまうしの、面白いんですよね。虹の向こうとかもシンプルで、こういうわかりやすいネタの展開が、すごくいい。もう本当に気にいってて、今回も、本当によかったです。ぬいぐるみ抱いてるアリスがものすごい可愛かったです。

『けいおん!』アンソロジー。仏さんじょ、白雪しおん、小林徹郎であります。しかし、ムギさんは怖い人、裏に違う顔持ってる人、それが基本の理解になってるみたいで、素敵です。好きな言葉は『労働』 口癖は『大丈夫金ならある』。どう考えても、ばらすためのネタふりとしか思えない。ああ、きっとお嬢様に叱られたくってたまらないんだろうな。と、こういうムギを楽しめるのは原作とアンソロの特権であります。

そして、白雪しおん。びっくりしました。てっきり、楽器屋のあんちゃんネタで押し通すのかと思いましたよ。いやね、やっぱり楽器店、採算とるのすごく厳しいらしいですよ。っていうのはいいとして、エアーをテーマに展開する3本。1本目はテーマの提示で大人しめ、けど2本目3本目はすごくうまいと思えて、ちょっとピリッとした味わい含めるところ、すごく好み。いい作家であるなあ、そんな感触を強めるわけですよ。

小林徹郎の漫画は、暴走してわけのわからない方向にいっちゃうっていう展開ですね。実は、こういうの好きなので、けど2ページではその暴走が充分に満足されない。そういうのが惜しいなあって思ったりするんですね。こういうタイプの漫画では、どれだけ暴走が酷くなるか、どれだけ畳み掛けられるか、私はそこに面白さを求めてしまうのです。

『ラッキーストライク!』、扉の部長が素敵。制服姿なんだけど、なんでこんなにも新鮮と感じられるのだろう。てなわけで、本編ですよ。ボウリング、助走がうまくいかないレンにアドバイスするお姉さん。すごく丁寧で、すごくわかりやすい。教えられるレンにしても、どうすればうまくいくのかなっていろいろ考えているという、そういう姿勢の示されるところ素晴しく、ちょっと恥ずかしがりながらも、タンタタターン、素直に復唱するところも素敵でした。でもって、この人、タキ部長、おおっと、みーな部長のお姉さん。しかもプロボウラー。似てないふたり。実力あるお姉さん、けれどうまいの練習だけなんだよ!! いいですね。この勝負に向かない性格。で、こうしたおかしなかけあい楽しんでいたら、ああ、なんかシリアスなエピソードが挟まれて、ああ、タキ部長にはなにか弱みがあるのか。これまで読んできて、レイレイに弱点のあること、そしてレンのまだうまくないこと、それらが乗り越えられるポイントとしてドラマにかかわってくるんだろう、そう思っていたら、部長においてもなにかあるのか。私は部長は完璧だと思っていた。だから、なおさら意外で、あの普段自信に満ちた部長があんな表情見せるだなんて。ああ、気持ち揺れ動いて、もうたまらんです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第7巻第10号(2010年10月号)

引用

  • 原悠衣「きんいろモザイク」,『まんがタイムきららMAX』第7巻第10号(2010年10月号),50頁。
  • 仏さんじょ「ニセムギ」,同前,73頁。
  • みそおでん「ラッキーストライク!」,同前,85頁。

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