2010年8月2日月曜日

『まんがホーム』2010年9月号

『まんがホーム』2010年9月号、発売されました。表紙は、これは肝試しですね。お化けちょうちんを手にしたらいかを中央に、お化けみえこと黒子のだんな、そしてゾンビのマキ、リコがわきにひかえております。夏といえば肝試しだけれど、それが和風から洋風になっていっているという、発想の変化感じさせるところあり、なかなかに興味深い表紙であったように思います。

『東京!』、これは面白い。というのも、私がこういうネタが好きだから、というのが大きいのでしょうけど、秋葉原正親とその妹萌の話。萌の、完全に腐っていますという描写、兄貴とその友人でカップリングを考える、本人を目の前にして、しかも聞き取り調査しながら考えるという、実によいなと思うわけです。で、それはいいんですが、冒頭の寝癖、あれが可愛いなって思って、いや、ほんと。で、私が好きというのがですね、あの、妄想がピークに達してハイテンションになってる、ああいう様子がたまらんのですよ。漫画であろうと現実であろうと、好きなのです。というわけで、今回は実にいい展開でした。でもって、渋谷、かっこいい。その前段の萌もかっこいいのですけど、なかなかにドキドキさせてくれる展開でありました。といったわけで、私も渋谷、兄貴を応援したいと思います。

『おしのびっつ!』、今回とても面白い。兄しのぶと妹くないの入れ替わり。しのぶとくないの利害が一致したということなんですが、その状況を最大限に利用して、自分に有利な状況を作り上げようという、つまりは相手にとっては不利な状況ができあがるわけですけど、そんなやりとりが面白かったです。しかし最近の面白さ、それは桂さん、彼女の貢献が大きいな、などと思っています。この人が出たことで、しのぶに弱みが加わった。くないが負けっぱなしでなくなった。いわば対等になったわけで、ほんと、これすごくいい感じです。ところで、今回はくない変装のしのぶが寿先輩を前にしてきゃあきゃあときめいているっていう場面、これも実によかった。ええ、面白かったです。

『はなたま』、最終回でした。終わりに向かっているなというのは気付いていましたが、思ったよりはやかったなって。祝霊を集める、あとふたつ。そのふたつが同時に集まる、そのエピソード。そうか、最初こうしてはじまったのだったっけか……。あまりに懐かしく、記憶ははるかかなたにゆらいでいる。しかし、お別れをきっちり描いて、そしてふたりの絆、むすばれているということもしっかり描いて、こうして気持ちの通いあうところ。好きな漫画でした。

『三日月の蜜』、こちらも最終回です。いやあ、予想がはずれました。佐倉さんと桃子さん、ふたりのつきあい、この経緯でもって気持ちが整理され、最後に杉さんに告白だ! みたいな展開になるのかと思ってたら、甘い甘い。ラストは素晴しく直線的に進みました。勢いや意地で付き合った、そんな関係だったのに、それがしっかり実を結んだんだなっていう、この展開を意外と感じるのだとしたら、それは見る側が抱えている、こういう関係はきっと成就しないだろうという思い込みのためなんでしょうね。

予想とは違っていました。けれど、このラストは私の期待には実によくマッチしていて、だから嬉しかったです。ええ、杉さん最後まで蚊帳の外。けど、仕合せなふたり、それがもうなによりだったなと思うのでありました。

  • 『まんがホーム』第24巻第9号(2010年9月号)

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