『まんがタイムきららフォワード』2025年9月号、発売されました。表紙は『6億年の博物旅』。念願の一眼レフカメラを手にいれたイノチが向かったのは三畳紀!? かなり古い時代ですね。目の前にいるのはドレパノサウルスなのだそうですが、はじめて聞いたよ! その顔付き見れば、現存の爬虫類を彷彿させる質感です。特徴は大きなかぎ爪、そして尻尾の先なのだそうですが、よく見てみればその特徴両方とも描かれていますね。あの背中の猫背っぽいのは特徴ではないのかな? なんかすごく印象的な背中でした。
今月は新規ゲストが4本です。
『とりかえっこしようぞ!』
追いかけまわしてた神社の猫がなんと神様のお使い! 強引な振る舞いに頭にきました。おしおきとばかりに、自分の胸と小娘の胸を取り替えた猫さんです。巨乳が平に、平な胸が豊満になって、さぞや小娘も反省したろうと思ったら、最高だと大喜び!
そうか、大きな胸を持てあましておったのだな。そう思ったら、それ以上の理由があった。陸上競技で結果を出すべくトレーニングの日々。あの重くて邪魔な胸をどうにかできてラッキー! とばかりに駆け出していって、もうつかまらない。
猫ちゃんの思わぬ苦労が続くのですね。
重い、蒸れる、肩が痛い。この漫画はスレンダー万歳なの? でも猫ちゃん、小娘を見つけて、胸を返すという。でも頑として拒否。走るのに邪魔だから。かけっこで勝ちたければ、いくらでも助力してやるぞとの猫の申し出を拒否するも、ここで気づくんですね。私の持った体で勝負しないのもまたずるではないか。自分の力で勝負することにはならないじゃないか。
この現状渡しの自分で勝負するほかないという、この世の誰もが持ったさだめを、こうして見事に描いてくれたこの漫画。自分もはっとさせられる思いがして、結構この視点、大切だと思う。あくまでも人の生は現状渡し。今の自分で勝負していくしかないんだという、この思いきり。ええ、納得の読み切りでした。
だから、猫ちゃんも胸張っていくんですよ。
『異世界弾丸トラベラー』
モミジ、シズクにホタルの3人組。いつもと変わらぬ下校風景だというのに、なぜか巻き込まれる異世界紀行。こんなところにあったっけ? 見知らぬ神社に立ち寄ってみれば、そこには謎の丸石。おもかる石? わからぬままに3人で持ち上げると、光とともに異世界に送られてしまった!
このときに3人の思い。思いもしないまま、どこか遠くへと同じ願いを抱いてしまっていたというのですね。
異世界といえばチート能力! と思いきや、そんな特典はまるでないというシビアな世界。たまたま通り掛かったアリサの助けなくば命を落としていたかもしれない。そんな3人がアリサとともに向かうのは、この世界にもあるという祈り石。
その石の力でもって、もとの世界に帰ろうというのですね。
その旅の途中、3人の個性、持ってる知識、道具でもって乗り切ることができたというの、大変よかったと思います。アリサのお荷物ってだけじゃなかった。すっかり打ち解けた皆の心の交流と、突然襲い掛かってきたドラゴンに対応すべく、3人が願ったことの顛末。
思いどおりにいったのかどうかはわからないけれど、全員無事は間違いない! そしてこの先に、アリサの願いもかなえばいいなと思わせたラストなんですね。
『うちの犬って犬ですか?』
宇土原のぞみの飼い犬は、なんだか不思議な生物。犬というにはどこかなにかが違っている? そんな疑問に、気のせいだと答えるポチぞう! って、その時点でもうおかしい! 聞き間違いってことにしてるけど、そんな雑な認識でいいんですか、のぞみ!
まあ、いいんでしょうね。この漫画だと、それでなんら問題ないように思います。
たびたびよぎるポチぞうへの犬ではないのではないか疑惑。でもそのたびに、クラスの友達が、犬でしょと納得させてくれるのですね。って、ほんとにそれで納得していいのか? っていうか、それ以前に友達が飼ってるという動物、どれもこれもなんか変だよ!? 普通じゃないよ!? いやもう、変で変でおかしくて、その不思議さがドミノ倒しみたいに連鎖していく。そんな不思議な漫画です。
『せんとーちゅう!』
銭湯の一人娘の叶栄空。銭湯大好きな空は、毎日家業の銭湯の手伝いをしているのですが、そんな彼女が気になるのは、暗い顔して帰るお姉さん。仕事に疲れ、無茶な要求にくたびれ果てる、そんなお姉さんの生活はすっかり灰色? お風呂にはいる元気もなくて、ごはんも後回し。疲れて眠るばかりなのですね。
そんなお姉さんに声をかけたのが空。ひどい顔したお姉さんに、お風呂はいっていきませんか。銭湯の魔法でお姉さんを笑顔にします!
最初はその気のなかったお姉さんが、お湯につかってくつろいで、そして心が回復していって、とげとげした気持ちもいつしか丸くおだやかになっていったのですね。
空とお姉さんの会話。空が好きな銭湯とその魔法。銭湯の魔法はお姉さんにもちゃんと届いて、今はもう笑顔。明日なんてこなければいい、なんて思ったことが嘘みたいに溶けて消えていったのですね。
- 『まんがタイムきららフォワード』第19巻第9号(2025年9月号)
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