『まんがタイムきららキャラット』2017年9月号、発売されました。表紙は『NEW GAME!』。お、この五人の衣装はなんですか? 中央にもずくを抱いた青葉。その左右にはねねとひふみ、前にゆんとはじめという、メインの若手組でしょうか、勢揃いしまして、お揃いのジャンパースカート? ちょっと制服っぽいですね。ひとりひとりアレンジが違っていて、それぞれの可愛さを際立たせています。しかしこの格好、五人組のグループユニットみたいですね。ぱっと目をひいて華やかな表紙です。
『まちカドまぞく』、これすごかった。ひとつのクライマックスでしたよ。夢からシャミ子を引き上げるために闇堕ちしてまで助けにきてくれた桃。闇堕ちは仮のもの、またすぐに光の属性に戻すというのですが、桃が闇堕ちできた理由こそは語られなかった、いや語らせなかったけれど、もうすっかりわかってしまってますよね。そうか、桃とシャミ子、その気持ち、つながっているのだなあ。ついにわかった桜のコアの在処。シャミ子が桜から託されたものと、そして桃とシャミ子、ふたりの会話の暖かさ。ああ、桃、とてもいい笑顔。ひとつこの子の重荷が減ったのかも知れない。そしてシャミ子との、眷属や契約によらない確かなつながり。もうね、これは泣かされましたよ。ほんと、ふたりはいいコンビになったと思わされます。あとね、街角のことね、ああ、そういうことなのか。タイトルに託されたものなど感じられて感無量でした。
『恋する小惑星』、これいいですね。今回は二本立て。追試組、みらとあおが勉強会。すずちゃんが勉強見にきてくれてるんだけど、みらの部屋ですっかりリラックスして、秘密の自作漫画の所在知ってたり、本当に面白かった。しかもその漫画、みらの姉、みさも知ってるんだ。すずはみさに憧れてるんですね。みさがあおに急接近してみたら狼狽してみたりと、ほんとすず、キャラクターの強さ、ここぞと発揮していますね。みらから姉に送られたハチマキ石。受験のお守りになるよって、そうした気持ちがいい感じ。またその石を受けてのみさの行動、神棚作って、さらに妹たちの目標の成就を石に祈願してくれるとかね、いい姉妹関係だったと思います。
そして二本目。こちらは地質班のイノ先輩にスポットライト当たって、お、こちらでもすずちゃん、重要人物だ。地図を見ながら行動しているふたり。ええと、地質のなにか探してる? そう思ったら、ああ、飛び地。イノ先輩がいうにはものすごく面白い。町の歴史といいますか、ちょっとした宝探し気分になれるという、その気持ちの躍動。イノ先輩の行動、言動でもってよくよく伝えてくれていたと思います。イノ先輩の地質興味への入り口は地図見ながらの街歩きだったのですね。子供のころ、友達が描いてくれた地図。それを持って探検するのが楽しかった。そして新たに自分で地図を描く楽しみに目覚めるきっかけをみらたちがくれて、あの地図からイノ先輩の興味、着眼点が読み取れるという描写、これもまた非常に素敵なものであったと思います。日常のちょっとしたこと、ありふれてるようなものにも魅力がある、面白み、楽しさがあるんだって、その気持ちの広がりは自然ひきつけられるものありました。
『四姉妹は初恋のはじまり』、ゲストです。ひとりっこのえみり、母の再婚でもって3人の姉ができました。下から里紗、晶子、そして恵。恵のことは子供の頃から知っていて、ずっと大好きだった。いつか家族になるんだって、めぐちゃんと結婚するんだっていっていたけど、まさか姉妹になってしまうとは。この漫画、若草物語を下敷きにしてるんですね。上からメグ、ショウ、リサ、そしてエイミー。これ、最後に自力で気付くエイミーがいい感じ。もしかして名前で選ばれたんじゃ!? って、いやいや、そんなまさか! ともあれ、妹ができて嬉しい、これまで末っ子だったリサの高揚。クールに見せて着せ替え大好き、可愛いもの大好きのショウ。このふたりが、メグの前では人が違ってしまうエイミーに嫉妬? したり。ええ、キャラクターも可愛くて、姉妹とひとくちにいうには距離が近すぎる感じなんかも悪くないって思いました。エイミーはメグ一筋かもだけど、ちょっとリサの行為に揺らいだり? そんな距離感、気持ちの揺らぎ、動きなんかが見どころになっていきそうですね。
『先パイがお呼びです!』、ゲストです。行き倒れの女の子を拾った主人公、相馬よりこ。なんとその女の子は生徒会長でした。学校では凛々しく気品に溢れ、なんでもできる、そんな雰囲気漂わせているこの人が、実はこんなにポンコツ。本読んでたら食べるのわすれて行き倒れ。料理はどうにも駄目っぽく、相馬よりこ、いやさマヨの作ってくれた卵かけごはんに感動。餌付けされて懐いちゃった? そんな先輩の素直で人懐こい笑顔にほだされて、困ったことがあったら私を呼んでくださいと犬笛を渡しちゃうっていうんですが、いや、あなた、犬笛の音聞こえるんだ! 携帯電話の番号、交換したりしてるのに、あえて犬笛というのが一味面白みを添えていますね。
- 『まんがタイムきららキャラット』第13巻第9号(2017年9月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿