『まんがタイムきららフォワード』2017年9月号、発売されました。表紙は『はるかなレシーブ』。ボール手にして凛々しい遥が印象的なこの表紙。そしてそこにはTVアニメ化決定という文字が踊って、おお、アニメになるんだ。毎回が水着回だ! 遥、これからサーブをしようというところですね。その表情の真剣さに張り詰めた気持ちもうかがえて、ほんと、この子はかっこいいと思います。
『はるかなレシーブ』。第2セットをとったチームはるかな。ここからようかん、柑菜の試したいということ、それがはたしてどういう結果に繋がるのか。ようかんにとっても負けられない、そんな試合。勝利のかかる第3セットにそのスタイルを変えてきて、けれどはるかな、遥のブロックに通用しない。そうか、全力でドライブを打っているんだ。その威力はどんどん強くなっていって、ずっと打ち込んできたスパイク、それに全部をかけようとしているんだ。これね、見てると陽菜、柑菜のことも応援したくなるから困りますよね。柑菜のスパイクよ、通じてくれ、そういう思いがとめられなくて、そしてついに遥のブロックを打ち抜いた柑菜のスパイク、それはかなたに受けられて、ああ、負けてしまった。ようかんも応援したくなる。はるかなだって勝って欲しい。両者に思い入れを持たせて、その両者をぶつからせる。そのどちらもに思いがあるからこそ、その試合はより一層の熱さを持って、こんなにも心を揺さぶるのですね。ええ、次はトーマス姉妹戦。ああ、これもまた両者に思いがあって、しかもどちらが勝つものか、さっぱりわからない。ええ、心揺さぶられること覚悟ですよ。
『ゆるキャン△』、年明けの描かれた前回。今回は思わぬキャンプ延長からなでしこ祖母宅訪問の予定が発生したリンをメインに展開して、ああ、またその趣向が違う、テイストが違っていますよ。離れた場所にそれぞれ過ごしていてもどこか繋がる気持ちが描かれた前回とはがらりと変わって、今回はひとりキャンプ、ひとり移動を満喫するリンにしっかりスポットライト当ててきます。浜松の情景、ひとりゆったりと時間を過ごすその贅沢がこれでもかと描かれて、最後に赤鳥居に沈む夕日でしょう。ほんと、すごい情緒です。後半にはリンとなでしこが合流。あ、これはなでしこ、乗り換えでしくじるフラグ!? とか思ったら、ああ、よかった、ちゃんと落ち合えましたね。しかしそこでもまた面白いもの見せてくれて、線路に、駅にいっぱいいるユリカモメ。本当にこんな風景があるの? だとしたらすごいなあ。ほんと、見てみたい! そう思わせるもの、ばっちり提示してくるんですからすごいです。
『空の隙間 — SKY BLUE DROP』、ゲストです。舞台はアメリカなのかな。レナという女の子が主人公。教員からサイエンスフェアのコンペに参加してみないかと誘われているのですが、乗り気ではない模様。ああ、これ、きっとこの子、コンペに臨むことになるんだろうなあ。話のメインは軍用機の試験飛行に移っていって、レナの家がやってるダイナーにやってくるテストパイロットたちとの会話。陽気で、ちょっと荒っぽいけれど愉快な人達。その人たちとの交流と、そして悲しい別れ。自分の感情の動きに戸惑うレナのその内心を、丁寧に描いて、伝える。その見せ方は大変によかった。この子のわかっていたつもりでわかっていなかったこと。わかってたけれど、改めて突き付けられた、そんな現実に大きく動かされるものあった、そんな様子が重く、しっかりと受け渡された思いです。
『紫陽のリンゴにご用心』、ゲストです。これ、コンパクトにまとめて、因果応報のコメディ、面白く見せてくれました。女優、というか子役といった方がいいのかな? 紫陽麻穂。この子が狙うドラマのヒロイン。オーディションに向けて情報収集にも余念がない。けれどそんな彼女を阻む存在があるっていうんですね。姫白雪。新人ながらその人気はすさまじく、麻穂の仕事もずいぶんと彼女に奪われてしまった。ああ、このままでは役は雪に決まってしまう。よほどのことがないかぎり、雪の合格は覆ることはないだろう。で、そこでよほどのことを起こそうとする麻穂。いや、それあかんだろう! 白雪姫の話を下敷きにしている漫画です。魔女のポジションにあるのがヒロインの麻穂。睡眠薬を姫に盛ろうとするも、一次、二次オーディションでは実ることなく、ついに成功したと思った最終オーディションでは裏目に出てという、その麻穂の失敗が面白おかしく描かれて、結構悪辣なんですけど、憎めない? そんな具合に表現されて、その塩梅がとてもよかったと思ったのですね。しかし、麻穂、悪いやつだけど愛らしい。そのポンコツさ、報われなさ、努力の方向の間違ってる様がよかったのかも知れませんね。
- 『まんがタイムきららフォワード』第11巻第9号(2017年9月号)
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