2010年3月4日木曜日

『まんがタイムジャンボ』2010年4月号

『まんがタイムジャンボ』2010年4月号、発売です。表紙には新生活を応援しますとの文言ありまして、ああ、もう4月号、新生活がはじまる、環境がかわるという方もいらっしゃることでしょう。でも、私はあんまりそんな感じじゃないなあ。表紙は中央に『じょしもん』、まわりには『朝倉さん』、『太陽くんの受難』、そして『レーカン!』が描かれて、確かに新生活、新しい環境に順応しきれていない、そんな様子が描かれています。

さて、そんな『ジャンボ』の新生活、新環境でありますが、ゲストは『ひめとりものがたり』、『ハコベエ』、『トラウムメディカル8.5』、『すいーとプロミス』、『ナイショのひめねこ倶楽部』、『恋する猫は爪を隠さず』、『剣道ガール』、『放課後のアインシュタイン』、『女の子定食』、『アイスボーイズ!』、『委員長がいるからね』。

多すぎる……。

でも、比率でいえば、1/3というところで、そう考えればそんなに多くはないですよね。上記ゲストの中で新登場のものは『ナイショのひめねこ倶楽部』だけでしょうか。杏仁女学院に転校してきた中ノ瀬桃がヒロイン。幼なじみ? の生徒会長が突然生えてきたヒゲに困ってるという。その原因、生徒会室の主、猫の神さま? 花梨の呪い? 嫌がらせ? だというんですね。ヒロイン桃にだけは花梨が見える。ゆえに、生徒会からも花梨からも請われて、生徒会に入ることになった? みたいな話であります。可愛いキャラクター、学園学院ものの花形といえば生徒会。そして、キュートな神さま。面白くなるかは、これからかと思います。

新連載は『太陽くんの受難』、最終回は『ひかるファンファーレ』。『気分は上々』は次号最終回が予告されて、『Boy’sたいむ』も、ひろむの正体が置島にばれてと、佳境であります。

『ひかるファンファーレ』は、音楽ものが次々と登場してきたなかでの生き残りでした。チューバに配属されてしまった女の子の話で、ああ、希望どおりにいかないというのは実に吹奏楽部らしい、でもって、吹いているうちにだんだんその楽器のこと好きになっていくっていうのもらしくって、結構好きだったんです。やっぱり、なんのかんのいいながらも、自分の楽器、好きになって、それで一生懸命練習したりっていう、そういうの見るのはいいものですよ。最終話は、チューバがもう一台増えて、そして新入生を予感させる、そんな広がりをもったものでした。悪くないなって、だってひかるの成長が描かれているからと、そんな風に思ったんですね。吹奏楽部の青春、楽しかった。そんな彼女らの様子を引退まで見届けることができなかったのは残念だけれども、最後にいい笑顔で終わったというのはとてもよかったなと思っています。

『中2限定!?ガールズトーク』、先生に恋している女の子の話ですが、これがわりと嫌いじゃありません。今回は百合子先生がブルマで登場。なんか飛び道具っぽいんですけど、百合子先生が気になるヒカル先生、しかしその思いは一方通行っぽくて、という、そんなところなどが気にいっている模様です。

『でり研』もなかなかにいい感じ。今回は中国茶が取り上げられたけど、でもメインという感じではありませんでした。メインは大仏くんと海原さんの関係が誤解されるという話。いや、でもこれ、全部海原さんが悪いよ。お茶こぼしたのはしかたないとしても、その前のはもうね、自業自得ですよ姉さん。しかし、部長南和穂、彼女の微妙な警告、そして落ちの落ちが番外編ではたされるというの。こういうのも面白い。だんだんとキャラクターが舞台が暖まってきて、動きが出てきたなって。面白くなってきました。

『ちょいのり。』も結構気にいってます。なんと今回はレース。いのりを取り合って、右橋さんと左河さんが競争する。姉と兄に頼ってっていう、その微妙さがいい感じ。というか、左河さん。兄貴が自宅で警備を仕事にしてること、簡単にいっちゃっていいのか? レースといっても、法定速度厳守とか、こういう微温的なところがよくてですね、それで結局仲よくなるんだろうなって思える、そんなところがいいのでした。

『みちるダイナマイト!』のせいだとはいわないけれど、ちょっとSGが欲しい。いや、買いませんけど。でもって今回、ライブ中にテレビがきますとのアナウンス。これはやられました。私も騙された。でも、これ、ただ騙したってだけじゃなくて、あとに繋がってるっていう、そのもっていきかたがよかったです。

ところでさ、あのみちるの舞台が怖いっていうのね、あんなのあるの? っていうと、いや、実際あるらしいですね。私の知ってるケースはオペラ歌手なんですけど、世界的な人なんだけど、名前はちょっと思い出されないだけど、もう俺は駄目だ、っていって、舞台に出られないのを無理矢理押し出すんだそうで。そうしたらきっちり演じて歌って帰ってくる。で、また駄目だ嫌だってなって、でまた無理矢理舞台に押し出したら、またちゃんと演じて帰ってくる。面白いものだと思います。みちるもおそらくはその口なんでしょうね。

『あまぞねす?』、これ気にいっています。うん、ブログは、自分の書いてるのが面白いかどうか、わからんようになるよね。というか、これ面白い、きっと読者も喜んでくれるね! とか思ったこと一度たりともないね。でもいいねん。ブログはなんの役に立たなくてもいいらしいから。

今回はブログというよりも、日記で自分を振り返るというような回でした。なんで今の会社、業種を選んだのかというようなこと描かれていて、これいいかげんに見えるけど、でも実際はこんなもんだったりしますよね。それでいい会社にめぐりあえたっていうんだから、幸いですよ。ああ、私もこんな会社にやとわれて、天才小学生の先輩とか欲しいよ。忙しくても容赦なくお茶の時間がくるとか、こういうのも面白くて、なんか理想的職場の漫画なんだけど、理想的だけに憧れてしまうのかも知れませんね。で、どうにも書くことがないときの対処法。ああ、それは私も知りたいです。切実に知りたいところです。

『トラウムメディカル8.5』、気にいってる漫画です。抱き締められるアルバちゃん。でもって、否定的なこというと夢がドロドロになるんだ。父と娘の話。ちょっと気持ちが通った? でもすぐにすれ違った? なんだか切ない話でもあるけれど、反発していても父親は大切、父親からしても娘は心配。どちらも素直になれないのかなあ。そしてそれはアルバにとっても同じなのかなあと、その素直になるっていうことの気恥かしさみたいなのね、じわじわ伝わってきて、よかった。でもって、面白かったです。

『パドラーズハイ』、学校を出て、ラフティングの専門店にいく話。パドルにチーム名いれるという、そのチーム名を決めるところからはじまって、自分たちに必要なのはなんだろうと考えて試してみる、そういう段々に深みに入っていくところ、楽しいです。なんでもそうなんだけれど、やっぱり楽しげにものごとに取り組んでいる様子というのは、見ていて嬉しくなるものだと思います。それでこの漫画には、楽しそうな態度、気持ちがあふれていて、だから好きなんだと思うのですね。自作のパドルケース背負った三人の姿、それもまた溌剌として魅力的でありました。

『すいーとプロミス』、従姉がやばいっていうね。子供のころにかわしたケッコンの約束を真に受けて、ストーカーまがいの活躍見せるという綾姉。素敵すぎます。でもって、学校で再開。これは、なかなかに強敵で、それこそ36番的な味をかもし出してくれるのかと、ちょっと期待してしまう展開でした。

『コミカプ』、なんだろう、ちょっと感動してしまった。今は「地味だけどいい話」を守れるだけのゆとりがないっていうのは、多くの雑誌、出版者に共通の事情なんだろうなあ、というのはいいとして、トリッキーな手段に訴えようというチーちゃんに、皆が、私が求めているものは違うんだよって真正面から告げるういちゃん。そしてチーちゃんの選んだ展開の、その場面に、前段となる様子はほとんどなかったにもかかわらず、ぐっと感じるものがあって、それはその場面を選択する彼の心情が思い起こされたからなんだろうなって思います。なんだかいい話。きっといい方向に動いて欲しいな、そんなこと思わせる話でありました。

『Boy’sたいむ』は、やっぱり置島、気付いてたんですね。ショックだったのは、男のひろむが好きだったのに、ってわけじゃなかったんですね。でもって、今回は置島のうろたえ、どたばたするそんな姿がこっけいで、でもひろむを守ろうとする、ほんといいやつですよね。これ、結局は置島の純情がひろむに通じるんでしょうか。どうなるんだろう。この状況で続くなら嬉しいこと。でもって、置島の恋が成就するといいなあなんて思っています。

『放課後のアインシュタイン』、他誌からのゲストですが、キャラクターひとりひとりの個性や状況説明するのに、今ではなく、過去の話を持ってきた。三人が出会ったころの状況。まだ友達ではなかったころの話。先生ともまだ出会っていなかった。そんな時分の話は実に新鮮で、今とは違う関係の温度、態度もろもろに、なんだか違った横顔見るような、そんな気持ちになりました。

『レーカン!』、これ、怖い、怖いから。幽霊が見えてしまう女の子、天海の話。踏切に引き込まれたり、脚つかまれたり、幽霊もいいもんだなあっていう気にはなれない、実に怖い状況ですよ。でも、それでも怖いばかりでない。ちょっとの怖さはアクセントとなって、ヒロインの人となりや、(結果的に)彼女を見守って手助けした井上の活躍を彩ってくれています。その印象が鮮かだから読んでいても面白い。そんな風に思っています。

  • 『まんがタイムジャンボ』第16巻第4号(2010年4月号)

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