2010年3月13日土曜日

『まんがタイムラブリー』2010年4月号

『まんがタイムラブリー』2010年4月号、発売です。表紙はお花見なのかな。ハンディカラオケで歌う『夏生ナウプリンティング!』のヒロインふたり。でも、緑のなんかを泡立ててる『つぼみ園』のことみ先生。なんじゃこりゃ! と思ったけど、抹茶か。抹茶だな。そうか、やっぱりお花見なのかと納得した次第です。総力特集辻灯子もお重ビールだんごとお花見セット。ヒロイン三人揃い踏みはちょっと嬉しいです。でもって、『放課後のピアニスト』楽譜が全音のバッハ。シド君、君は弾けるんやから、もっといい楽譜お使いよ。なんて思ったりしてしまうのでありました。

うさぎのーと』のすずめを見て、ああ懐しいとこばとを思い出しました。『いつも心に太陽新聞』のヒロインです。今回もうさぎ先生のらしさ、冬眠動物への愛があふれていて、しかし花組と冬眠組、ちゃんと冬眠組に人が集まるっていうところがよりらしくていい感じです。そして片岡をめぐる男たちの恋模様。素敵!

パニクリぐらし☆』、いよいよ結婚ということになって、佳境でありますね。ふたりの父親、それぞれの模様が描かれて、結構シリアスなその展開、乗り越えていく兄貴はよかったなと。けど、長瀬さんの親父さんは、ちっとも乗り越えられそうにないですね……。むしろシリアスを緩和する、そんなキャラクターになってしまって、こうした親父像っていうのもまた、愛すべきものなのかも知れません。きっと孫ができたらいちころだ。

『だんつま』、星野ユキさん再登場。可愛い奥さんだと思います。見栄っ張りで寂しがり屋。しっかりしてるようで、意外と抜けてる。メインの三人ともまた違った個性で、けれどうまく調和して、よい関係ができている。すごく見ていて、ほのぼのとするのでした。しかしさ、克ちゃん、すごいな。この人もまた独特、その独特さが素晴しいです。

『ごめんね、委員長』、面白かった。ぱん子さんが審判でなくプレーヤーとして参加したことで、またいつもと違ったぱん子さんの様子が見られて、そして委員長の嫉妬、ああもう可愛いねえ。いつもひどい目にあわされてる、そんな風に見えるけど、いや実際そうなんだろうけど、でもそれでも仲のいい友達なんだなって思ってる。そうした心情が見えてきた、そのことがとても読んでいて嬉しく思える、そんな話でありました。

『ペンとチョコレート』、新展開ですよ。打ち切りをくらった漫画家を、原作付きで引き上げようとする他誌編集者。そのやり手そのものといった振る舞い。それはフタバトワコのプライドを傷つけつつも、確実に結果を出して、けれどこのフタバのうちにわだかまるもの。それがどういった今後に繋っていくのだろう。それはすごく楽しみであります。納得づくと自分に言い聞かせながら、しかし乖離していく自身と現実のギャップ。なかなかのアイデンティティ・クライシスであります。

そして総力特集辻灯子であります。『ただいま独身中』はなんだかちょっと転換点が作られた? そんな印象のある回でありました。こうした展開、ちょっと異色だと思う。けれど、ちょっと違う印象に出会える、それはすごく嬉しいことであります。

今回掲載は『ただいま勉強中』と『ふたご最前線』、そして『虹色占い師』ですよ。ああ、懐しい、『虹色占い師』。この漫画もまた、ちょっとずつ変わってるお嬢さんたちが、楽しそうにやっている。そんな漫画であったのだなあと再確認させられて、そして新人占い師が自分の適正を考えながら、自己像を自身のうちに作り上げていく、そんな感じの話だったのだなあ、と確認したように思います。結構好きだったんだけど、いや、ほんと、惜しかった。で、思うんだけどさ、『ただいま勤務中』から現在に至るまでの未収録を収めた単行本とか出たら買っちゃうと思うんですよね。まあ、出ないだろうと思ってるんですけどさ。いや、ほんと、惜しいなって思ってしまうんですよ。さらにいえば、なんで総力特集なんてやっておきながら、今月頭に出たところの『勉強中』3巻の宣伝をもっと露骨にやらないの? 惜しいと思います。柱と1ページ広告に加えて、扉に煽りいれちゃえばいいのに。なんて思ったのでした。柱も1ページ広告も、ぱっと読み飛ばしてしまうから、印象にあんまり残らないです。

『放課後のピアニスト』、なかなかに面白いです。ピアノが周囲に影響をあたえてるっていう、それでお供えが置かれてるっていう、実に面白い。今回はレミの弱点、体力が足りないっていうのがね語られて、ああ、わかる。で、雑な演奏からも学んでいるっていうところ、こういうのも面白い。しかしこういう、演奏を楽しんでいる、けれど楽しみきれない理由があるっていうの、なんかいいなって。弱点からも学び、そしてここぞという時に輝く。レミはプロのピアニストとして活躍するには大きなハンデもってるけど、でも今という時代ならそれでも活躍できるところはきっとある。ええ、なんか魅力的な娘であると思うのです。

『少女カフェ』、素晴しい扉! 今回は葉月さんの職業もろもろが語られて、しかしつくしの厳しいつっこみと、それを先取りして回避する葉月さん。いい感じにコミュニケーションできてるなと思って、面白かったです。でもって、マスターは姫なのか。小さな王子様はすごく可愛い。ええ、かっこよくて可愛い。凛々しくしっかりした娘、いいじゃん、と思ってしまうんですね。

『ヒーロー警報』、これは続くのか? 助手少年Hの初恋が語られて、まあ失恋なんすけど、そして再会なのか? これ、次回に続くならそれは楽しみかも。話の都合からなのか、失恋することが常に予定されているHはかわいそうで、しかしそれが面白いんですね。憎めないいい奴だからこそ、こうした不憫な状況に、なんだか応援したい気持ちにもなろうというものなのでしょう。しかも、この飲みもきっとHのおごりなんだろうなあ。もう、大好きです。

『ものかき倶楽部』、部誌を作ろうという話。まだ部員になっていないもえみが、なんだかんだとアドバイスしたりして、そしてうまく部に迎えられて、というかずっともえみが抵抗してたんだっけか。このもえみの素直でなさ、けど面倒見はいいみたいなところ、よいなって思います。部誌は、文化祭とかで出すのが一般的だけど、そうでないなら、ええと、うーん、図書館に置いてもらうのが一番だと思うよ! 今の時代はWebで公開とかも可能だったりするけど、昔に比べると発表機会がすごく広がってるって思うけど、そんな時代にこうして手作りで部誌作るっていうのね、ちょっとノスタルジック感じさせてくれて、よいなって思ったりしたんですね。

『カフェらった』、最終回です。そうか、もう4年近く連載されてたんですね。だんだんに好きになっていった、そんな漫画でした。メイド喫茶ものだけど、メイドという色が自然に存在するようになって、それで春那たちのキャラクターが素直に伝わってくると感じてきたころには、もう好きになっていたのだと思います。なかなかにいい最終回でした。こうして、いい終わり方すると、いい漫画だったなあって思ってしまうんですね。ええ、いい漫画でした。

『ポンテ!』、面白いです。ガラス職人を目指した理由なんてのが出てきましたけど、そのガラス職人を目指すという過程での出来事。通過儀礼とか窯番とか、それで経済状況。簡単じゃないんだなあ。こういう好きという気持ちが原動力になる仕事って、どんなでも、経済的には苦境におちいってしまいがちですよね。でも好きという気持ちは止まらない。うん、だから魅力的と思えるんだ、そう思うんですね。

『ちはる日和』、初登場ゲストです。女子高生もの、お兄ちゃんがいる。幼ないというか天然というか、そんな妹が可愛く、けれどちょっと心配といったような漫画です。漫画自体としては大人しいなという印象です。アグレッシブに踏み込んでくるような表現はないから、心安らかに読める、そのテンポは結構好きです。

『空に唄えば』、これも好きな漫画です。うまくないんだけど、歌うのが好き。で、合唱部とは別に、仲間集めて合唱しようという、そんなヒロインが支えられながら、ちょっとずつうまくなっていく、そして皆で一緒に歌えば嬉しいってところがいいんですね。ヒロインは確かにうまくないんだけど、それでも歌いたい、うまくなりたい、そういう気持ちを素直に口にして、その気持ちがまた別の誰かに影響していくっていう、その連鎖するところもよいのだと思います。気に入ってる。だから、頑張って欲しいって思っています。

  • 『まんがタイムラブリー』第17巻第4号(2010年4月号)

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