2006年4月15日土曜日

Good Morning ティーチャー

    ご存じ重野なおきのお送りする熱血教師学園四コマ。私の購読しているまんがタイム系列誌にこの人を見つけて、ああいい漫画を書く人だなあと思って、単行本を買いはじめて、その判断は正解だったと思ったものでした。たまにあるんですけど、雑誌によって作風を使い分ける人というのはあって、だから未見の漫画を買うというのはちょっとした冒険なのです。まとめて既刊を買って、うわー、やっちゃったよー、なんてことももちろん一度や二度ではなく、だからもしこれから重野なおきに挑戦してみたいという方がいらっしゃったら、私が保証します。なにか重野漫画で好きなものがあれば、他のものもきっと同様に楽しめますよ、と保証します。

重野なおきという人は、『ひまじん』とか『ぼくの彼女はウェートレス』とか、少人数で展開するものを書かせても面白いのですが、でも大人数の入り乱れるような漫画でもその才覚を充分に発揮させて、例えば『うちの大家族』、そして『Good Morning ティーチャー』がそうした大人数ものに数えられるでしょう。基本的にはシチュエーション・コメディ。そこには笑いがあり、ナンセンスもあり、そして感動もあって、とにかく幅が広い。いい漫画を描く人だなあと、本当にそう思うのです。

シチュエーション・コメディとしての味わいが深いのは、登場するキャラクターが本当に個性豊かで、憎めない奴らばっかりで、そしてその彼らがそれぞれに背景を背負っているからで、表立ってそうした背景が描かれることは少ないのですが、その分、たまに背景に言及されたときの強さが光ります。『Good Morning ティーチャー』では上原が光りました。私は、こうしたひとつのストーリーを、こればっかりに着目することなしに追える作者のバランス感覚のよさに驚いて、そして彼の決断とその結末にうまさを感じました。よくあるストーリーといえばそうかも知れません。ですが、私たちの生活だって、現実だってそんなもんでしょう? その私たちの身の回りにだってよくあるエピソードを拾って、それを膨らませて、そしてしんみりとさせて、笑わせて、こうしたストーリーをひとつひとつクリアしていくごとに、登場するキャラクターへの愛情を深めていくのかも知れないと、私はそんな風に思います。

でも、基本的にはナンセンスを織り交ぜて描かれる四コマである『Good Morning ティーチャー』は、誰もが知っている学校というシチュエーションにおいて展開されるギャグ満載の漫画であって、ちょっとレトロな味を持ち込んでみたり、お約束設定を織り交ぜてみたり、だからたくさんの登場人物の誰がどういう人であるかを知らなくたって、最初から楽しめるよい四コマ漫画であります。けれど、出てくる人たちがどういう人であるかがわかれば楽しさがいや増すのは必然で、だからもし途中から読んで、ああ、この人の漫画、面白いなと思うことがあったら、過去に戻って流れをつかんでみるのも良いかと思います。きっとこれまで以上の楽しさと、よりいっそうの愛着を得られることかと思います。

ドラマCD

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