2009年11月13日金曜日

『まんがタイムラブリー』2009年12月号

『まんがタイムラブリー』12月号、発売です。表紙は一足はやくクリスマス。赤と緑の背景、クリスマスツリーや煙突も見られるけれど、けれどさすがにちょっと早過ぎるってことなのか、あまりクリスマス色を前面に押し出すようなところはなく、パーティーのドレスが華やか。そんな表紙であります。

うさぎのーと』、本編でもちらほらとクリスマス。うさぎ先生はハイテンションというのが基本になりつつありますが、いや、こうした楽しみを楽しもうというところはいいなと思っていて、そしてこのハイテンションがあるから、「サプライズ」の落ちも生きるんだろうなと。めちゃくちゃ面白かったです。勢いのある振りがあれば、トナカイ着ぐるみ静かな笑いもあって、これはとてもいい。新婚旅行はフィジーの予定だ!!! どんなテンションなんだと思うんだけど、最高に面白かったです。アップダウンがしっかりとあって、アップでもダウンでも笑いを誘う。もう、「ハグ待ち」のいたたまれなさったら! 乗ってるなあ。とてもよかったです。

『ごめんね、委員長!』、とてもいい展開です。いやね、私は、この漫画は、委員長が毎回あれこれと酷い目にあわされる漫画だと思ってたんですが、いやいや、そうじゃない。ついに逆襲のチャンス到来っていうね。一方的じゃないんだ、対等であり、逆転ありなんですよっていう、そういう関係にこそ広がりが生まれるってもんさね。かくして、委員長悪党面。そんなあなたも素敵だ。

ところで、テニスってボールが体に当たるとアウトなの? バドミントンがそうだっていうのは覚えているんだけど、テニスもそうだったのか。けれど、これで点をとれるなら、体を狙うのは戦略としてはありだと思います。少なくともバドミントンに関しては、積極的に体を狙えみたいにいわれた覚えがあるんだけど、どうなんだろう。一般的にはおかしな意見なのかな。テニスにおいては恵理咲がそうだったように、体を狙うことでアウトになりかねないからやらないのかな。どうなんだろう。詳しいことはわからないけど、それでも楽しめた回でした。面白かったです。

『僕は泣く。』、ふじのはるかの短期連載だそうです。気が弱くて、押しの強い女性からのアタックを断れないという主人公。いや、断ろうよ。お断りだ、御免被る! これでいいんだよ。ってなわけで、これはそうした弱気な優柔不断主人公が、人を好きになって変わっていくっていう話になるのかな。ともあれ、昔の憧れの人が次号登場なのだろうと思われます。

『だんつま』。英理子の状況は、あんまり他人事じゃない気がする。全自動掃除機の導入は功を奏さず、ひなよの夫克也はラッダイト運動のようなこと口にして、そして未歩はうまくいいところをせしめていく。そういった流れは、これまでに確立したキャラクターを反映して、すごくらしくて面白く、そして近所づきあいの描かれたりするところもよかったです。片付けは、結局は捨てられるかどうかが鍵なんだなって話でもあったように思います。ものがその人の取り扱える量を超えてしまうと、手のつけようがなくなってしまうんですよね。だから、そのキャパシティをオーバーしないようにするってことが大切なんだろうなと、そんな話でもあったように思います。いや、そうしたことが描かれてたわけじゃありませんけど。

『視界良好』、面白い。今回はヒロイン成田秋奈ではなく、同僚小松の心境こそがおかしくて、いや、わかる、その気持ちはなんでか知らないけど、よくわかる気がするよ。安心してちゃ駄目なんだ。アグレッシブにいかないと駄目なんだ、とはいうけれど、恋だか愛だか好きだかなんだか、そういうのが自覚されないことには無理っすよね。うん、わかる、なんでかよくわからないけど、共感します。それは、あかんたれの、駄目な生き方だってこともわかります。

『白衣とリボン』。人型のロボット。ヒューマノイドを試作中、趣味で。ゲームのキャラクターに恋して、それを現実に触れられる存在として顕現させるべく、奮闘するモリソバの同級生。これ、エロゲとはあるけど、『ラブプラス』あたりが想定されてるのかな。で、女子のサンプルとしてゆりが選ばれて、けど顔はいいのんか? ゲームキャラのでなくていいのんか? さて、こうした代替物で憧れやなにかを埋めてしまうことの是非はさておき、ロボットの発展は馬鹿にできないものがあって、すごく楽しみなんですが、産業技術総合研究所運営費交付金が事業仕分け対象に入っててね、まあ、仕分けって作業も必要なんだろうとは思うんだけど、ちょっとがっかりだね! と、これは関係ない話でございました。夢やロマンでは暮らしていけないけれど、それらがなければ心に潤いがないっていうのもまた人なんだって思うんだ。うん、ロボットってやつはロマンなんだと思うんです。

『ただいま独身中』、面白かったです。前回明らかになった佐藤操の隠れた趣味。それが引き続き話題となって、いや、知っちゃいけない、知られちゃいけない、BL好きっていうことは。でも、実は私はBLやBL好きって人に抵抗がないんだ。自分でも読むからね。で、BLも嫌いじゃないとはいうけれど、実はそうした趣味にはまってしまって、暴走しちゃってるような人を見るのも好きで、だから「何も知らないくせに」なんて最高でした。いや、実際、こんな風にわあって説明受けて、お勧め紹介されて、買って読んだもんな。好きなものに一生懸命になってる人っていうのは魅力的だって話でもあるんですが、だからこの人、佐藤操、かなりよいですね。こういう人、大好きです。いい感じに変わりものなんだものな。

なお、私はリーマンものが好きなようです。学園モノも悪くはないんですけど、やっぱりリーマンものがいいみたいです。

『カフェらった!』、今は気になる人がいたらメールアドレスを交換するのね。私、携帯電話もっとらんからなあ。は、置いておいて、これ望みがちょっと叶って、しあわせ! ってなって、で、それが引っくり返るのか。世の中って切ない! で、しばらく休載なんだそうです。なんだろう、って思うけど、だんだんに面白さが増してきて、このところ、とてもいい感じ、楽しく読めていたから、いつか帰っていらっしゃること、心待ちにしたいと思います。

『ヒーロー警報!』、かおりがYの昔に興味を持ってしまった! しかし、この漫画、元悪の総帥と、彼の率いる組織に戦い挑んでいた元ヒーローと、なんだか仲良く語り合ってる。何度見てもおかしな漫画なんですが、面白くって、今回もそう。みんな味があってね、妙に真面目でちゃんとしてる元悪の総帥Y。今は孫命のいいお爺ちゃん。すごいギャップ。でもそれがすごくはまってて、すごくいいんですね。面白いってこともあるけど、愛せる! って感じがいいんです。というわけで、深夜に及ぶ作戦会議。最高でした。

『どんまいっ。』、ゲストです。OLもの。元気なお嬢さん。ちょっとドジ。典型的とも思うけど、こういうの、嫌いじゃないんですよ。老けて見られる冬子さんとか、結構よかったかなって思って、それからあのカンカンの効用。ああいうのも結構好きなんですね。

『三日月すぱいす』、ちょっと久しぶり、ゲストです。ゴシックロリータのお嬢さん、相原さんのこと好きな細見くんの話なんですが、微妙にむくわれないように見えて、いや、実はそうでもない? って思わせるところ、気にいっています。結構好きな漫画なので、落ち着いて読めるようになったら嬉しいんですが、今はこうしてまた会えたことを喜びたいと思います。

先生はお兄ちゃん。』。兄嫁……、いえ、なんでもありません。純情少年の憧れ。好きになった人には、もう決まった相手があって、うん、切ないですね。そうした気持ちはわかるように思います。こうした時に一番困るのは、決着をつけにくいってことなんだろうなって、いや、私は人妻相手に、好きです、結婚してくださいっていってましたけど。でも、それは結局冗談で、決着なんてつかないってわかってるからこそ、いえたことなのでしょう。だから今回の蒼井少年の玉砕するために踏み出したその一歩は、いじらしくて凛々しくて、素敵でした。

『ミニっきえにっき』、感動の最終回! や、確かによかったけどさ。ちょっとしんみりとさせて、そしてミニ様の成長を皆で喜ぼうという、そうした様子にはじんとして、だってなあ、大変な境遇にある、そんなミニ様の様子、サフォークたちと一緒にずっと見守ってきたようなもんだもんな。そりゃ、感動もするよ。好きな漫画だったんです。この前に連載されていた『新釈ファンタジー絵巻』のころから、いい漫画を描く人だって思いながら読んできて、こうして終わることは寂しい。けれど、いい話でした。好きな漫画でした。好きな作家です。とてもいい作家です。そうした思いを強めた、そんな最終回でありました。

  • 『まんがタイムラブリー』第16巻第12号(2009年12月号)

引用

  • 師走冬子「うさぎのーと」,『まんがタイムラブリー』第16巻第12号(2009年12月号),30頁。

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