『まんがタイムきらら』2025年8月号、発売されました。表紙は『一畳間まんきつ暮らし!』。TVアニメ化決定! の文字とともに登場です。芽衣子が先陣を切るようにして、梨絵、音緒、万里花の4人が制服姿で登場です。それぞれに皆、晴れやかな表情で、周囲に舞い散る紙吹雪もあいまって、祝祭的な雰囲気がとても素敵なのであります。これをきっかけに、ヘッジホッグがより以上の躍進を遂げるといい! なんて思わされる、勢いがすばらしいイラスト。誌面から飛び出してきそうです。
今月は新規ゲストが3本です。
『ありふれた異世界転生』
続々やってく異世界転生者。よくないことに、神から授けられるチート能力でもって大暴れしやがるやつが多すぎる! となると、当然それを取り締まる存在もありまして、そのひとりが天使のティオ。世界の治安を守るべく、無闇に能力を奮う転生者を見つけてはお縄にしていく。その数、週に数十人。って、多すぎない? なんか、一日十人みたいなペースで転生してきては暴れるやつがいるわけか。
いくらなんでも、多すぎる。神もなにが目的で、そんな無節操な真似をしてるのですか!?
でもまあ、チート能力があれば使ってみたくなるのも人情です。でもってそいつで万能感得ちゃったら、調子にのるのもまあわかる。でも、やっぱりそこで暮らしている人たちの生活、秩序を考えたら、無茶をしちゃあいけないわけです。事件があれば駆けつけて、言って聞かせて、それでも聞かなかったら、そのときは捕縛ですよ!
そんな転生者捕物帳ともいえるこの漫画。なるほど、大変な仕事なのはよくわかりました。だって、対峙するのが、自分こそ主人公と勘違いしたイキりどもなのでしょう? いやもうお疲れ様です。
『LUH-21416』
逃亡中のアンドロイド、ルゥ。捕われたら壊されてしまう! だから、なんとしてでも逃げきらねばならないと、ひとりニューコモロへと向かうのです。
アンドロイドも大変ですね。自我もあれば感情もあるのに、人工物だから人権もない。モノのように作られて、不都合あらばモノのように壊されてしまう。ルゥを見てればよくわかる。ほぼその思考もろもろ、人と違うところはない。ただ、本来アンドロイドは嘘をつけないようになっている。なのにルゥは嘘がつけてしまう!
だから危険! 壊そう!
てなわけですが、やっぱりなんだか無体ですよね。
ニューコロモへと向かうルゥを拾ってくれたジザベラ。これで車を確保、100キロの距離もなんとかなったと安心するも、このジザベラがルゥを追う捜査官。嘘がバレたら掴まって、壊されてしまう。冷や冷やしながらのコモロ行とあいなったわけですが、この道中の会話。アンドロイドは嘘がつけないという前知識がジザベラの判断を鈍らせる! というか、一番ジザベラを鈍らせたのは、ルゥのかわいさ、めっちゃ好み! あわよくば仲よくなりたいという下心だったのですね。
逃亡アンドロイドを取り締まるべく敷かれた検問に、命の危機を感じたルゥ。目の前で執行されるアンドロイドに恐慌に陥るも、このピンチを同乗者、ジザベラのおかげで乗り切ることができた。ああ、ジザベラ、ワンアウトですよ!
ともあれ、まずは生き延びたルゥ。これから、新天地での生活がはじまる。そこで経験するものとはなんなのか。そしてアンドロイドであることを隠し通すことはかなうのか。そこでもまた、ジザベラの存在が鍵となりそうですね。
『花崎朋華の言うことは絶対!』
花崎朋華の命令には逆らえない。それをいいことに、まわりの人間をうまく使って、悠々自適の学校生活を送る朋華なのですが、ただひとり、黒坂守だけには命令が通じない。それは幼稚園の昔から。けんもほろろに断わられたのがショックで、長く守を遠ざけていたのだけど、同じクラスになったからには今度こそ従わせると、悪いこと考えている朋華なのです。
でもその目論見はかなわず、連戦連敗。と思いきや落とした消しゴムを拾ってもらえて、快挙と思いきや、まあこれくらいなら能力関係なく普通にいうこと聞いてくれるよね。
自信を持ったりなくしたり、守のことを探ろうとして裏目に出たりと、ほんとにうまくいかない朋華であります。
でも、こうして守に固執しているうちに、守のこと気になってきちゃった? いろいろ過剰に期待しちゃったりね、でもって期待がはずれてがっかりしたりね。
そんな朋華の本末転倒。でも、能力に頼まなくとも、困ったときにはちゃんとお願い聞いてくれた守。こうしてコミュニケーション重ねていくの、朋華には大切な経験かもしれませんよ。それゆえ守は朋華にとって特別であり続けるかもしれませんね。
- 『まんがタイムきらら』第23巻第8号(2025年8月号)