2012年6月22日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年8月号

『まんがタイムスペシャル』2012年8月号、発売されました。表紙は、ええと、これはなんだろう。お祭りなのかな? さらしを巻いて片肌脱いだリコさん。手には扇、頭には鉢巻? 非常に色気のあるイラストです。最終回告知のカットもあって、都と直人ふたり並んでこちらに手をふる、これは『えすぴー都見参!』。そして『放課後のピアニスト』。レミさんがマラカス持って、って、いや、違うよ、これリンゴ飴か。両手にリンゴ飴。ひとりでふたつ食べるの? 元気があってよろしいなあ。

『カブルモン』、味のある漫画ですよ。一二見さんをエヴェレッタちゃんにして、さあこれから職員室にいこう。カブルモンの奇人変人ぶり、なのかも知れませんが、中の一二見さんは落ち着いていて、と思ったら、そうでもないのか、不思議とハイで、面白いなあ。そして職員室で顧問を募る。なかなかうまくはいかない、そんな状況に加えて伏見先生が立ち塞がる! 頭ごなし、話も聞こうとしない、そう思われたその時、高沢懸命の説得。あのおどおどしてる子が、こんなにもはっきり主張して、その様子に折れた伏見先生。なんだあ、いい先生じゃない。正面から熱意持って体当たり、それをしっかり受け止めてくれる教師。なんだよ、青春ものかよ。ええ、そうなのでしょうね、きっと。

『どろんきゅー』、カラーです。青空の下、海でキャッキャッと遊ぶ女の子ふたり。ああ、いいイラスト! 足元に真っ赤な、真っ赤な、手が、手が! ほんと素晴しいですよ。カラーともなれば、幽霊さんたちの威力も増して、けどそれでもいいやつらだなあ。試着室幽霊、あのフレンドリーな様! 海で出会うやつらもそう。でも、あのうねうねの手、砂山の手、怖いわあ。で、怖がったりにこにこしたりの果歩が可愛いですよ。イルカフロートでの御神輿状態。ナイスでした。しかし、このお化けに好かれる子が無事なの、あのお母さんあってのこともあるんでしょうね。ワイルドな母。お化けも退散する。一種のお守りなんでしょうね。

シュガービーチ』は文化祭。ビーチで水着喫茶、あるいは部長の売り出し。いろいろ案は出たけれど、なんと、劇に落ち着くのか。ビーチバレーの力でビーチの平和を守る『浜辺の妖精シュガービーチ』。なるほど、このタイトルはこの日のためのものであったか! で、部長、やる気なのね。もうノリノリで、で、ここからの展開、酷かった。ビッチパワーでビッチを守るシュガービッチって! ビチビチビッチで変身シュガービッチって! もう、たまらん面白さでした。もう、これ、いいんか。ところで、部長のセーラー服ってはじめて? なんか、ものすごく意外な感じ、不思議な雰囲気です。

『童話の森の女子会』は、ナントカ、ゲストでありますよ。童話、メルヘンのお姫様たちが集まって女子会だそうです。於いばらの城、主催はオーロラ姫、って、やあ、やっぱりナントカだけあって一筋縄じゃいきませんよ。きゃっきゃうふふとか有り得ない。シニカルでちょっとブラックな話。めちゃくちゃ面白かったです。というか、オーロラ、歯、歯はちゃんと磨いてくれ! お願いします。しかし、ほんと、もともと怖かったメルヘン、でありますけど、この人にかかると、なんともいえん味わい、シンデレラの価値観とかさ、あの庶民の庶民でしかありえない発想の悲しさよ、もう素晴しい。またメルヘンの男親への視点。逃げ腰、見て見ぬフリ、腰抜け、いいたい放題、それが素晴しい。この人、健在だ、まさにそうした感想。女子集まっていろいろ話す、そんだけのことがこんなに面白く、そしてラストのまとめ方。ああ、これは現実でもありそうだわ。メルヘンを、ちょっとすれっからしに、現実的な視点で見たといった味わい、大変によかったです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第8号(2012年8月号)

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