2011年2月19日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年4月号

『まんがタイムきららMAX』2011年4月号、発売されました。表紙は『かなめも』。手にはチューリップ、髪には桜を飾って、華やかな娘たち。すこし淡い色調で、けれどこの雰囲気、すごくいいですね。にこにこと笑うかな、楽しそうな美華。そこにちょっと困った? 風な文、そしてさっぱりとした表情浮べてる直がいることで、娘たちの気持ちの沸き立つような、うきうきとして、ちょっと移り気、そして多彩、そんな雰囲気が感じられるように思うのですね。掲載作の紹介も吹き出しになっていて、楽しくおしゃべりしている、そんな感じがまたいいのですね。

そんなわけで『かなめも』。ちょっと大人ぶってる代理がいいですね。なんでもない日常、いつもの朝食、そう見せて、けど代理には違ったのかも。ひとりでいる時くらい、しっかりした顔を見せるのやめて、ゆっくりしてみればいいというひなたのアドバイス、素直に受け入れるっていうんですね。甘いミルク、かなの作ってくれたグラタン? そしてこたつでごろごろ。ひとりじゃ楽しくない。それでなんか、ごっこやってるんだけど、代理、というか咲妃、やっぱり寂しいのかなあ。そんな様子が見えて、けどそうした顔、普段誰にも見せてないよね。そんななのに、ちゃんとわかってくれてる人がいるっていうの、ああ、いいな、すごくいいな。ええ、ひなたの気持ち、それが伝わってきて、それもいいなって思ったのですね。

『きんいろモザイク』、ものすごく面白い。綾のいう、親が旅行で今夜はひとりという、その情報をただ聞いて、へーそうなんだとそのままにするしのぶと陽子。いや、もう、面白い。こういう気持ちをちょいっとくすぐるみたいなね、ちょっとした描写に面白さを乗せてきますよね。アリスの国語辞典もそう、手を握られてずっと外にいたことばらされる綾もそう。晩ご飯作ってる綾と陽子のやりとりもそう。極めつけは、しのぶの嫌われてる疑惑かなあ。ぱっと見には可愛い女の子が目立つ漫画なんだけれど、そこに小気味いい面白みおかしみのちりばめられてるところなど、読んでいるとじわじわと効いてきて、可愛いは面白いは、ほんとすごくいいです。もう、大好き。あの、最後の陽子と綾のやりとり、これなんかは可愛い押しなんだけど、こういうのもすごくいいと思います。

『おにさん、こちら』、すっかりやられましたよ。今日は墓参りか。でもって、猫やら家族やらの台詞聞いてれば、ああ、お母さんいないんだ、亡くなっちゃってるのか……、と思っちゃうでしょう! あの、お母さんとふたりきりといってる一本、回想なのか幽霊なのか、ええ? どういうこと? 混乱して、もう、いやほんと、やられました。でも、このお母さん、ちょこんやらいつでも戻るわよやら、ほんと可愛いお母さんだな。で、やっぱり今回面白かったのは、猫の会話ですよ。ほんと、お母さん、猫に好かれてるんだな、っていうか、どんだけ猫好きなんだ、この家族。こういう描写も面白かったです。

『アキタランドゴシック』、これ、面白い。ちょこっと異世界もの? とか思ってたら、今回はショッピングセンターから始まるのか。もう、思いっきり普通じゃんか。で、アキタちゃん、何買うのかと思ったら、ゲームなのか。コンシューマーだと残虐表現が修正されているからPC版を買いにきた。すごいな、でも、それって普通にショッピングセンターで売ってるのか? 子供でも買えるのか。まあ、年齢制限がなかったら買えるか。ともあれ、こういったところ、普通にこちらの世界に同じなのか。すごく意外に思って面白かったです。しかし面白かったのは、導入の描写とか、あれ凝っててすごくよかった。それからバスに乗れないアキタちゃん。これもいい。20ケタのはずが19ケタしかなかったCDキーからの展開も、ものすごく面白かったです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第4号(2011年4月号)

引用

  • 昼間行燈「おにさん、こちら」,『まんがタイムきららMAX』第8巻第3号(2011年3月号),47頁。
  • 同前,53頁。

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