2008年7月3日木曜日

Itiad

 Littlewitchのゲームは雰囲気が素晴らしいなんていわれることも多いようですが、確かに、大槍葦人の絵を軸にして作り上げられる世界観、その確かさは特筆すべきものがあると思っています。キャラクターがあり、背景があり、ベースとなる設定があって、そしてパッケージにいたるまで、実に徹底されています。私がLittlewitchを知ったのは『Quartett!』がきっかけだったのですが、これ、ゲーム自体はいうに及ばず、パッケージからインターフェイスから、すごくよくできていましてね、うわあ、なんだかすごいな、ちょっとしたカルチャーショックでした。PCゲームってだいたいが粗削りなものだと思っていたんです。ところが、その印象は見事に払拭されて、多少は抗ったんだけど、結局『リトルウィッチファンディスク — ちいさな魔女の贈りもの』で陥落。今はすっかりLittlewitchファンです。

さて、そんな私が今取り組んでいるゲームは『少女魔法学リトルウィッチロマネスク editio perfecta』なのですが、実は私は旧版も持っていましてね、けどプレイしていなかった。けどそれでもはっとさせられるものがあって、それはひとえに音楽がためでした。中世風を演出する音楽の響きが素晴らしく、だからといって昔風一辺倒にはならないバランス感覚も素晴らしい。テーマ曲も、元気な合唱風があれば、ポップなものもメロウなものもあって、素晴らしい選曲です。そして、耳朶に染みるようにして残った曲がひとつ。Itiad。トラディショナルソングの響きを持った小歌曲。それがどうもこうもなく素晴らしくて、聴いて、驚いて、すごいな、実に感じ入ったのでした。

といったようなわけで、いい曲だったら歌ってみたいよね、というわけで、コードはこないだ取りました。そして今日は、五線紙を人からもらって採譜してみて、たいして難しい旋律じゃないから私でもなんとかなったんですが、しかしこうもシンプルで、ああも美しいんだから恐れ入ります。歌詞は日本語をローマ字に直してから、逆にしたもの。でもそれが異国の言葉の響きを感じさせて、すごく素敵。少数民族ロシタリに伝わる歌、古い言葉だから、よく意味はわからない。けど意味はある — 。いい設定じゃないですか。どこの言葉でもないから、どこかの文化を引き摺ることがなく、新鮮で、懐かしい。素朴であたたかく、やさしい。本当にいい歌です。よければ一度聴いてみてください。

さて、採譜はすんで、歌詞もふって、発音もそれっぽくなるようにちょこちょこ注意書き入れて、後はコードをのせるだけです。でも私はいい加減だから、cis-mollの歌なのに、コードはa-mollで取ってて、そしてそれを3カポで歌うから、c-mollになるのかな? 4カポで原調か。3カポの時点でファルセットなんだけど、4カポだったら出ないよな。まあいいか、明日にでも試してみよう。けど、私は原調とかこだわらないから、3カポのなんちゃってカウンターテナーでがんばることになるんではないかと思います。

しかし、こんなに真面目に楽譜書いたの、大学出て以来なかったんじゃないのかな。というのもめちゃくちゃな話ですが、だって、仕事で歌いにいったりしてるのにさ、楽譜使ってないんだもん。それをこの曲に関しては楽譜を起こしたのは、それだけきちんと歌いたかったってことなんでしょうね。

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