2005年11月27日日曜日

But Two Came By

 Jack Orionをいろいろ聴き比べてみようという企画。最後の盤が届きました。マーティン・カーシーというシンガーでギタリストが、デイブ・スウォーブリックというフィドル弾きと一緒にやっているアルバムBut Two Came Byに収録されたJack Orionです。

私はマーティン・カーシーについてはよく知らなかったのですが、どうやらサイモン&ガーファンクルのポール・サイモンの師匠ともいえる人であるらしく、有名なS & Gの『スカボロー・フェア』は、カーシーの演奏にルーツを見ることができるらしいです。と、マーティン・カーシーはそういう人だという情報を得て私は、ならきっとよい歌手だろうと、知らないままにアルバムを買ってみようという気になったのでした。

マーティン・カーシーの歌うJack Orionは、English and Scottish Folk Balladsに収録されたJack Orionと同じメロディを持っていて、歌詞にしても、そもそも外国語の聴き取りに関してはことさら自信のない私ですからなんともいえないのですが、ほぼ同じである模様です。

Jack Orionではギターは弾かず、フィドルによる伴奏が軽快で、面白みを出しています。このフィドル伴奏というのはEnglish and Scottish Folk Ballads収録の版でも同様で、これはJack Orionの主人公Jack Orionがフィドラーであったからなのでしょう。あの伴奏の響きこそが、フィドル一梃を頼りに諸国を遍歴するジャックを彷彿とさせるのでしょう。

マーティン・カーシーは、民謡の風合いをわずかに残しながらもすっきりと整理された歌い口が聴きやすく、これを派手さがないと見るか、あるいは安定していると見るか、それは人それぞれであるかと思います。

私は、ほら、地味なのが好きですから、この人の歌はいいなと、そんな風に思いました。朗々と歌うでもなく、けれど朴訥としているでもなく、歌うべきところはしっかり歌って聴かせる、ちゃんとした歌手であります。こいつはちょっと過去アルバムをさかのぼってみるのがよさそうだぞと、しかしえらくさかのぼりたいシンガー、ギタリストが増えてしまって、私はちょっと大変です。

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