2004年10月7日木曜日

まんがサイエンス

  私が子供の頃、学研の科学をとってまして、当時子供に科学の先端知識を伝えるために連載されていた漫画は『チックンタックン』でした。宇宙人の王子チックンとおつきの爺やタックンハットが、地球人少女ミコちゃんを巻き込んでの楽しい科学漫画で私は大好きでした。各学年にそれぞれのチクタクが掲載されていて、描いてる人が違うからそれぞれ絵柄や設定が違ってるんです。タックンの手がメカっぽいのは高学年のチクタク、低学年はシルクハットのリボンが手になっていました。私が好きだったのは低学年のチクタクでした。

余談ですが、後にテレビアニメ化されるんですね。私は見ませんでした。きっと駄目になると思って白眼視して、そしてその直感は正しかったんですね。偶然にほんのわずか見たことがありましたが、失望してテレビを消しました。

さて、学研の学習漫画といえば「ひみつシリーズ」が名作のめじろ押しで、私、これも大好きでした。初期のが特に好きでしたね。『恐竜のひみつ』を最初に買ってもらって、次が『からだのひみつ』でした。一冊を残して、全部手元に残っています(さすがにカバーがないのがほとんどですけどね)。唯一手元にないのは『幽霊宇宙人いる・いないのひみつ』です。これ、当時子供だった私は怖くて、従姉に預けたんです。これにはニューネッシーとかシーサーペントとか、あと日本に現れたという小型UFO、そして念写(ウェストミンスター寺院や月の裏側!)。怖かったというのは幽霊でした。けど残念ですね。幽霊というのが、かのマーガレット・ブラウン。霊媒ピアニストとして知られた夫人で、グレン・グールドがレコード評でぼろくそにけなしてるんです。今からでも手に入るなら欲しい一冊です。

いよいよ本題。今日ご紹介するのは、現在学研『5年の科学』で連載されている科学漫画『まんがサイエンス』です。著者があのあさりよしとお氏で、逆に教育に悪いんじゃないかなんて気もしますが、けれど面白いんだから仕方ありません。科学知識を分かりやすく(時に怪しく)解説する専門家と子供たちの心温まるエピソードが読んで面白く、そしてためになります。

基本的には短編なのですが、ロケットであるとかロボットであるとか、大きなテーマは長編で描かれます。トピックごとに一話にまとめて、けれど連続した物語としてのカタルシスもあって、これは実によくできた、名作であるといっていいと思いますよ。今の子供たちはこういうの読んでるのかと、うらやましくなります。いや、もちろん自分の時代には自分の時代の、それぞれいいものがあったわけです。今も思い出に残る名著があって、そして今『まんがサイエンス』も読むことができる。そういう、自分の子供の時代が今に受け継がれること、そして今現在、世代を超えて同じものを手にすることのできる喜び、それがなにより嬉しいのです。

  • あさりよしとお『まんがサイエンス』第1巻 (ノーラコミックスDELUXE)東京:学習研究社,1991年。
  • あさりよしとお『まんがサイエンス』第2巻 (ノーラコミックスDELUXE)東京:学習研究社,1992年。
  • あさりよしとお『まんがサイエンス』第3巻 (ノーラコミックスDELUXE)東京:学習研究社,1993年。
  • あさりよしとお『まんがサイエンス』第4巻 (ノーラコミックスDELUXE)東京:学習研究社,1994年。
  • あさりよしとお『まんがサイエンス』第5巻 (ノーラコミックスDELUXE)東京:学習研究社,1995年。
  • あさりよしとお『まんがサイエンス』第6巻 (ノーラコミックスDELUXE)東京:学習研究社,1998年。
  • あさりよしとお『まんがサイエンス』第7巻 (ノーラコミックスDELUXE)東京:学習研究社,2000年。
  • あさりよしとお『まんがサイエンス』第8巻 (ノーラコミックスDELUXE)東京:学習研究社,2002年。
  • あさりよしとお『まんがサイエンス』第9巻 (ノーラコミックスDELUXE)東京:学習研究社,2004年。

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