2004年10月29日金曜日

Clover

    なんか最近いろいろなものがムック(?)展開されていて、ほらあの週刊なんとかみたいなもので、仮面ライダーとかガンダムのとかいろいろでてますね。けどいくらなんでも一年戦争とSEEDを同じ文脈で語ろうというのは無理がある、って今回はそういうのをいいたいのではなくて、CLAMPです。書店で見た『CLAMPノキセキ』の最新号が『Clover』を特集していて、それで私は思い出したのです。私はこの『Clover』という漫画がCLAMPのなかで一番好きなのでした。

CLAMPといえば、一番の出世作は『カードキャプターさくら』でしょう。NHK BSでアニメ放映されたことで爆発的にヒットし、ゲームにはなるし映画は毎年制作されるし、確実な収益が期待できるおたく層を狙った商品展開も華々しく、とにかく一般世間へのCLAMP浸透はこの漫画によってなされたといって間違いないかと思います。

さて、なかよしでちょうど『カードキャプターさくら』が連載されていた頃、不遇の雑誌Amieでは『Clover』が掲載されていました。なかよしよりも少しおねえさん向けで、趣味性の非常に高い独特の雰囲気がある雑誌でしたが、あまり人気が出なかったようでほどなく廃刊されました。私は講読していなかったので詳しくはないのですが、少なくとも『Clover』を世に出したという点でAmieには幾許かのセンチメントを持っています。

私が雑誌Amieに持った趣味性の非常に高く独特の雰囲気があるという評価は、おそらくは『Clover』に起因するものでした。繊細な絵で、漫画というよりもストーリーを持ったイラストレーションとでもいうべきか、すごくオリジナルだった。CLAMPらしい耽美(同人誌臭さといいかえたほうが適切でしょう)も『Clover』に関しては煩わしさを感じることなく、レトロSFのテイストが満ちたこの世界には、喜んで耽溺したいとさえ思ったのでした。

実は、この漫画はアニメ化もされてるんですね。わずか数分の小品でミュージッククリップみたいな演出のされた素敵なものだったのですが、残念ながら今見ることはできません。それに漫画自体も完結されておらず、こうした宙に浮いた状態の続く、少し不遇の漫画です。でも、こうした不安定で地に休まることのない状態さえ『Clover』の独特の世界観を裏書するようで、私はやはりこの漫画が好きなのです。

『Clover』のDVDがついていたなら、間違いなく買いましたね

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