2025年8月10日日曜日

『まんがタイムきらら』2025年9月号

 『まんがタイムきらら』2025年9月号、一昨日の続きです。

『しあわせ鳥見んぐ』

イヌワシを追い、鳥海山に通う岬。イヌワシは大きな個体になると広げた翼が2メートルを超える。って、めちゃくちゃ大きいね! すずの160cmどころじゃない。自分よりもずっと大きいじゃん! というか、トビで160cmあるのね。ほんと、猛禽類って大きいんだなあ。

イヌワシは森の生態系の頂点に立っている。大きく強い鳥だけれど、生態系ピラミッドの上にいるということは、そのバランスが崩れると強く影響を受けてしまう。

強く見えるけれど、実はすごく繊細で脆い存在かもしれないという、翼とすずの会話が、岬にオーバーラップしていくんですね。

自分の写真に自信を持って、打ち込んでいる。皆よりも先を走っているように見える岬だけれど、祖父と比較されること、求められているのは自分ではなく祖父であることにいらつきを隠せない。そんな岬が、妹四季の言葉に揺れる。自分の求めるものはなんなのか。それをいまさらにして自問して、その答えが出せず苦しんでいる。

岬、この状況から抜け出せますかね。よりよい自分を見つけることができれば。なにかその足掛りとなるきっかけがあればよいのですが、今の岬にそのきっかけが訪れるかどうか。誰か、友達がそばにいてくれれば、と思うけれど、それも難しいのでしょうか。

『魔女まじょS-WITCH』

今回は都成町のあやめちゃんがメインの話。軍資金集めて、ギャンブルでスるあやめちゃんの話でありました。

でもパチンコで負けるのが町に出た目的ではなかったのですね。隠居すると決めた町魔女、つばきをねぎらうため。老いた町魔女。余生を魔女の里で送るべく、この町を離れることに決めたというのです。

つばきの代わりに次代の町魔女をつとめるのは、孫のすずらん。なるほどこうして代々、町を守ってきた町魔女たちがいた。そんな町魔女をずっと見続けてきたあやめ様。江戸の頃にはすでに魔女! いろいろな立場から、町に関わる人たちの姿が垣間見えた今回、番外編。でもこの世界を知るには、結構重要な回だったようにも思いました。

『ウイニングアンサー』

最亜久高校、やっぱり治安が悪いなあ! 3人目のクイズ部員を勧誘したい。その方法が誘拐って! 香奈の提案に、躊躇なく乗る亜衣ですよ。まさに常識はずれのふたりです。

ターゲットは生徒会長、清海千代。学年トップの一年生にして生徒会長をつとめるという、破格の人材。普通なら入部なんて見込めない、から誘拐。さらには拷問。いや、くすぐりなんですけどね、結果としてクイズ対決して負けたらクイズ研究会に入ります。ただし私が勝ったら一週間の校内清掃をしてもらう。

これね、普通に考えたらクイ研が勝つよね? だって問題出すのもクイ研でしょう? と思ったら、ここは公正なんだね。公平を期すため、問題は適当に選びます。ランダムピックアップってわけですね。

千代に対するのは亜衣。これはやはり生徒会長不利か? 早押しで出遅れて、と思ったら、だんだんコツを掴んできた。と思ったら、なんか不思議な知識を披露しはじめた!? からの、強いのは勉強かと思われたのに、まさかのオメガバースに正答! って、はじめて聞いたよ、オメガバース! かくしてバレはじめる、隠されていた千代の秘密の趣味。

骨の髄までオタクにして、男性同士に興味津々! わー、めっちゃ好みのキャラクター出てきた。いきなりの最推し登場に大興奮ですよ!

オタク知識をすごいと評価してもらえた千代の安堵たるやいかほどだったのでしょう。クイズは知識を絶対に否定しない。亜衣の言葉を受けて、自身の知識を存分に発揮してみせる千代。そのいきいきとして、開放感に溢れる表情のすてきなこと! ああ、自分を偽らないでいいということは、どれほどにすばらしいのだろう。

この漫画の真価が見えた瞬間でした。

結局負けてしまったクイ研。掃除一週間の約束を果たすのですが、そこに現れた千代。あらためてクイズ研究会に入りたいといってくれたのですね。自分が自分らしくあってとがめられない自由なステージ。異質と思われるのではないか、そう思われていた資質を認めてくれる仲間たち。ここが千代にとって高くはばたける場所となればすばらしいですね。

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