2019年3月28日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2019年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2019年5月号、発売されました。表紙は『おちこぼれフルーツタルト』、どーんと大きく、アニメ化決定! のキャプションですよ。おお、すごいな、結構キワどいネタ多めの漫画、結構なチャレンジにも思えるけど、アニメになったら映えるシーンも多そうかも。なんて思ったりしたのでした。しかし、この表紙、フルーツタルトの面々、5人がばっちりきれいに、可愛く勢揃いなわけですが、表紙めくるとまあえらいことに! ほんと、このギャップ。これが『おちこぼれフルーツタルト』だっ!

今月は新作ゲストが2本です。

『幼なじみオブザデッド』。亡くなった幼なじみが帰ってきた! ただし、ゾンビになって。迷って出てきたのかとパニックになる主人公。でもまあ、そうだよなあ。自分が面倒くさがった結果、彼女は事故にあってしまった。自分のせいだと責めている、そんな彼、ジンに、ジンのせいじゃないという彼女。それで、すぐさまアンデッドジョークを口にするんだけど、死んでもなお明るくて、元気で、このハードにしてシリアスな現状とのギャップよ。この子の思い残しは、飼っていたハムスターなのか。ペットをジンに託して、そしてずっと思ってきた恋心を伝えて……、消えない! まだいる! これ、他のゾンビものでも思ったことあるんだけど、コミカルに描かれてる状況、その前提に死があるのはちょっとキツいものがある。それに、この子が傷んだりしたらいやだな……。というようなこと脳裏にちらついたりするだけに、コミカルなゾンビもの、なかなかに難しいバランス感覚が必要なテーマだと思います。

『ぐるメソッド』。これ、グルメものなのか。友達のために、新鮮な魚を獲りますよ。ウェットスーツ着て、銛を手にして、とりあえず魚にタコ、カニをゲットです。って、簡単に獲ってきたな! 自分で獲って、料理して、というんだけど、この調理もミラクルだな! 基本、ナンセンス寄りのコメディですね。なので、頭からっぽにして、女の子ふたりの交流ものとして見るのがいい感じですね。しかし、友達かりんのために、体をはって材料から集めてくるなこ。この子の、見た目ふんわりなのに、やることアグレッシブという、そのミスマッチなビジュアル。そこから、うまくいってしまう強引さ、ここが面白みの核になる部分ですね。

まちカドまぞく』。魔法少女の襲来、店長の封印からのリコ暴走。この状況を沈静化させるのに成功したのはいいけど、あくまでも全員を昏倒させただけで、解決はしていない。ここからシャミ子はどんな手を打つというのだろう。期待して見ていたんだけど、小倉ちゃん、この子のアドバイス、過激すぎる! いきなりの刃傷沙汰指南にシャミ子も大弱り。とりあえず、魔法少女、紅の夢に入って、この子の事情を探るところからはじめることと決まったんですが、夢の中でのシャミ子の活躍。紅の身になにがあって、なぜリコとの関係がこじれるに至ったか。その描写、素直じゃないこの子もいかんなあって思いはするんだけど、リコのリコらしい無神経、こいつもまああかんわな! 紅の喪失感、それが身にしみるように感じられて、これは圧倒的だったなあ。そして、そんな紅の鬱屈を抱き留めた半裸ですよ。ああ、この子、魔族だっていうけど根が優しいから。このくだりもよかったなあ。しかし、紅を魔法少女にした金魚の使い魔、あれ、弱味につけこんでるよね! ほんと、この漫画、魔族と魔法少女、どっちがいいのか悪いのか、ようわからんようになることしばしばです。

『恋する小惑星』。あおの同居計画、始動しましたね。それぞれの親に自分の思っていることを伝えようとする。あおが、これまでずっとこうして気持ちを伝えたことがなかったこともあって、なかなかに苦戦してますよ。プレゼン資料まで作って準備万端ではあったのだけど、やっぱり親の立場からしたら、そう簡単に首はたてに振れない。そうした、自分の望みと、ままならない現実の壁と、その対置がしっかりしているの、よかったなって思ったのでした。しかし、みらの母、いいですね。めっちゃスムーズ。まあ、簡単にオーケーってことじゃあないんでしょうけど、話し合いの余地を作ってくれた。うん、みらとあおの母、それぞれの考え方の違い、それが見えて、そしてそのどちらも無理解というわけではない、なにを大切に思っているか、ちゃんと感じられるところがあって、こうしたところもよかったです。あおとみら、ふたりの最後の語り合い、あそこも実にいい。ふたり、この困難を超えることで、さらにその仲を深めたんですね。そして最後のすずのテンション。ああ、もしかしたらここからすず編に切り返し? いいねえ。そうだとしたら、いい流れじゃないですか。

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