2014年3月18日火曜日

『まんがタイムファミリー』2014年5月号

『まんがタイムファミリー』2014年5月号、昨日の続きです。

『カラフルぶらぱん』、面白いですよ。女子が苦手な夏緒、下着モデルの大きく写ったポスターにすっかりやられてしまって、店の外に避難したらば、そこにはそのポスターのモデルさんがいたっていうんですね。それからが酷かった! 下着の女の人が外に! いやいや! いわんとすることはわかるけど、違うから! それじゃただの変態だから! タリンプガールの中石エリカ、サヨの学生時代からの友人。この人、服を着ている! よくこんな台詞、思い付くなあ。この勢い、もう最高でした。しかし後半もいかします。昔は全然違っていたエリカ。眼鏡で地味で、いや最高じゃん! ともあれ、自信のなかった彼女に自信を与えたのがサヨで、あの下着売り場で着々と進展するエリカの恋。あの勢いもまた最高で、いやほんと、めちゃくちゃ面白かったです。というか、サヨのまったく気付いてないところ、これも最高でした。

『かなみ育成中!』、かなみ、オフの日。面白かったですよ。母に余裕があるので、今日は自由。そうなると、なにをやったらいいかさっぱりわからない。それで結の家にいって、掃除したり結につきまとったり、ほんと、あの手持ち無沙汰な感じがよく表現されてるところ、見事でした。あと、寝起きの結が可愛かった。結が、かなみをつれて街に出る。そこからのかなみのずれっぷり、それもほんと面白く、歌うと思ったよ、行くと思ったよのたたみかけ。ほんと、面白かったです。今回のエピソード、これ見るに、弟たちの世話もひとつ、そしてかなみの青春、それもひとつ、いわば柱をふたつ立てよう、そういった感じみたいですね。後半にはかなみに一目惚れした不埒な男子なども登場して、ええ、これは幅が広がって、なお面白くなりそうです。

『教壇のポラリス』、これいいなあ。受験を目前とした天文同好会の生徒たち。その受験と天文をうまく組み合わせて展開して見せる。星と地理は関係している。緯度によって見える星、見えない星が変わるんだっていう。まさか、この話が後々意味を持ってくるとは思わずにいたので、後半ですよ、もうまいりました。2年までバスケ部にいたという杏、スポーツ推薦を狙っているのだそうだけど、さっきの話が彼女に大きく響いていたというんですね。スポーツ推薦でこの高校に入学した。けど、部での孤立、そして退部、天文同好会へ。こうして場を移ったことで見えたものがあった。天川先生。思えば、彼女も逃げてきたんだった。けど、天文同好会の顧問になって、自信を持ったのか、あるいは彼女にも違うものが見えたのでしょう。生徒との語らい、よくその気持ちに寄り添って、ああ、いい先生になりました。ほんと、少しずつ変わって、少しずつよくなっていく。その様子にじんとさせられます。

『地味なコ、派手なコ』、最終回ですよ。もう一度告白するという西條花蓮。意中の彼の好きだという千草に習って、髪を三つ編みにして、けど、そうじゃない、ありのままで私でいようとした彼女の姿は凛々しく立派だったと信じます。いい漫画でした。明るくフラれてきた西條サン。けど、そんな彼女は千草とその気持ちのありのままをかわすことのできる、そんな友人になって、あのふたりの様子、千草、西條サンのために泣き、西條サンも我慢できず涙を零して、ええ、ふたりは本当にいい友達になった、そう思いました。翌日、西條サンは髪を切ってきて、いや、なんだ、いいじゃん! 長い髪も素敵だったし、三つ編みも可愛かった。短くした髪も、軽く、明るくて素敵だと思います。髪を切った西條サンを見て、ショック受けてる千草。そんな千草のことよくわかってる西條サン。あの千草に向けた西條サンの笑顔、最高だったと思います。ふたりにはまだ変わっていく、そしてより仲を深めていく、そうした余地があるんだなって思えた。けど、今でもふたりは間違いなく親友といえる関係で、ええ、西條サンの手をとろうと、彼女を見やった千草の笑顔。本当に素敵でした。親愛と信頼、それが見える、そうした笑顔、二人の関係。長い時間をかけて、描かれてきたもの、育ってきたもの、それらが見事に花開いて美しい。ええ、その過程も含め素晴しい時間だった、素晴しい情景だった。そう思っています。

『かしこみかしこみ』、今回も実に楽しかったです。ムクに向いた仕事、チワワのツクシの散歩だっていうんですが、この子、山椒のこと怖がってるんですね。だからムクじゃないといけない。けど、なんでツクシの散歩を頼まれることになったのか。飼い主のおばあちゃんが病気をしてから気を弱くしちゃったっていうんですね。桜がもうすぐ咲きそう。おばあちゃんは桜の花が好きだった。だから一緒に散歩を、そうツクシが思うんだけど、それがなかなか伝わらなくて、そこからの皆の願いがですね、実によかった。ツクシが叶衣様にプチ祈願をする。そしてその祈願を、街の犬たちが応援してくれるんですね。皆が助けてくれた、それでもう誰のことも怖くなくなった。そうしたツクシの成長、変化も見どころなら、おばあちゃんの気持ちを動かせた、それも見どころ。この漫画らしい、あたたかみと優しさにあふれた、いいエピソードでした。

  • 『まんがタイムファミリー』第32巻第5号(2014年5月号)

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