2007年5月23日水曜日

Real Clothes

 パティスリーMON』の新刊が出ているのを発見して、いそいそと寄ってみれば槙村さとるの『Real Clothes』という本も出ている。こちらを見据える視線が強い女性が表紙で、私の表紙買い傾向を見てみると、こうした真っ正面から見据える女性に非常に弱いということがわかっていて、だからちょっとぐらっときましたね。でも一旦は踏みとどまりました。今やもう『You』を購読していない私にはこれがどういう話かわかりません。けれど槙村さとるならはずれはないだろうとも思っている。なので、結局は買うんですね。よくあるケースですが、書店の新刊の棚から消えないうちに購入してしまったのでした。

内容をざっくり説明すると、百貨店勤務の女性が思いもかけず花形部署に異動することになってしまった。それは婦人服売り場。いわば百貨店の最前線ともいえる売り場に、戸惑いながらもまっすぐに取り組み、変わっていく主人公……。という、王道ともいえるパターンです。でもって、私は王道パターンが結構嫌いじゃないんです。だから、この漫画も面白かったなあ、というかこれからがいよいよ面白くなりそうだという場面で1巻の終わり、2巻に続く。これは2巻の発売が待ち遠しいわあということであります。

私がこの漫画読んでいいなあと思ったのは、ヒロインとそれを取り巻く環境の描き方でありまして、自分の仕事に対して誇りを持って取り組んでいる女性たちが凛として格好良く、読んでいてすがすがしい。やっぱりレディーズコミックはこうあって欲しいな、なんて思って、だってさ私が『You』の購読をやめたのはさ、こうしたしゃんとしたヒロインの出てくる漫画が減ってきたからなんですよ。なんか平凡な、特にこれといって取り柄もないような女が、イケメン、セレブに見初められてみたいな、はあ? なにその依存心まるだしのプロット、みたいなんを見てはがっかりしてた。正直、そういうのはティーンのうちに卒業していただきたい、だなんて思いましてね、だから『Real Clothes』は大層気に入って、そしてもっと気に入るだろうという予感がひしひしとする引きがありました。

ちょっと話はそれるけど、こういう漫画がまた出てきたの見ると、実際景気は上向いてきてるのかなという気にもなれます。相も変わらず景気の動向を肌で感じることのできない環境にある私ではありますが、思えば私の好きだったレディコミを見ると、先の好景気に連載されていたものが多かったように思うんですね。今から見たら馬鹿みたいなのもあるんですけど、凛として生きよう、自ら輝こうというヒロインが描かれるのは、やっぱり景気の良い時期に増えるんでしょうかね。また、こりゃちょっとないだろうなんて思ってしまうような絢爛豪華カリスマ群なんて見てみても、そんな気がするんです。カリスマたちの言い分にしても実にそんな感じで、まあ一利あるんだけど、実際はああいうのちょっと鼻持ちならん類いだからなあ。漫画だし、こういう豪華絢爛があるのもいいとは思うけど、あのへんはちょっと好みじゃないかもって感じ。どうも反発を感じるみたいですよ。

さて、『Real Clothes』第2巻は来月発売である模様です。『パティスリーMON』の時にも思ったけど、最近のユー・コミックスでは1巻2巻を続けて出す戦略をとってるんでしょうかね。いずれにしても、すぐ読めるというのは読者としては大歓迎であります。

  • 槙村さとる『Real Clothes』第1巻 (クイーンズコミックス) 東京:集英社.2007年。
  • 槙村さとる『Real Clothes』第2巻 (クイーンズコミックス) 東京:集英社.2007年。
  • 以下続刊

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