2018年11月25日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2019年1月号

『まんがタイムきららフォワード』2019年1月号、昨日の続きです。

『球詠』。今回、これは転機になるのか、それとも逆転の芽をつまれてしまうというのか。梁幽館4番の中田に対し、ついに勝負に出るのですよ。長打を警戒し、外野をいっぱいまで下げて、そして緊張のなか、ついによみが投球! この状況を作るために、走者を出させなかったわけですね。リスクとなる要因をなるたけ減らしたうえで出た勝負。一投目は空振りに終わり、そして二投目はファールに。その後もボール球を中心に、チャンスをうかがい、そしてついにその時がきた! はたして強敵を打ち取れるのか!? その勝負の行方、圧倒的で、ああ、まさかのホームラン。ここまで、ここまで追い込もうっていうんですね。これでよみが調子を崩したら、あるいは芳乃が大胆さ失ったら、いよいよ勝てなくなってしまう。3点まではとられてもいい、そんな話もしていたけど、はたしてここからどうやって挽回できる? ほんと、ハラハラさせられっぱなし。この、追い込まれた状況、怜の三塁打が空気を変えるのか。このチャンスをものにできるのか。もう、これ、一気に一試合分、まとめて読みたい気分ですよ。

ゆるキャン△』。今回はリンがメインですね。伊豆へと旅立つその前日。届いた荷物は原付のパーツ。荷台とスマホホルダーっていうんですが、そうか、リンさん、これまで荷台なしだったのか。よくテントとか運べたな! リンと家族の関係、よく見えた回であったと思います。お父さんは点検整備に出していた娘のバイクを受け取りにいってくれていて、そして荷台他の取り付けも手伝ってくれてと、いい父娘関係でありますね。そこにやってきたお爺ちゃんは、使ってなかったといって新品のスクリーン持ってきてくれるし、スマートフォンの充電でバッテリーがあがってはいけないと部品まで買いにいってくれてと、すごいフットワーク。この見守られている感じ、大切に育てられているという感じ、ええ、見ていてとても心地よかったです。この家、バイク一家だったんですね。お爺ちゃんの影響? 父も母も乗ってたよって。じゃあ、いずれリンも中型とか大型とか取っていくんだろうなあ。そして翌朝、伊豆へと走り出そうとするリンに、お爺ちゃんが途中まで一緒に走らないかって、ああ、お爺ちゃん、嬉しそうだ。孫娘とのツーリング、これ、格別であったことでしょうね。

『はるかなレシーブ』。パートナーを入れ替えて臨んだ大会。ついにその決勝戦にて、4人、対決することになるというのですね。やたら闘志を燃やしているクレア、エミリがおかしい。対照的にはるか、かなたは穏やかに互いの健闘を誓いあうのだけど、はじまってみれば、そのなごやかさ、一気に消えさるんですね。自身いい調子と感じたはるかのレシーブをかなたが受けて、そこからの攻防が熱い。かなたのポーキー。その高さに驚き、そして続くクレアのツーが意表を突いてくる。互いによく知った相手ではあるけれど、そのポテンシャルのすべてを理解できているわけじゃないんだ。むしろ、相対してはじめて知ることもある。かなたの怖い笑顔とかね、そして手強さも。これはエミリにおいても同様だったのかあ。クレアの厄介さ。これ、はるかとエミリ視点から描かれているからクレア、かなたの手強さが際立って見えるけれど、クレア、かなたからは、はるかとエミリのこと、どう見えているのだろう。そしてリードされている中、対応すべく考えをめぐらせたはるかの選択。これ、ネットを挟んで向き合った、はるか、かなたの言葉を介さない対話ですよね。はるかの気づいたこと、それははたしてかなたの望みに応えることができるのか。まさしく見どころでありますよ。

棺担ぎのクロ。 — 懐中旅話』。番外編です。センとともに旅を続けるクロが訪れた王女の墓廟。四十年前に亡くなったという、その微妙に昔むかしとまではいえない近しさ。これ、意味があったのだなあ。王女の一生は「悲哀のアト姫」といって、物語になってるのか。その生まれから亡くなるまでの逸話は、世間知らずの王女が為政者とならざるを得なかった不幸な生い立ちと、愚昧な王を頂いてしまった国の不幸とを語り継いでいて、しかし表向きに語られていることと、そのさらに先に隠された真実と、墓廟の奥へと進んでいくクロたちの足取りとともに徐々に、徐々に明らかにされていくところ、実に見事でした。この漫画、クロの状態が酷くなるまでに描かれた旅の様子、それを思い出させてくれますよね。ヨーロッパの古い物語を思わせる、ちょっと陰鬱だったり残酷だったりするテイストに、くすりとさせてくれる小気味いい切り返しといった調子。このエピソードにも実によく盛り込まれて実に巧妙。謎めいた導入に、冒頭で語られた前提が引っくり返ったかと思ったら、まだその先があるというサービス旺盛なるところ。鮮やか、見事、充実の読後感でした。

0 件のコメント: