2011年8月1日月曜日

僕はまだ何も知らない。

 アニメ『神様ドォルズ』ですよ。そういう漫画があるのは知ってたんですが、どういうものかは知らなかった。だから、どういう話なんだろう、楽しみに思ってみたら、オープニングですね、主題歌『不完全燃焼』に見事にやられてしまいました。うわ、これ、すごいな。歌ってるの誰だ? 石川智晶、知らない名前、けど耳にしたことはあるように思う。他にどんな歌を歌ってるのだろう、既発売のアルバム、なにか買ってみようか、いろいろ調べて、そうしたらtwitterに書いていた感想にリプライがついた。『アンインストール』、『美しければそれでいい』がおすすめだ。すなわち、アルバム『僕はまだ何も知らない。』を買うといい。そんなアドバイスがあったのですね。

アルバム『僕はまだ何も知らない。』に収録されている『アンイストール』、『美しければそれでいい』、それらはまたアニメの主題歌だったそうです。『アンインストール』は知ってます。『ぼくらの』がアニメになった頃、『IKKI』を購読していたんですね。アニメは見てませんでしたが、NHKのMJアニメ特番で聴いたのでしたっけ。『美しければそれでいい』は『Simoun』の主題歌、けど、こちらは知りませんでした。

『ぼくらの』は陰惨な話でして、だから私はちょっと距離を置いてみていたのですが、『アンインストール』は、そうした物語の要素、感覚をうまく表現して、けれどアニメから離れてもしっかり自律している。そうした感触は、今見ている『神様ドォルズ』においても同様です。『不完全燃焼』も『スイッチが入ったら』も、物語の雰囲気をよく表現しているみたいだ、そう思うのだけど、同時に、今私たちが置かれている状況、思っていること、そうしたものも汲み上げているように感じられて、アニメのための歌でありながら、同時に現実のこちらがわにもリーチしてくる。ばっちり届いてくるのですね。私のことを歌ってる、そういう感じじゃなくて、この現実に確かにある、そうしたものを捉えている、そういった方がらしいと思います。

このアルバムを聴く以前に私が知っていた石川智晶は、本当に微々たるもので、『アンインストール』、『不完全燃焼』、『スイッチが入ったら』、これだけ。そして私は、この少ない経験から、この人の歌は人の内面に食い込んでくる、一種鬱屈したものを孕んでいる、そんな印象を持っていたのですね。確かにセンシティブ、人の裡にこもる感情をあらわにする、そういう曲が多い。けれど、アルバムを通しで聴いてみて、そういう感想だけでは足りてないな、そう思わされて、それはこのアルバムの構成もあるのでしょう。鬱屈や喪失感、理解されないこと、断絶への苦しみ、そうした思いのたたみこまれた歌うたをくぐり抜けて到達する地平は、心の底から安心できるような、穏やかでしかし力強い、生きるということをただただ賛称する、そうした場所であったのですね。

思えばこのアルバムは、最初から生きることを歌っていたのですね。生きている、生きていく。生への渇望や、生きるということへのまなざし、それが歌の根っこにある。アルバムの土台になっている、そう思わずにはおられないものがある、そんな歌たちでした。

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