2005年7月8日金曜日

かえらなかった時計屋さん

ミュージカル・バトン企画第四夜。問四「よく聞く、または特別な思い入れのある5曲」の二曲目にまいりましょう。

思い入れのある二曲目は、やはり子供の頃の記憶に関わってきて、思い出のレコードの思い出深いあの歌。それは『かえらなかった時計屋さん』です。子供向け番組『ポンキッキ』の歌で、町外れで時計屋を営んでいるおじいさんが、ひょんな事件をきっかけに帰ってこなかったという、悲しいストーリーをもつ佳曲でありました。

ひょんな事件 — 悪いロボットが昔の勝負をつけようと、おじいさんのいる町にやってきたのでした。昔の勝負? そう、おじいさんはかつて正義の味方だったのです。ですが、寄る年波には勝てず、今は引退した身。それを知ったロボットは勝ち誇って乱暴狼藉を働くのでありました。

その時、町の平和を守るためにおじいさんがとった行動。それは気高さにあふれるものでありました。おじいさんの行動によりもたらされた結末は、子供心に深く突き刺さって、当初コミカルに思われたこの曲の奥に息づく物悲しさや情の深さが一時にあふれて、なんだか祈りたいような、そんな気持ちになったものでした。

さて、この曲なんですが、調べますと作曲がかのかまやつひろしなんですね。わーぉ、そいつは驚きだ(道理で名曲なわけだぜ)。作詞小橋洋司、作曲かまやつ、編曲川上了 、そして歌唱は若子内悦郎。若子内氏の主宰するMEGでは、『かえらなかった時計屋さん』を聴くこともできて、私はこうして広くこの名曲を紹介できることを心から嬉しく思います。

シンプルで、大きなエモーションにあふれた曲です。子供にも大人にも等しくうったえる、よい曲であると思います。ぜひ一度聴いてみてください。

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