2012年8月27日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年10月号

『まんがタイムオリジナル』2012年10月号、発売されました。表紙は、これは涼をとろうとしてるんですね。中央に山下ナースがナース姿で、これは氷まくらというか、アイスノン? そうしたものを頬にあてて、冷たそう。『らいか・デイズ』らいかはかき氷で頭を痛くして、そして『よゆう酌々』は余裕のビールであります。背後にいる榊先生、首、腋下、鼠蹊部と、冷やすポイント、完璧ですね。

『満開!Sister』、今回は武士の母の思い出取り上げて、しかしあの最初のがっかり感ですよ。灰色で固いって、それ、墓石。白くてひらひらしたエプロンで固いって、父、なんてことなさってた!? ここにも偽装男子なのか。偽装母なのか? 見るも怖ろしい状況、実にしびれます。で、母さんの思い出の座布団。母の着物で作られて、それが武士のお気に入りになってという話は、やっぱりちょっといい話で、ああ、武士、よかったなあ。でも、そのせっかくの思い出をうまいこと利用されてしまってる。あの姉妹はしたたかで最高です。

『よゆう酌々』は、戸田君、いろいろあかんなあ。不毛な恋愛。不毛な妄想。間違った説明。女将に付け込まれたりして、ああ、ここの決して優しくない女性たち、大好きです。さて戸田君、義姉への不毛な思いを断ち切らんと一人暮らしを企てて、もう、この紆余曲折。不動産屋は頼りないし、ほんといろいろうまくいかないなか、お店に住むことになるっていうんですね。ああ、これは女将との恋愛状況が進むのか!? とか、まあありえないですよね。そういうところ、大好きです。

『小森さんは断れない!』、カラーですよ。今回はまさ子の話。扉のまさ子の、ちんまりとした可愛さ。素晴しいな。スカートにさりげなくひまわりあしらわれてたり、素晴しいな。しかし、いつもクール、ひょうひょうとしてるまさ子がちょっと照れたり、いい感じ。学級委員長に選ばれて、有能! 目立たないながらも、そつなく仕事をこなして、皆から認められていくのね。そのことをちょっと寂しく思う? 自分だけの知ってたまさ子なのに、みんなのものになっちゃった? みたいなこと思ってそうな小森さんと、やっぱりそんな小森さんのこと一番に思ってる、まさ子の交流、あの仲、距離感、実によかったのですよ。

『先生のたまご』は、学園祭での文芸部出展。先生はじめ皆があらゆる手段で宣伝してる、そんな感じがあって、いいですね、やる気が感じられます。しかし、これまで長い時間をかけて描いてきた学園祭の準備。その手間をかけて、少しずつ積み上げてきただけのことがある展開、引退していく文芸部部長、紙織文子の花道でしたよね。皆が部長のこと慕っていて、花を持たせよう、よい思い出を残せるようにと、いろいろ工夫していた後輩たちの気持ちがね、じんわりと伝わってきて、しんみりしつつもはなやいで、とてもよかったわけですよ。教師が主人公、時間は刻々と流れて、生徒たちは卒業していく。これまでもそうだったわけですが、今回の引退も、その流れていく時間を感じさせて、たっぷり、見事でした。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第10号(2012年10月号)

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