2007年11月12日月曜日

光の大社員

 普段は四コマなんて置いていない書店なのに、なぜか二冊入荷していた『光の大社員』。買ってしまいました。というと、ちょっと嘘ですね。別にその本屋に入ってなくっても買うつもりでしたから、なに買った書店がちょっと変わったってだけの話ですよ。とにかく今日寄った最初の書店で見付けて、どうもこうもなく買ってしまって、それはそれだけ早く読みたかったってことだといっていいかと思います。毎月の『まんがタウン』でかかさず読んでるというのに? 第1巻収録内容にしても、余さず読んでいたというのに? そう、読みたかったんです。なにをおいても早く読みたいと思ったんです。

そして、これがまた面白いんです。どこが面白いかといわれるとちょっと困ります。言葉やロジックを越えた面白さがあるんです。ストレートに変化球を投げ込んでくるとでもいったらそれっぽいでしょうか。真面目な顔をしてどこかずれたことをいって笑わせる芸というのがありますが、それをきっぱりとメリハリ付けてはきはきやっている感じなのです。結果として表現は恐ろしくナンセンスなものになって、はまればちょっと我慢できないほどに鮮烈。電車の中で読んではいけない、人前で読むのも避けたほうがよい。けど、この面白さは誰かに伝えたくなる、誰かと共有したくてたまらなくなるんです。ぬううッとか、『大社員』ファンならきっとこれだけで笑ってしまうはずで、しかもこの笑いの手法は伝染するとでもいうのか、日常のひょんな拍子に自分の口から出てしまいそうで危なくってしかたがないんです。破壊力そして伝染性をもった、シンプルにしてシュールな日常ギャグが、とにもかくにも強烈。描写はむしろスタティックなこの漫画が、こんなにもダイナミックであるのはなぜだろう。そう自問してしまうくらいにインパクトがあるのです。

けど、実はちょっと単行本で読むことを心配している節もあったのでした。単発のギャグが鋭い漫画って、まとめて読むと微妙だったりすることってありますから。けど、これはまったくの杞憂でした。まとめて読んでも面白い。というか、連載では気付かなかった長距離のパスなんてのがあって、そうか、あの時のネタを継承しているんだ! とはたと気付けばなおさら面白さはいや増すわけです。いやはや、私はなにを心配していたんだろうと、自分で自分がおかしくなります。

ここからは、馬鹿な話。いや、さっきまでのもたいがいだったけど、これから下はそれ以上。一応警告しましたからね。

私はどうも眼鏡をかけた女性が好きなのですが、そうですね、秘書のちはるさんのことです。いつもふざけている社長をしかってばっかりのちはるさん、ああ私もあんな彼女にしかられたいものだなあと、世の健全な男子なら誰もが思うところでありましょうが、そのちはるさん、なんとオフでは眼鏡オフ。しかもそれがべらぼうに可愛いってどうよ!

かくして、私は眼鏡必須ではないということがわかりました。いや、眼鏡にはもう何年も前からこだわっちゃいないので今更なのですが、一応はっきりさせておきたいかなって。

ついでに。主人公光とそのライバル伊達の先輩であるたまきさん。この人がまたどえらい可愛くって、ちょっといたずらっぽいんだけど、やっぱり先輩だからか年上の余裕みたいのが見え隠れしてもう最高だ。それに基本温厚ほがらかなのに、しばしば副部長に厳しくしてたり、後輩たちの無軌道ぶりに驚きながらもクールに突っ込み入れたりして、とにかく表情豊か。横長テレビの猫を見て、猫はちょっと太ってかわいくなってたの!!って、かわいいのはお前だーッ。って、ごめんなさい。最近疲れがとれないせいか、今日はちょっとどうかしてました。すいません。

  • ÖYSTER『光の大社員』第1巻 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2007年。
  • 以下続刊

引用

  • ÖYSTER『光の大社員』第1巻 (東京:双葉社,2007年),99頁。

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