2013年10月5日土曜日

リトルウィッチアカデミア

買いました、『リトルウィッチアカデミア』のBlu-ray Disc。8月に発売されてたんですね。全然気付いてなくて、今ごろになってようやく知ったんですよ。即購入を決定。いえね、このアニメ好きなんですよ。文化庁の若手アニメーター等人材育成事業アニメミライに参加したアニメ。テレビでも放送されて、けどそれ以上に話題となったのは、制作したTRIGGERが自らYouTubeに公開したことじゃないでしょうか。爆発的だったと記憶しています。英語字幕つきで公開されて、そうした国内外を問わず大好評で、これはすごい、これは面白い、もっと見たい、そうしたら声がわーっとあちこちで起こって、今続編が計画されてるんだそうですよ。続編制作の予算を集めるため、クラウドファンディングサイトKickstarterで出資を募ったところ、あっという間に目標金額に達したどころか、その後も続々続々集まり続けたというのもまた話題を集めたんですよね。

しかし、なにが面白かったのか。私は、いずれテレビ、アニマックスでやることがわかっていたので、最初の感動を大切にしたいとYouTube公開のものは見ないようにしていたのですが、待ちに待ってテレビで見て、ああ、これはアニメの面白さがつまってる、そう思ったのでした。動きがいい、キャラクターがチャーミング、そしてシンプルながらも達成感や爽快感あふれるストーリー。すごく魅力的だと思った。あんまりに面白いので、チビに見せたら、26分間、微動だにせず正座のまま引き込まれてた。ええ、話題になるのもわかる、そう思ったんですよ。

海外でうけたのは、海外の人にもわかりやすい作りになってたからだと思うのです。魔女やドラゴンの描かれ方などですね、西洋伝統のお約束に沿っている。魔女は、シャイニィシャリオのような派手でキュートなものではなくて、ホウキで空を飛び、毒薬なんかを作ったりする、そういった伝統的魔女のスタイルを踏襲している。シャリオみたいのは、彼女ら魔女からしたら異端なわけですよ。そしてドラゴンといえばもちろん悪で、ダンジョン、すなわちラビリンスにはミノタウロスがいるというのも、すごく西洋の文脈に沿っている。こうした物語世界を構成するもろもろを、いわゆるお約束どおりに作ることで、枝葉末節細かい説明をばっさり省くことができて、26分という短い時間にメインのストーリーを押し込め、しっかり描くことが可能になった。

登場人物もパターンどおりで、ちょっと嫌な子ダイアナとその取り巻きですね。すごくわかりやすい。イギリスなんかの児童文学とか見ると、こういうのが非常に多いわけですよ。『ハリーポッター』だったらスリザリンの彼。『リトルプリンセス』にも『おちゃめなふたご』にも、そういうポジションの子はでてきて、ほんといけすかないの。そして、そういう子らは、最後には面目を潰されるような酷い目にあうと決まっていて、ざまあ見ろってなるんですけどね、けど『リトルウィッチアカデミア』はそこが違って、それがすごくよかったと思っています。

ダイアナ、悪い子じゃないんですよ。上昇志向が強くて、プライドも高くて、けれど自分の責任から逃げない、真面目で真っ直ぐで自分の理想に背を向けない、そんな凛々しい女の子だっていうんですね。私はイギリス児童文学の典型、いけすかない子ポジションに配置された子とその末路を見るたびに、ざまあみろって爽快な気分になるよりも、救われなくて可哀そうと悲しく思ってきたんです。『リトルウィッチアカデミア』にはそれがなかった。ほっとした。嬉しくなった。これは日本の優しさだったりするんだろうか。ともあれ、ダイアナがいけすかない悪い子と描かれなかったおかげで、最後の最後まで楽しんで見ることができたんですね。

BDを買って、見て、すごくよかった。たまたま、またチビがきてたので見せたら、前に見たとかいいながらやっぱりしっかりばっちり引き込まれていて、見終わってからチビが見たがった『アイカツ』はさんで、もういっぺん見よう、ええ、5.1ch音声が収録されてるって知らなかったんですよ、今度は5.1chで、そう思って再生したら、またもやチビも引き込まれて見ていて、ほんと、何度見ても面白いよ。26分という時間。短いんだよ。あっという間といっていい。キャラクターの魅力、アクションの魅力、物語の魅力、演技も絵も音楽も音響も、全部が全部総動員で訴え掛けてきて、あれよあれよと翻弄されて魅了されて、ああ、終わってしまった、もう終わってしまった、見足りないよ! 物足りないよ! そんな気持ちにかられてしまうんですね。

続編、楽しみですよ。今度は何分くらいになるんだろう。短くてもいいから、この濃密さが欲しいな、けどいろいろ見たいものもあるな、あれもこれもと欲張りになってしまうのは、それだけ面白かったからなのでしょう。本当、完璧に魅了されてしまいました。

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