2011年5月6日金曜日

『まんがタウン』2011年6月号

『まんがタウン』2011年6月号、発売されました。表紙には、おお、なつかしのゴマちゃんですね。なんと『少年アシベ』が復活するとのこと。アニメ化されるなどして、それこそ一世を風靡する勢いでしたね。で、復活連載するのですか。ちょっとなぜ今復活なのだろうという気もしますが、でも懐かしく思って読む人も多そうに思います。と、表紙にはほかに『新クレヨンしんちゃん』、そして『偽装男子』のカットがのっています。

『偽装男子』はとても素晴しい。男とつきあうことを許さない、そんな厳しい母を持った瀬川あやか。彼女のことが好きな男子水城歩は、あやかの母のチェックをすり抜けるため、見事に女装してみせるのですが、なるほど流行りの女装男子ものなのね、と思ったら大間違い。どう見てもですよ、歩のライバル、彼らの素晴しすぎる女装、これがメインでしょうよ。見るだに笑いが止まらない。あやか好みに染まった奴らの勇姿、ああ、なんて可憐なんだろう! もう、たまらん。そしてあやかの自問自答、こいつもたまらん。ほんと、こういう無茶なネタ、この作者の持ち味が見事に発揮されていると思います。

『派遣戦士山田のり子』は、なんと、のり子、新たな局面に進みましたね。以前から登場していた、のり子に恋心抱いていた彼ですよ。ついに彼の気持ちにのり子が気付いたというんですね。これまでどうしても気付いてもらえない、そうした展開が続いていたわけですが、ここにきてばっちり気持ちが通じて、そしておつきあい申し込んだりして、しかも、のり子もまんざらでもなかったりする? これはいい。これは素晴しい。ええ、心から応援したいところでありますよ。

『魔法女子高生トラノイーカルナ』、後藤羽矢子の新作です。なんと、変身ヒロインもの。ヒロイン、カルナは正義感あふれる女子高生であるのですが、見た目に可憐なために、注意しようともちっとも聞き入れてもらえないというんですね。そんな彼女がであった不思議な生物。宇宙人? デヌエにもらったDNAメモリー・スティックを使って、他人に変身するっていうんですね。初回の変身は、なんとスキンヘッドのヤクザさん。って、夢も希望もないな! ところでタイトルの、トラノイーカルナって、虎の威借るな、なんですね。なるほど、今後の展開をうかがわせるタイトルです。

『みねちゃんぷるー』、最終回であります。先生の結婚式の風景。その誓いの言葉をめぐって交わされた三人の言葉、それぞれがとてもよかったんですね。雅のいう、もしかしたら将来気持ちは変化していくのかも知れないけれど、今のしあわせを将来にも持ち続けたいと願う気持ち、すれ違うことがあったとしても、そう願うほどに相手を好きでいたという事実が大切なんじゃないかという、そうした言葉がしみますね。そして、三人で友情の誓い。ただ願うだけでなく、一緒にこのしあわせが長く続くよう、努力していこうという、その気持ちの描かれるところが素敵だったなって思います。それはともすれば忘れがちなことで、特に相手がいて当たり前になった瞬間に、その人とともにあれることへの感謝やしあわせと思う気持ちの軽んぜられてしまう、そうした話はよく聞きます。だからこそ、言葉にして誓う意味もあるのかな。その誓いは、その時だけの誓いではなく、常の日、いつも心のどこかに大切にしまわれてないといけないものなのだな。そんなこと思わせる、三人の姿、最終回でありました。

  • 『まんがタウン』第12巻第6号(2011年6月号)

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