2009年4月2日木曜日

『まんがホーム』2009年5月号

『まんがタイムきらら』三誌の感想を書いてみて、やってできないものでもないなあと思ったものだから、ちょっとその範囲を拡大させてみようかと思ったのでした。だったら、月の最初に出る四コマ漫画誌『まんがホーム』からはじめてみようか。ちょうど新年度もはじまったところできりがいいよね。ってわけで、きらら系列以外にも手を広げることにしたわけですが、これ、買ってる雑誌を全部扱おうとしたらもう大変です。だって、めちゃくちゃ出てるんだ。ホーム、ジャンボ、タイム、ラブリー、ファミリー、スペシャル、オリジナルってところですか? 私の場合、これにタウンが加わって、8誌。きらら系足して11誌。フォワード含めたら12誌。タイムはまんがタイムコミックスの発売日とバッティングしてるし、KRコミックスとはオリジナルがバッティングする。無理だな。うん、無理です。なので、気が向いたら。他に書くことが見付からない場合にかぎって雑誌を扱うことにしたいと思います。

と、冒頭でいつも本題に関係ない話を書くのは、これがネタばれ緩衝地帯も兼ねているからです。これより先は、ネタばれ飛び交う最前線、油断は命取りです。どうぞ未読の方はお気を付けください。

『まんがホーム』には、共感度の極めて高い連載があります。それはなにかといいますと、佐波まおの『物持ちがいいにも程がある』。ああ、ああ、あるある、あったあった。毎回そうした感想の出てくる、そんな漫画、というかエッセイです。今回のテーマは文房具。私は基本的にものを捨てない人間なので、カンペンケースやゲームの下じきも探せばちゃんと出てきます。しかも、その当時の状況がそのまま保存されていたりしましてね、けど、さすがに小学校時代の筆箱は残っていません。中学高校で使っていたものは、友人から貰ったカンペンで、迷彩塗装されていたものだから、気を抜くと周囲に紛れこんで見付からなくなるんですね、嘘ですけど。大学では、最初はカンペンだったかも知れないけど、途中からミスドクラブのポーチになって、そしてシステム手帳にさした万年筆に落ち着きます。消しゴムなんていらない。間違っても気にしない。のはいいとして、テストではどうしてたんだろう。さすがに鉛筆を使ってたと思うんだけどな。ミスドクラブか?

さて、漫画にうつりましては、『さくらんぼ。』に出てきたホステスさん、なんだかすごく気さくそうで、それに可愛い人だったなあ。きっと田舎からひとりで出てきて苦労したりしてるんだろうな。いや、高校のころの話からすると、田舎からは出てきてないのか。しかし、嫌な客が一発へこまされるところはなかなかの爽快感で、あのねっとりとした視線やら口調やらは、その一発のための布石だったんだねえ。思わずにやりとする、そんな一本でした。

天子様が来る!』に出てきた惑星ニコチン(仮称)。実際、惑星レベルで住み分けができたら、双方平和であるのになあ、などと思ったり。私は煙草の煙が駄目なんですよ。のどが萎縮するのか、声が出なくなることさえあって、しかしやめられない人はやめられないみたいだし、それに煙草が合法であるかぎり、一方的にやめろともいえない。住み分けが一番いいんですが、関東では昨日からJRが全面禁煙ですか? 関西ではそんな風にはおそらくならない。本当、神奈川あたりがうらやましいです。って、これは漫画の感想じゃないな。正座している、眼鏡の女性が可愛かったです。って、またこのパターンか。

『てんたま。』がまさかの展開。あの人は、あの人はレギュラーになるのですか!? でも、毎回でてくるとバランスが崩れるような気がする。そんな強烈な個性に魅了されました。なお、2009年4月2日現在、Googleで「少年」「ノベルズ」「愛」をキーワードにして検索すると、トップが『花嫁は貴族の愛に奪われる』、次点が『ANGEL ― 見えない罪に少年は愛を捧げる』でした。あと、『マフィアの真摯な熔愛』なんてのも出た。実にいい感じです。

ヨメけん — お嫁さん研究クラブ』では、どこかで見たような人たち、名前が散見されて、けれど本編も面白かった。本編はスタンダードなネタの数々が、『ヨメけん』らしいと思わせるシンプルさ素直さでもって組まれて、先月みたいな深く物思わせるようなものもいいですが、今月のようなスタイルもよいものです。あんたをビンタするあー……夢中だったからは名言として記憶に留めたく思います。で、いつか使う。

おかあさんがいっしょ』。実はうち、夕食がすき焼きだったんです。ちょっといい肉で、あぶらが濃厚にのってましてね、ええと、おなかこわしました。冒頭の肉、あれは私には無理。あの戦場では、きっと生き残ることはできません。あ、単行本は買います。

『お江戸とてシャン』は、好きな漫画です。江戸の火消し虎吉をめぐる恋の情景を描いて、今は過去編。きっと悲しい結末のくるとわかっているのだけれども、それだけに今の仕合せに夢を見たくなる。このところの数回は、まさにそうした思いにさせてくれるような流れにあって、そして、もしかしたら、今がふたりにとって最高に仕合せな時なのかも知れない。実際の話、すごくいい話、すごくしみる漫画であるのですが、むくわれないのはなぜですか。

『はなたま』はヒロインの眼鏡が好き。この人の描く絵の魅力的なことったらないです。『ちまさんちの小箱』、今回はしっとりと落ち着いた風で、あの小さな世界が作りあげられるところ、布のくだりなんてのもね、ちょっとわくわくさせてくれたりして、よかったです。うちは母が洋裁をしていたから、布屋さんとかつれられてよくいってたんです。そうした昔のこと、布のたてる匂いさえ思い出されるようで懐しい。

『ふぁみにゅ?』は、はじまった当初はどうしたものかと思ったものだけれど、今はもう素直に楽しんで、ちょっとナンセンス、ちょっとほろりとすることもあって、いい漫画。最近は、息子役きいろの恋をめぐって話が動いていますが、たしかになでしこさんは魅力的、彼はいい趣味をしておりますな。しかし、きいろ君はまだ幼なささえ残す若さ、対してなでしこさんは職業婦人であるわけで、この差を埋めるにはそうとう頑張らないといかんのではないか? 家族として、弟であるかのように応援されているうちは追い付けない、その上へたすりゃ横からかっさらわれることもあるわけで、だとしたら彼のすることは、悠長に自分を鍛えることよりも、なでしこさんを囲う防壁を築くことなのではないか。などと思う私はずいぶんと汚ない大人になってしまったものだ。きいろ君は素直なままでいてください。

『OHでりしゃす!!』は、回を重ねるごとに面白みも増しているように思います。自分が馴染んだだけ? お菓子の、食べ物のエピソード、まつわる知識を紹介するような漫画ですが、よりより、よりより、なによりの畳み掛けはちょっと面白かった。話の組み立てうんぬんよりも、キャラクター含め、そのかもし出される雰囲気に親しめるなら、きっと楽しい。そんな風に思います。といった具合に親しんできてるのかな。ほかには、思いのほか硬くて、のくだりもよかったけど、今冷静に読むと、具体的にどう面白いと思ったか説明できなさそうで、ちょっと困っています。考えるよりも、感じて読む。のって読む。そうするのがきっとよさそうです。この漫画で使われてる関西弁が好きだけど、違和感がないといえば嘘になる。自分の育った圏域からはずれた地域の言葉なのかな? 関西弁とひとくちにいいますが、決して一色ではないんですよ。まあ、たぬきの話からしても、あの子の使ったはるんは京都のことばやないでしょうけどね。

『トリもち』、好きです。鳥が好きなんです。けど、最近は鳥の漫画が少なくなって、だからこそ応援したいです。今回のエピソードはいい話。私はしゃべる鳥を飼ったことがないから、こういう発想はついぞ持ったことがなく、不意をつかれたようでした。

『カフェDEびじん』は、毎回低コストで気のきいた一品を作ろうという漫画。結構嫌いじゃないんです。作者も、その作風も嫌いじゃない。だから、これは作者が、漫画がというのではなく、一般に流布されているイメージについての文句なのですが、不況だからぜいたく厳禁という考えは、もうほんと、勘弁してください。お金を持ってない人が節約するのはいいんです。だって、振ろうにも袖がないんだもの。けど、お金を持っている人が使ってくれないことには、物が売れず、そのため企業は生産を縮小し、経済は停滞、結果まわりまわって末端の消費者である私たちの雇用や賃金の悪化を招くんです。もう昨年のことになりましたが、金融危機だとなって、不況となって、縮小しつつある経済状況を前に、なんとかして消費を拡大し、これを支えなければならない、そんな局面であったというのに、賢い節約術といったような愚かな特集組んでるやつらがいた。もう、なに考えてやがるんだと思った。破滅に向かいたいのかよ。私は自分のできる範囲で、破綻しない範囲での消費拡大を実施して、けどメディアが消費を縮小させましょうと煽ってんだから、もう打つ手はないやね。浸水している船にあって、修繕するでもなく、水掻き出すでもなく、なんとか船の沈まないようにしようとしている人間の足を引くような連中と一緒に私は沈んでいくのか……。あんたらをビンタする。このまま死んだら化けて出てやるからな、と思っても、恨むべき連中も一緒に水の底だよ。なんだかなあ。定額給付金がどんと十二万も出たらベースを買うんだがなあ。とにかく、打つ手、打てる手を考えない人は、せめて足を引っぱらないようにして欲しい。

話がそれた……。もう、終わりにします……。

うちの姪もかなり可愛い方だと思っているのですが、あやちゃんはもっと可愛い。そういっているのですが、家族は同意してくれません。彼らは目が曇ってるんだ、そうに違いありません。

  • 『まんがホーム』第23巻第5号(2009年5月号)

引用

  • ほへと丸「ヨメけん — お嫁さん研究クラブ」,『まんがホーム』第23巻第5号(2009年5月号),71頁。
  • 同前,74頁。

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