2005年5月22日日曜日

Robert Johnson : The Complete Recordings

 この間、音楽をやっている友人連中(といっても、私の場合は音楽に関わらない友人の方が少ないんだけど)集まって、アンサンブルの下準備みたいなことをやったのですが、その合間にとりあえず今現在私に歌える歌を披露したりしたわけです。例えばそれは『22才の別れ』とか『なごり雪』とか、あとさだまさしも歌いましたっけ、『僕にまかせてください』と『精霊流し』。暗いね。とりあえず別れとか死別とかが出てくる曲ばっかり歌って笑いをとりまして、そんな中唯一そうした湿っぽさのないのが、ロバート・ジョンソンの『スウィート・ホーム・シカゴ』でした。

そして、結構評判のよかったというのも『スウィート・ホーム・シカゴ』だったのでした。

『スウィート・ホーム・シカゴ』は、私が練習用に探して買ったNHK趣味百科のテキストに収録されておりまして、私は自分の音楽の幅を広げられるといいなってなもんで、とりあえず弾けそうなものから手を出して見ているんですよ。と、そんなわけでブルース。ロバート・ジョンソンのブルースは初期のものなので技巧的には難しくなくて、ブルースの習いはじめには恰好の曲であると思います(受け売りですけどね)。

さてそれでですよ、『スウィート・ホーム・シカゴ』の練習をはじめてみて、けれどその時点で私はロバート・ジョンソンを聴いたことがなかったんですね。それで、楽譜を見ながら、なんかうまく伴奏と譜と歌詞が合わないなあと悩んでいて、いやそれ以前にブルース臭さというのが出ないのですよ。なので一旦ブルースを撤退してみて、また思いついたように再開して、これを何度か繰り返した頃にエリック・クラプトンがアルバム『Me and Mr. Johnson』を発表、世間にちょっとしたロバート・ジョンソンブームの風が吹いたのでした。

ロバート・ジョンソンは新聞にも取り上げられたんですよね。コンプリート・レコーディングスが新しくリリースされてうんぬん。その記事を見て、私はレコード店に走りましたね。それで『コンプリート・レコーディングス』を購入、聴いてみてびっくりしました。こんなの自分には到底無理! なんといったらいいのか、なんともいえず無理です。あんな雰囲気、自分には出せないぜ。

けど、それでも練習はして、とりあえずちょっとは歌えるようにしたのでした。

ロバート・ジョンソンを初めて聴いたときは、どの曲もおんなじに聴こえたもんですが、けれどさすがに今はそんなことありません。独特の揺れに闊達な歌い回しは、すごく恰好よくって、ああこれはちょっと他にないなあと、そんな感じもします。ロバート・ジョンソンを聴いてからクラプトンのブルースとか聴きますとね、やっぱりすごく洗練されているなと思うんですが、その反面人間の臭さというのは弱くなってるように思います。この、ロバート・ジョンソンのブルースに感じる独特の感じというのは、やっぱりロバート・ジョンソンその人の個性なんだろうなと思ったものでした。

ブルースは多分、その人となりというのが味なのだと思います。だからロバート・ジョンソンにはロバート・ジョンソンの、クラプトンにはクラプトンのブルースがあって、他のブルースマンにしても同様でしょう。けれど自分の場合はどうなんだろう。自分が歌うと、ブルースもブルースじゃなくなるんですよね。けど、歌ってるとすごく楽しいんだ。なんか病みつきにさせる面白さというのがあるんですよね。

とりあえず私は、歌詞がちゃんとフレーズにはまるようにせんといけません。びしっとはまらないことには、歌うどころじゃありませんから。

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