今、ペンギンがちょっとしたブームなのでしょうか。たとえば『ペンギン娘』、私この漫画は読んでないのですが、面白いのかな? 映画では『皇帝ペンギン』なんてのもありますね。四コマ周辺を見回しても、『ドボガン天国』、『火星ロボ大決戦!』など、ペンギンが極めて重要なポジションに着いている漫画はいくつも(?)思い出されて、そして今ここに新たなペンギン漫画『みのりスクランブル!』が登場です。これはレーベルこそはまんがタイムKRコミックスだけど、四コマではありません。『フォワード』掲載のコマ割り漫画であります。
ペンギン漫画といいますが、鳥としてのペンギンを愛でようという漫画ではありません。八木山幸博士によって作り出されたペンギン型アンドロイド・ペンギノイドの活躍する、いわばSFもの。ペンギンのペンギンによるペンギンのための王国を築こうと闘争するペンギノイドたちを描いた、感動巨編なのであります。そして地球の海は、巨大ペンギンヴォーテックスにより支配されることとなるのでありました!
ごめん、嘘。けどペンギノイドが活躍するってところまでは本当です。
ペンギン好きが高じてペンギンの研究者となった父にほどこされたエリート教育が災いし、決定的にペンギンを嫌いになってしまった少女、たまきがヒロイン。しかし父は娘にペンギン嫌いを克服させるべく、八木山開発のペンギノイドを投入してきた。それがタイトルロール、みのりであります。
必殺技はフリッパー
この漫画の基本形は、八木山博士がトラブルの種を蒔き、それをたまき&みのりが解決する、というものであるのですが、トラブル影響度の微妙さ、ご町内商店街巻き込んで、というそのサイズが絶妙なのです。もともと私には、商店街を中心とするような町内巻き込みものが好きという傾向があったりしまして、すなわち『みのりスクランブル!』の舞台、これが私の好みにドンピシャであったというわけです。
陰謀があるわけではない、悪意なども皆無。実に幸いな展開が楽しい漫画です。登場人物がそろいも揃って元気で、はつらつとしているから読んでいて気分がいいし、絵もよく整理されてわかりやすい。それになによりテンポがいいから、次々とページがめくられていって、だれない、飽きない、読み疲れることなくすいすい読めて、これはあたりの漫画だと思える感触がありました。よくあるパターン、お約束を絡めながら、決して感動の展開に向かおうとしないその意気やよしです。むしろお約束の逆を張る。しかしそれさえもが話を前に進ませる力になって、簡単に逃げず、ただでは終わらず、毎回毎回の舞台をよくよく駆け回ったうえで、きれいに落ちをつけるというのですから、読んで得られる満足感もそれだけ大きなものになるのですね。
ところで、うちにもペンギンのぬいぐるみがいます。
ひとりの時にはテレビを見ていることが多いみたいです。
こんな感じにペンギンに参ってしまっている私ですから、二重三重に『みのりスクランブル!』は面白くて、いや、これ、ほんとにいいですよ。読んでいてちょっとしたしあわせ気分です。
あ、そうそう。作者は医者にかかってください。先が読めなくなったりしたら困ります。お願いします。
- ちはや深影『みのりスクランブル!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
- 以下続刊


油断できないなあ。そんな感じ。タイトルにろりーたなんてあって、一体どんなあざとさが!? なんて思う人もあるかも知れないけれど、むしろ逆。はっとするように繊細で、心の奥に染み入るような感情の揺れ動きが美しい、そんな漫画です。タッチは少年誌風というよりも少女漫画のそれ。そのためか肉感的な色気よりも気持ちに働きかける要素のほうがずっと大きいと感じられて、それがまたなんともいえず心地よいのです。ヒロインは二人。双子というけれど、あまりに小さな妹はどう見ても小学生で、なんか訳ありっぽい? 姉は可憐というより辛辣で、辛辣というより鮮烈で。妹は可憐であって幼気で、いたいけであって健気で、そして無邪気で — 。その無邪気さが心をかき乱すのですね。ああ、いや、私の心じゃない。主人公、鷹彦の心をです。
本来ならそんなに意識されることではないはずなのに、無闇に色っぽい漫画だなと、そんな感想抱いてしまうのは、絵の持つ雰囲気のためなのではないかと思います。絵が色っぽい。過剰に色気を表に出そうというような漫画ではない(そうか?)のに、端々に色気が感じられて、表情に、しぐさに、造形に、そして描線さえからも、ほのかに色気が漂ってくるようなのですね。のびやかにしてなまめかしい。そんな表現がしっくりとくるような、そんな画面にドキドキします。けど、直接的な表現は避けてるんですね。出てもへそ程度、けどその抑制され方が強烈に効果的で、やっぱりドキドキします。すべてはコマの外、アングルの妙によってあらわにされることがありません。あとはご想像にお任せしますとでもいいたげなこの手法、ああ、想像力には限りがないのだなあ、本当にそう思います。
明日は『稀刊ツエルブ』の発売日。もしかしたら一日早く売られたりしていないかなとたまたま覗いた書店(三件目)に見付けることができまして、ああ一日早く読める、嬉しいな、買って参りました。『ツエルブ』というのはどういう雑誌かといいますと、表紙にサーティライフ応援マガジンと謳われているように、三十代を応援するという趣旨で刊行されている — 、まあ私も三十代であるわけですが、 — 女性誌なんです。2008年13月号の特集は30代からのPCワーク!。けれど、仕事色を前面に押し出すでなく、むしろ三十代という年代をいかに素敵に過ごすかというライフスタイルを提案する、そんな雑誌なんですね。三十代というともう若くもないし、けれどおばさんといわれるのも抵抗がある、それこそ微妙な年代であるわけですが、けれど本当は三十代っていうのはこんなにも素敵なのだよと、三十代女性っていうのはこんなにも魅力的なのだよと、そんな主張が感じられて、読んでいる私にしても元気づけられるというか、ええ、本当に嬉しくなる。そんな本であるのですね。


竹内元紀という人を知ったのは、ネットでの評判からだったんですね。エロくないエロ漫画を描く人で、いやエロ漫画じゃないですね、下ネタ系のギャグ漫画描く人で、そのくだらなさが実におすすめなのだという人がいたんです。へー、それじゃちょっと読んでみようかな、くだらないといわれて読もうと思う私もどうかと思いますが、とにかく買ってきました『
昨日届けられた『
『
『
書店にて4巻が発売されていることを知って、そして帯にてこれが最終巻であると知って、驚きました。第4巻で終わりなんか。
友人の結婚式にいってきたのです。ああ、正確にいうと、時間を間違えて結婚式には間に合わず、披露宴だけの参加だったのですが、いやはや疲れはてました。いや、結婚式、披露宴に疲れたわけではないです(本当によい時間を過ごしました)。その後にちょっとお茶でもなんて話になって、そのいった先ですよ、話が終わらない。何時間でもしゃべる、しゃべる、しゃべる、もうくたびれた。っていうか、もうこんな時間ですよ! みたいな感じであわてて帰ってきました。まあ、いつもの面々なのですが、あの人たちと話をすると、決まって終電を心配しなければならない。ほんと、はらはらするというか、いや、話自体は面白いのでいいんですけどね。
姜尚中とテッサ・モーリス−スズキの対談本が出ていると聞いたのはもうずいぶんと前のこと、いつか読もうと思いながらも今の今まで先延ばしにしてきたのですが、思いついて注文して購入して、読みました。そうしたら思った以上に軽い作りになっていて、驚きましたよ。なんだか芝居がかった演出がそこかしこに見られて、不思議な見せ方をするものだなあといぶかしみながら読んだのですが、けれど中身は普通の対談。いや、そうかな? 本当に南の島でくつろぎながらの雑談、おしゃべりなのかといわれたら、いやあそれはさすがに演出だろうと思うのだけれども、いずれにせよこうした体裁とってる時点で普通じゃないですよね。
そういえばこんなの買っていたのでした。コップがさね。コンビから出ているおもちゃなのですが、職場から最寄り駅へ向かう途中の商店街、いかにも個人商店という感じのおもちゃ屋で、一歳前後の子供向けだとどんなのでしょうとうかがったら、これが出てきました。もちろんこれだけっていうことはないんですけど、いろいろ、知育の面とかもろもろ含めてこういうのが人気ですよって出てきましてね、対面販売ってよいものじゃと思いましたね。実際に子供の発達とか、おそらくお子さんお育てになった経験からのことかと思うのですが、いろいろアドバイスくださる感じで、ネットとはまた違うよさがある。私はこういう感じ好きだから、個人商店に優しい時代がまたきて欲しいと願っています。
いくら気に入ってくれたとはいっても、一歳そこそこの子供に
『しろくまちゃんのほっとけーき』は、子供の頃に好きだった絵本。けど、うちの本じゃありませんでした。ということは近所の誰かのうちにあった? それともかかりつけの医院かな? ともあれ、常ではないけれどちょくちょく見る機会のあった絵本で、好きでした。さて、なぜ今この本を取り上げるのかといいますと、このあいだ姪にと思ってこの本買ってきたからなんですね。ええと、実をいうと姪は言い訳だったかも知れない。自分が欲しかっただけなのかも知れません。人間、時には子供の頃の思い出にふけりたいこともあるわけで、それもあんまりすぎると不健全ですが、たまにはいいものです、よね?

重野なおきは私のひいきにしている四コマ作家であります。その重野なおきが数年にわたり展開してきた警察コメディ『のの美捜査中!』がめでたく完結いたしました。確か私の記憶が確かなら、『ヤングアニマル』誌に短期で連載された後、一定の支持があったのでしょうね、長期連載にシフトしたのでしたっけ。エリートでありながら、ポカミス連発で降格してきたのの美を主人公に据えた、ちょい推理あり、ちょいギャグありのコメディ。非常に冴えた天才少女でありながら、鈍くさく、どこか抜けているというヒロインの性格のためでしょうか、肩ひじ張らず楽しめる、そんな雰囲気が楽しい漫画でありました。
気付けば私が猫好きなのは、四コマというジャンルに長く居着いているからではないのかと、そんな風に思うのは、四コマ漫画において猫漫画は確固とした位置を確保しているからで、そこでは猫と飼い主の関わりや、猫各個体の個性の違いが、時にコミカルに擬人化されて、時に観察をともに現実味もって描出される、そのバリエーションが楽しいのですね。そこに現れる違いは、猫の個性もありますが、やはり作家性じゃないかそんな風に思うものですから、好きな作家のものともなればやはり読みたくなってくる。というようなわけで、『クロジとマーブル』、当然のように購入しています。
のびのびと育った娘、美咲の表紙も溌溂として、そして漫画はというと、これもまた溌溂。伸びやかな美咲、すくすくとした成長ぶりが変にアンバランスに映るのは、彼女が小学生だから。そんな美咲に戸惑いながらも、普通に小学生として対処する明ちゃんは紳士だね。ええと、この漫画の主人公は美咲でもその母親雪乃でもなく、ふたりが間借りしている先の息子です。名は明。勤め先の倒産をきっかけに実家に帰ったら、見知らぬ母子がいて驚いた。小学生に見えない小学生と、小学生の娘を持つとは思えない母親、見た目と中身のギャップに戸惑い、恋心抱きつつもそれを口にのぼすことさえできない甲斐性なし。はたして明の明日はどっちだ!? そんなお話です。
まとめて読むと印象ががらりと変わる漫画っていうのがありまして、私にとっては『天獄パラダイス』がまさしくそんな感じでありました。最初、連載で読んでいた時には、若干の緩さ、キャラクターの可愛さに、ああ悪くないねえ、そんなくらいの感想であったのだけど、実際単行本でまとめて読んでみると、印象違いますね。なに、この多幸感! 緩いなんてもんじゃない、緩みっぱなし。漫画がじゃない、私の感情がですよ。けど、私は発売日にこの本買ったわけでなくて、遅れて買った。初動に貢献しなかった、申し訳ない、ちょっと悔いています。そして『天獄パラダイス』は本日発売の『
佐藤両々は面白いなと、はじめに思ったのは『保育士のススメ♥』読んでだったんじゃなかったかな。これが連載されていた時期というのが2004年。手慣れてきれいな絵、かわいらしいキャラクターに、ちょっとシビアなネタとわずかな毒気が効いていて、この人の漫画はいいな、そう思ったものでした。もともと私は職業ものが好きであるのですが、保育士とその娘の生活もろもろを描いて、実に濃厚、豊潤とでもいったものでしょうか。面白いわ、これは。なにより無駄がなく、引き締まっているところ、そこが素晴らしくって、本当に期待される漫画だと思っていたら終了、ええーっ! って、なんか最近こんなことばっかり書いてますね。けれどこれは後に『ミルキィーパンチ☆』として復活しまして、やああの時は嬉しかったです。
私の昔の友人に、妹ものが好きなのがひとりおりました。その人には
明日から、明日から通常営業に戻りますので、今少し、懐かしのタイトルを列挙することをお許しください。といっても、今日取り上げようというのはそれほど懐かしいものではありません。だって去年まで連載されていた漫画だもの。掲載誌は『
別に、好きだった漫画の棚卸しをしたいわけじゃありません。けど、今いっておかないと、もう次いついえるかわからない、そんな気がするから、力いっぱいここに書いておこうと思います。ウエクサユミコの『カラフル曜日』が好きでした! いえね、以前『
『のののリサイクル』、ぱっと見には可愛いキャラクター前面に押し出した、ほのぼの優位の漫画であります。高性能汎用人型ヒューマノイド、ロボット? アンドロイド? の試験素体として選ばれた草餅のの、見た目幼稚園児の彼女がクラスにやってくるところから物語は始まるのですが、この時点では非常に緩く、穏当そのものといった雰囲気が支配的です。ののが結びつける友情、ののの頑張りが状況を好転させるといった、人によってはぬるすぎるといって敬遠しそうな展開が続くのですが、けれどこうした微温的空気が好きという人にはきっとたまらん漫画だろうなあと思います。私に関していえば、中間くらい。ものすごく好きということはない、けれど嫌いでは決してない。そして時には側にあって欲しいと思う、そんな優しげなふうが妙に心をくすぐるのです。
『Recht』は『
うん、頑張ろう。読んでそう思える漫画っていうのがあります。たとえば『
