2008年2月14日木曜日

しろくまちゃんのほっとけーき

 『しろくまちゃんのほっとけーき』は、子供の頃に好きだった絵本。けど、うちの本じゃありませんでした。ということは近所の誰かのうちにあった? それともかかりつけの医院かな? ともあれ、常ではないけれどちょくちょく見る機会のあった絵本で、好きでした。さて、なぜ今この本を取り上げるのかといいますと、このあいだ姪にと思ってこの本買ってきたからなんですね。ええと、実をいうと姪は言い訳だったかも知れない。自分が欲しかっただけなのかも知れません。人間、時には子供の頃の思い出にふけりたいこともあるわけで、それもあんまりすぎると不健全ですが、たまにはいいものです、よね?

いったんは姪に引き渡した本、今は引き上げてきて手もとにあります。といってもこのまま取り上げるつもりじゃなくて、ちゃんと返しますから安心してください。いやね、買ってきてすぐに渡したんですが、やっぱりちゃんと読み直してみたいなあと、そう思ったから取り戻したんです。いや、借りたっていうべきなのかな。いずれにせよ、そう遠くなく姪のもとにやるつもりです。

『しろくまちゃんのほっとけーき』。タイトルにあるように、しろくまちゃんがホットケーキを作るというお話です。内容は、さすがに絵本、それも年少の児童向けですから、シンプルに輪をかけてシンプルです。

わたし ほっとけーき つくるのよ

絵本の内容は、本当にこの一言に集約されるのですね。

可愛いながらも、無闇に表情つけるでなく、シンプルな線、シンプルな造形に徹した絵が素晴らしいと思います。カラフルなんだけれど派手派手しさはなく、モダンで上品な色調が実に新鮮。著者はグラフィックデザイン畑の方なのだそうなのですが、面目躍如とはこういうことをいうんだろうなあと思わせる出来にほれぼれします。

無駄の廃された絵です。だからこそ子供を引きつけるのでしょうね。一歳そこそこの、実際のところ本見せてもわかってるのかわかってないのかようわからんくらいの子供が、しろくまちゃんに魅入られるがごとく、顔寄せていくんだそうです。そして、ホットケーキのできていく過程がまた魅力的で、あれはわくわくしますよ。私みたいのでもなんか心が浮き立つみたいですからね。今ではホットケーキなんて、別に特別でもなんでもない、むしろなんか昭和の懐かしさ感じさせる食べ物であったりする、そんなくらいのものですが、この本見てると、すごく特別な食べ物に感じられてきて、ああ美味しいホットケーキ食べたいなあ、そんな気にさせられる威力秘めているのですね。

さて、姪の母親は、早速ホットケーキのもとを調達したのだそうです。表向きは姪のため、なんでしょうが、でもきっと多分、自分のためなんじゃないかと思いますよ。自分が食べたいんだ、昔からやつを見てきた私です、そんなところだろうとにらんでいます。

引用

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