2005年9月16日金曜日

セラミック水性ボールペン

私の愛用の筆記具は、大学在学中はもっぱら万年筆で、けれど卒業してからはボールペンに鞍替えしました。万年筆は確かによかったのですが、日常の用には少々使いにくくもあり、特に冬期、寒い屋外から暖かい室内に移動したときなどに、カートリッジ内の空気が膨張してインクが吹き出すのには困りました。

私が万年筆に求めたのは書き味で、一般にボールペンといって予想される、あのきちきちと粘る書き味は嫌いな私には、あのすーっと線が引ける軽くしっとりとした触感があっていました。ですが、こうした書き味は万年筆だけではなくボールペンでも得られるようになって、それが京セラの水性セラミックボールペンでありました。

私は、大学を卒業して、院も出ようかというときに、このボールペンを見つけました。見つけて、書き味を試して、その時はすごく迷いました。それまで使ってきた道具を新しいものに換えるわけですから、その迷いはいかほどであったか。しかし、何度か通ううちにどうしても買っておきたいという思いが高まり、結果、そのボールペンは私の手もとに今もあります。常に持ち歩いて、私の日頃の筆記における重要なものとなっています。

私は、そのボールペンを皆さんに紹介したいと思ったのですが、残念ながらそれはもうかないません。というのは、京セラのサイトを見ても、セラミック水性ボールペンカテゴリに私の使っているボールペンの型を見つけることができないからです。

2002年には確かに存在したのですが、この数年で廃盤となった模様です。私は、このことを非常に悲しんでいます。

職場で、私のボールペンを見て、いいペンだとおっしゃった方が二方いらっしゃいました。私は即座に自慢して、少し太めの軸を握ったときの感触がいいこと、重さのバランスが絶妙であること、そして書き味が格別であることをいうのですが、最後には、残念ながら、この軸を失うともう同じものは二度と手に入らないと思います。そうした悲しいことを告げねばならないのでした。

道具に限らず、すべてのものは一期一会です。私は、筆記具に関してはよい出会いに恵まれたと、あの時の出会いを無駄にすることがなかったと、今もそのように思っています。

  • 京セラ:セラミック水性ボールペン,ゴールドカラーストレートボディ

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