2005年9月5日月曜日

少年少女日本の歴史

    コミック・バトン企画もついに最後のタイトルにたどり着きました。『少年少女日本の歴史』。小学館が少年少女向けに発行した日本史漫画で、全二十巻。うちには全巻そろっています。

子供の私があまりに漫画に傾倒して見せたものだからか、あるいは学研ひみつシリーズの効果があまりに目覚ましかったからか、親がそろえてくれたのでした。私はこの漫画を実に重宝して、高校生になっても参考に使っていた、 — いや、実は今でもたまに参照している — というのは内緒です。

ずらりとリストを作成してみれば実に壮観でありますが、ハードカバーの漫画をざっと二十冊並べてみてもなかなかのものでして、子供の頃にはこの漫画が書棚の一段を占拠していて、それはそれは見事でした。今はその場所は違う本が奪ってしまって、『少年少女日本の歴史』はオーディオ・スピーカーの隣にうずたかく塔になって積まれているのでありますが、それでも結構な量があって、けれどそれだけの価値はあるなといえる内容です。

漫画を読めば、その時代その時代の雰囲気というものがざっとつかめて、こうした感じをつかみ取るのは教科書なんかでは難しいものでありますから、子供の私にはきっとよかったんだと思います。ほら、以前いってましたでしょ。漫画『日本の歴史』に戦艦保有比率のどうのこうのが図示されていたうんぬんって。こうした図版や例えはきっと教科書にもあったに違いないのですが、けれど今頭の中に残っているのは漫画に出てきたほうがずっとずうっと鮮やかで、これはそれだけ繰り返して読んだ証拠であると思うのです。

全二十巻。私が好んで読んだのは第1巻。古代縄文弥生時代の日本が断然面白くて、漫画に描かれた縄文人弥生人はそれは実に生き生きと、そして卑弥呼も印象的だったと思うのです。次いで好んだのはお江戸元禄から幕末にかけて、そして明治大正昭和でありました。

多分、私は、だれかしらのビッグネームがぐぐいっと時代を動かしてというようなものよりも、民衆大衆がわいわい出てくるのが好きだったのだと思うんですね。だから江戸の町衆や近代日本の大衆が出てくるところに興味を持って読んでいた。確かに歴史的事件よりも、その時代の風俗を楽しむところは今も同じです。こういう傾向は、子供の時分にもうできあがってたんですね。

引用

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