2011年4月12日火曜日

TVアニメ「夢喰いメリー」オリジナルサウンドトラック

 夢喰いメリー』のアニメを見ていて、結構凝ってるな、なんて思ったのが音楽でした。作曲は奥慶一。プロフィールを確認すれば、なんと、スペクトラムの人なのか! 驚いて、その経歴、東京芸大の作曲卒ってのにまた驚いて、知らんかった! へー、そうなのか。で、驚きつつも納得。というのは、『メリー』の音楽、オーケストラの書法がすごくオーソドックスというか、しっかりしてるなあ、なんて思っていた、その理由がわかったように思ったんですね。というか、わかったといってかまわないでしょう。古典を学んだ、その結果がこの音楽なのだなと恐れ入りました。

気になったのは、オーケストラの書法もそうですが、他にもいろいろあって、メロディ、というかモチーフといいたいのだけど、耳に心地いい旋律を使っていないところなど、それこそ近現代ものを思わせるような音型が目立っていて、実にスリリングな味つけになっているんですね。また複調っぽい曲もあって、すごく耳に残ってた。アニメ『メリー』はサスペンス調に展開していましたが、その視聴者にハラハラと不安を与える効果、展開や演出もそうだけど、音楽も大いに貢献していたと感じています。

スリリングに展開する音楽があったかと思えば、すごくストレートにうったえる、そんな音楽があるんです。ほっとさせられるシーンで、コミカルな場面で、そして気持ちの高まる、そんなシーン、メリーが夢路が、がんがん押していくようなね、そんなシーンにかかる音楽。それは意図的に耳になじみやすいように作られてると感じられて、このコントラストは見事ですよ。いや、ほんと、すごいなと感心しながら見ていたんです。多様なスタイルが、多様な場面にマッチして、すごく効果的に場を盛り上げ、あるいは寄り添うようにあって、これはいいなと思ったのです。

アニメを見ている時から気になった曲、耳に残った曲、それは結構多かったのですけど、どれかひとつといわれると「イチマ」ですね。琵琶を使った曲。わお、すごいな。そう思ってサントラ、楽しみに聴いたら、もっとすごかった。いや、もったいないよ。全然使われてないじゃん。他の曲もそうなんだけど、ものすごくよくできてる、そんなところが使われてないみたいなこと、どうも多いみたいで、いや、ほんと、もったいない。そんなこと思わされたサントラでした。

  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第1巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2008年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第2巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2009年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第3巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2009年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第4巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2010年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第5巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2010年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第6巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2011年。
  • 以下続刊

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