2007年12月4日火曜日

DSvision

任天堂の『DS文学全集』が火付け役となって、電子本についてなんやらかんやらいってましたら、Amazon.comがKindleなる電子本リーダーをリリース、強烈に期待しつつも、理想は電脳メガネだよね、これが私の電子本に関する発言の流れであったのですが、だとすれば当然言及されるべきものに触れていませんでした。それは大日本印刷がam3と組んで展開するというDSvisionです。名前に含まれているDSの二文字。Nintendo DSをプラットフォームとして展開される、コンテンツ配信。そのコンテンツとはアニメ、コミック、小説などであります。AmazonがKindleをサービス込みで普及させようともくろむなら、こちらはすでに充分普及しているDSで勝負をかける、ということなのでしょう。サービス開始は2008年3月予定とのことですが、これが実際どのような展開をするか、ちょっと興味があります。

けど、実はちょっと心配もありまして、コンテンツの購入にはPCが必要とのことなのですが、もしやするとこのPCにはMacintoshが含まれていないのではないだろうか? という心配なんです。もしそうなら、まさしく過去の電子本リーダーの再来ですよ。いや、端末はとりあえずひとつ確保してるから、ずいぶんましとは思います。けど、実際、Macintoshに対応して欲しいなあ。ってのはやっぱり常用の端末でないと、長続きしないんです。iMac買って、アクセスポイントが常備されるようになったからケーブル引き回す必要なくなったとはいえ、普段使ってないWindowsノートをごちゃごちゃやるってのは面倒だし、そうやって手順が増えると手間を嫌って利用しなくなるってのはやっぱりあることだと思いますから。まあ、私がものぐさなのが一番悪いんですけれど。

Nintendo DSがプラットフォームになることのメリットは、すでに普及している、これはすでにいいましたとおりです。私でも持ってる。なので、四千円程度のアダプタ等々を買ったら利用可能になる。この手軽さはすごいアドバンテージだと思います、売るほうにとっても、買うほうにとってもです。読書端末としてのDSに関してはすでに確認済み、行あたりの文字が少なく、ともないページあたりの文章も短く、頻繁にページを繰らねばならないというのは億劫ですが、けれどわりと悪くないものです。反応はクイック、片手で操作でき、視認性に関しても問題なし。あの小さな画面でちまちま読んでると、むかし角川から出てた200円文庫、角川mini文庫っていいましたっけ、あれを思い出すんですよね。豆本というほど小さくありませんが、かなりコンパクトでしてね、正直いうと読みにくかった。でも、DSなら小さすぎやしないから、持ちにくいってこともないでしょう。

さて、コミックも配信されるという話であります。ですが、DSの画面ってコミックを読むにはちょいと厳しいんじゃないかなあと思っています。あの小さな画面で漫画を読むという、その状況が想像できないんですよ。今携帯コンテンツでやっているように、コマごとにわけるのかも知れませんけど、そんなのだったら私はいらないなあ。実際に読んでみたら違うのかも知れませんけど、ああしたやり方が読みやすいとは私には到底思えなくて、具体的にいえば『まんがタイムきららWeb』にて公開されているWeb漫画、『みちかアクセス!』なんかはまさしくコマごと表示をしていますが、可読性はかなり悪いといわざるを得ません。

漫画がね、ただ前へ前へとコマを進めるだけのものだったらいいんですけど、ちょっと凝った作りや考え落ちみたいなものになると、前のコマに戻って落ちとの繋がりを確認するってのは普通にやっていることで、ところがコマごと表示だとこのテンポが極めて悪くなり、ああ面倒くさい、もうええわい、みたいな気分になっちゃうわけです。この点、4コマが一度に表示される『ジャーノ☆ROADはへヴィ!』は読みやすさが格段に高く、ストレスは感じない。ところが『だめ×スパイラル』、『Webクリ!!』となるとまた駄目で、縦長のページが一度に表示されれば小さすぎて文字の判別が困難になり、ゆえに一段拡大するわけですが、そうしても表示エリアは広がらず(なんで?)、マウスで表示エリアを移動させながら読むしかない。

惜しいよなあ。面白いのに、読みづらさがあだになってるよってずっと思っています。

DSのKindleへの優位は、その普及率と表示がカラーであるということでしょう。反面、その画面の小ささはデメリットとなって、そして上記の私の不安が的中した日には、テキストは購入するも漫画は買わずという、そういう流れになることはもはや必至であり、そしてそのテキストにしても私好みのものがあるかというとそれもまた未知数であるわけで(経験上、マイナー好みの私向けではないと思う)、最悪、興味は持ちつつも傍観ということにもなりかねないと心配しています。

だから、大日本印刷においては、私のちっぽけな予想、不安を力強く吹き飛ばして欲しいものだと思います。わお、こんな感じのサービスが欲しかったんだ! と、そう思わせて欲しいものだと、結構本気で思っています。

余談

ActiBook(『きららWeb』で採用されてる電子ブック形式)の画面があのサイズなのは、きっと私の使っていたノートPCの画面サイズに合わせているからだと思っていた私は、iMacの購入をひそかに楽しみにしていたのでした。24インチの大画面! きっとこれなら、これまで読みにくいと思っていたあれらも一望できるはず — 。

あのわくわくとした気持ちを私はどのようにしたらよいものでしょう。いや、ほんと、結構なショックだったんですよ。

参考

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