フランス語やっていると、シャンソンを聴きたまえ、歌いたまえというようなことをいわれることが意外に多いのです。歌を聴く、自らも歌うというのは、発音であるとかフレージングであるとかの感覚を養うのにいいというのは実際そのようで、だから私もフランス語習っている時には、シャンソンを聴くこと、歌うということ、実に頻繁でありました。で、『枯葉』なのですよ。ジャック・プレヴェールが詩を書いて、ジョセフ・コスマが曲をつけた。映画『夜の門』の主題曲らしいんですが、残念ながら私はこの映画見たことがありません。
『枯葉』というとイヴ・モンタンが代表格みたいになっています。ラジオで、テレビで彼の歌っているところを何度も見て、聞いたものでした。実際、私の『枯葉』の印象は、だいぶイヴ・モンタンに引き摺られていると思います。
音楽やっていると、知らないうちに楽譜が溜まっていくものです。私もその例に漏れず、そこそこ楽譜を持っているのですが、面白いことに『枯葉』が結構含まれていたりするんですよ。日本語歌詞の版が一種類。けど、ピアノ伴奏付きのものと歌の譜だけのとそれぞれ別にあります。原語のものが一種類。これはフランス語のテキストに付いていました。ピアノ編曲が一種類、管楽器向け編曲がまた一種類、ギター編曲のものは三種類。とりあえず把握しているのはこれくらいですが、もしかしたらまだあるかも。
音源として持っているものといったら、フランス語のラジオとかテレビの録音、録画です。これはイヴ・モンタンとジュリエット・グレコ。インストゥルメントならミシェル・ルグランといったところで、数えてみると意外と少なく、それに今うちにはカセットもビデオも再生できる機器がないので、持っていても聴けないっていう逆境。いや、ルグランのは大丈夫。でも、歌の参考にはならんわね。
実は、今度『枯葉』を歌うことになったんですよ。わお、参ったな。っていうか、なんでこの時期に『枯葉』!? 微妙に疑問なんですが、頼まれたというか押し切られたというかで、仕方がない。いそいそと楽譜を出してきて、譜割確かめながら練習中で、しかし私はこれまでほとんどこの曲を歌ってきてなかったんですね。いやあ、あんまりにもべたすぎるでしょう。シャンソンといえば『枯葉』か『愛の賛歌』。それをあえて歌うというのも、正直ちょっとどうかと……、嘘です。難しいんですよ。べらぼうに難しいんです。ルフランも難しいんですが、クープレ、語りのような部分ですね、の難しさはもう悶えるほど。無理やって。これ、ほんと無理! けど、なにしろ私に拒否権はないようなので(なんで?)、これをなんとかやっつけなければならない。もう死に物狂いというか、とにかく歌って歌って歌ってみようの世界。うまくいったらお慰みですね。
けれど、歌ってみるとやっぱり極めて美しい歌で、メロディがよいのももちろんあるけれど、歌詞の美しさ、韻、響き、構成、繰り返しが非常に効果的で、そりゃ名曲といわれるだけあるわ。聴いてもいいものですが、歌ってみればよりよくわかります。詩は、読むだけでなく言葉として口にすることで、よりよく味わうことができるんだなと、改めて思った次第。なので、歌って歌って歌って、持ち歌ではないけれど、いつでも歌える愛唱歌にしたいと思います。
Yves Montand
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