『まんがタイムきららフォワード』2012年3月号、一昨日の続きです。
『はぢがーる』、たまらんものがありますね。扉絵から強烈、顔あからめて、こちらを見る紗江。ああ、この人は、おそろしく可愛らしいな。その可愛らしさは、普段は隠されてしまっているわけですが、それゆえにたまらぬ。ああ、本田君が羨ましいよ。心の底から羨ましいよ。というわけで、新たな課題です。3日以内にツーショットの写真をとってこい。いやもう、紗江さんですよ。一緒に写真を撮る相手、本田君ともう決まっている。意識せんでも決まっている。気になっちゃってますよね。でも、慣れてるだけだよねと自分を誤魔化して、この気持ちと意識のまだ距離のあるところ。いずれ、だんだんに意識が追い付いていくんだろうな。たまりません。舞台はゲームセンター。プリクラを撮ることになって、本田君にふたりで撮ろうと誘われて、なになに? 今回楽勝じゃないの? そう思っていたら、いや、もう、素晴しいな。嫌じゃない、どころかなんだか楽しい。自分の気持ちを意識して、それでできあがったのがあの写真! 素晴しいな。なんて初々しいツーショット。いや、ほんと、素晴しかったです。
『せなかぐらし』も実にいい感じ。くもりガラス越しのほのかな恋愛。巡の菓奈に対する気持ち。もうすぐ夏休みが終わってしまう。そうしたら、ふたりのひとり暮らしも終わってしまう。菓奈とのつながりを失いたくない、その巡の思い、ああ切なくてたまらんですね。踏み切りたい、思い切りたい、そういう思いがありながらも、きっとうまくいくわけなんてないじゃんか。そんなことないよ! っていいたいほどに思い詰めてる彼、ああ、男の子の純情ですね。自分に自信がないのかもね。ガラス越しに菓奈と交流するまでの彼のこと。あの時の経験が今の彼から自信を奪ってしまっているのかも知れないね。だからといって、その結論、決意でいいのかい? ああ、切ないじゃないか。ああ、放っとけないね。そう思わずにはおられんのですね。
『少女素数』、今回は男衆の気持ちに共感するやら、いえね、兄貴さんは女の子は持ちたくないなあなんていっちゃう。すみれさんに凹まされ、そしていつかあんずさんにも凹まされる日がくるんだろう。ある種の達観ともいえるのかも知れませんが、やっぱり思うところはあるんですね。兄貴として妹を、年が離れてるだけに父のように見てしまったりしてるところがあるんでしょうか。いや、兄だろうと一緒なんだろうな。自分に気持ちを向けてくれていた可愛い妹が、他の男を見つめるようになる。いつか納得するだろうけど、今は複雑なんだろうな。わかってるけど、そうなんだろうなあ。と、兄貴さんがそうなら、ぱっクンは同時に告白されたがために気持ちが定まらなくなってしまっていて、いや、でも、そりゃそうだろうなあ。女子から告白されたら、舞い上がっちゃってほいほいとりあえず付き合っちゃったんじゃないか。そういう自分を見つめてる彼。そして、そういうところが嫌なんだと思う真面目さ。この真面目さは、少年特有の美しさを求める、そんな精神性によるものなのかもなあ。いえね、若いころって、決して身綺麗ではおられない、そんな衝動や欲望を自身わかっていながら、同時に潔癖だったりするでしょう。そう思えば、ヒロミの気持ちに精一杯の誠意を持って応えたのだろう敷島も、その潔癖、自分の気持ちに対し美しくありたく思ったひとりなのだろうなあって思ったのですね。
すみれと有美の淑女協定。望んでいたものは得られなかったけれど、それでもそれをよしとしようと思ったヒロミ。彼女らのうちにも、その美しさを求める感受性があるのでしょうね。けれど、いつしか変わっていくのかも知れない。恋を自覚して、気持ちに一本芯のできたかのようなすみれの言葉に、今も移ろい変わりゆく、そんな青春の瞬間、特別な、そして短い季節の影を思ったのでした。
- 『まんがタイムきららフォワード』第6巻第3号(2012年3月号)
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