『まんがタイムきららミラク』2012年3月号、発売されました。第1巻第1号通巻1号、独立創刊、真創刊でありますよ。表紙は小波ちま『リリィ』。白いセーラー服、はっと目を引く明るさ、はつらつさがあって、素敵ですね。君に届く、奇跡はじまれ!
との惹句は、刺繍で書いたようになってて、色あいもまた春っぽく初々しい印象を与えてくれます。そういった印象は、手をこちらに広げるように伸ばす久美の仕草、その軌跡に沿う文字の、その流れにもあるのかも知れません。春風のようです。
『TEI OH-!』、ゲストです。ヒロイン財津原葵が高校の頂点に登りつめようという話。といったら、なんだか喧嘩番長みたいですけど、そうではなく、ええと、なにでもって頂点というのだろう。まあ、それはおいおいわかるか、あるいはどうでもよくなるかだと思うのですが、そんな彼女が親友山西雪乃をともなって訪れたのが帝王部。そこにはなにやらいろいろ個性的な先輩が五人あって、その誰もが学校の頂点、帝王に登りつめようとしているというんですね。よって葵と雪乃も入部を決めて、ああ、雪乃は葵にくっついてですけど、で、先輩から過激なセクハラを受けると。競いあうとかよりも、女の子が集まって、セクハラやらなんやでわあわあ騒いでる、そんな感じのほのぼの? でありますよ。
『くじらジュブナイル』、新連載です。本当は可愛いもの大好き、って、この作者、パインパ、『るーてぃんルーティン』の人かあ。ええと、本当は少女趣味の女の子城戸枝里菜は、その趣味を知られないために、いろいろ学校で嘘をついている。大人ぶって、スレたふりして、で、そんな枝里菜にはファンもあって、別役玲奈、もう崇拝してるといっていいくらい。で、こんな枝里菜の前に現れたのが、転校生大間歩。小学校以来の再会っていうのですが、どうもこの歩という男、謎があるっぽい。枝里菜の少女趣味をえらくよく知っている。なぜか? 幼なじみだからというには過ぎるほどにわかってる。ここに謎があるようで、世界を渡ってきている? 普通に学校舞台のコメディでもよさそうなところに、一味盛ってきましたね。楽しみです。
『幸腹グラフィティ』、新連載です。中学二年の女の子、町子リョウが主人公。両親は海外に赴任して留守。一緒に暮らしていた祖母は亡くなってしまって、ひとり暮らし。ご飯がおいしくないの! と、そこに美術学校志望のはとこが週一で泊まりにくることになるっていうんですね。小さな同い年の女の子、森野きりんがその人。農家の娘? 親の反対を押し切って、大量に野菜持ってやってきた。それで、元気のないきりんをはげまそうと寄せ鍋をつくるリョウですよ。これは、食べる漫画ですね。きりんが、食べる、食べる、食べる。その食べる描写の力入れようったら。そして、リョウも食べる。その一口を味わおうとする、それだけをああも濃厚に見せて、誰かと食べるご飯はおいしいね。そのおいしさを雄弁に伝えようとしている。だからこそ、きりんとリョウのやりとりに面白み感じつつも、この食べること、一緒に味わうこと、それが主だろうと思うのですね。ちょっと異色かも知れん。だからこそ楽しみです。
『そこにいず』、ゲストです。なにか不思議なことがおこる地域なのでしょうか。カッパ出現を報じる学校新聞。それを見て、大量にキュウリを買ってくるのがヒロインですね。飛鳥早苗。いや、この人がメインなのかは知らない。ただ今回はメインを張っている、そんな感じです。キュウリで龍を作って、それをカッパに贈ろうっていうんですね。で、写真撮って交換日記して、とかいうんですが、そのキュウリの龍、空に昇ってるし! で、カッパらしき人がカッパ着て出てくるし! この不思議な状況は、さかささんという神様がいなくなってから、ということなのですが、たくさんの登場人物が元気よく走りまわっているといった印象の漫画。にぎやかで楽しい。いい感触です。
- 『まんがタイムきららミラク』第1巻第1号(2012年3月号)
引用
- 『まんがタイムきららミラク』第1巻第1号(2012年3月号),表紙。
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