2010年4月3日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2010年5月号

『まんがタイムジャンボ』2010年5月号、発売されました。表紙は『じょしもん』を中心に、『おねがい朝倉さん』、『すいーとプロミス』、そして『パドラーズハイ』であります。テーマはフィールドワーク? 遠足でいいのかな? サンドイッチいっぱいつめこんだバスケットも用意したり、そして飯盒炊爨。ピクニック気分からちょっとしたキャンプまで、こういうのも楽しいんですよね。まあ、私には縁のないことですが!

先月に引き続き、ゲストが多いという印象です。まあ、状況はそうそう変わらないですよね。けれど確かに変化はあって、それまで新作といった扱いだったものが、新人枠から抜け出したと感じられて、それはたとえば『みちるダイナマイト!』なんかがそう。掲載の位置が違うだけで、ずいぶん印象が違ってくると感じます。こうした印象の変化、これからも続くのだろうなあと思っています。

『中2限定!?ガールズトーク』、先生の作ったお弁当を妹から奪おうというゆずの奮闘。しかし、この娘はどちらかといえばできないというキャラクターと思っていたのだけど、自分で弁当用意するなど、意外なしっかりさんだな。そして、先生は百合子先生に接近しようとしている。こちらも意外なやり手でびっくりでした。

『パドラーズハイ』、まさかこの時点で試合という展開に突入するとは、先生ならずとも驚きでした。しかし、さすがに負けるのが前提、しかも手も足も出ない、そんな惨敗が当然のように予想されてるっていうの、いいですね。また、試合という目標ができたことで、練習も自然ハードになって、また課題もいろいろ出てくるというの、いいですね。そして、試合相手ですよ。あいちゃんの弟が出てきた。ほー、これはなんか面白そう。しかし、どうもお姉ちゃん大好きな弟のようですよ。

『コミカプ』、面白い。なんか、漫画家たちの裏話みたいなの、うまい感じに紹介されて、それで花の話とかも。花束とか荷物になって迷惑だから、とかよくいわれるけれど、そうした意見に対する違った意見。ファンの気持ちを汲み取りたいというようなその描かれ方、とてもよかったと思います。そして、目の前にいる人がその作者と知らないからこそいえる意見、ちょっと厳しいけれど、面白い。そして、その意見に対するういちゃんのこたえがよかった。この人の素直さ、人のよさ、とてもよく伝わってよかったです。

ボクの社長サマ』、いわゆるひとつのブラック企業とかいうやつか? 過剰すぎるほどに厳しい研修。しかし、あんな気合いで差し出される名刺、逆に迷惑だぞっていう、その過剰さには笑わずにはおられません。社長のコメントにもあるように、こういうの、いいんでしょーか? の世界であるんですが、現実にもこれに近いことさせるような企業はあるらしいっていうのだから、おそろしいよなあなんて思います。無茶な過剰さ、それはこういうギャグ漫画においてこそのもの、見て、なんという無茶! そりゃないよ! と笑える、そんな社会がいいなって思いました。会社でなくて、社会よ。

Boy’sたいむ』、やっぱりオレは女のコが好きなんだ! ああ、こんな悲しい台詞、置島の口から聞きたくなかった! しかし置島は本当にいいやつです。彼になら、ひろむを託してもいい!

『すいーとプロミス』、連載になりました。しかし、こいつは面白いな。ちょっと危ない従姉、小さなころの約束、結婚を現実的に迫るという、その態度こそは柔和だけど、決して優しくはないよな。暴走ぎみのお姉さん。あらゆる状況下でプレッシャーをかけられる光ちゃん。素晴しいな。でも、あんなに可愛いお姉さんなら、別にいいじゃないか。なんて思うのは他人事だからで、現実的にああいう目にあったら恐怖かもなあ。ひとつ間違えたら、ストーカーもののサイコホラーになっちゃう、そんな状況であります。でも、見るぶんには楽しいなあ。悪意のない、そんな綾姉。そしてまた全然違った態度を示す椿。その態度の違いも面白いです。口とんがらかしてる椿、可愛いなあ。

『交換留学生ルーシー!!』、悪魔のお嬢さんが地獄から留学してきた。そんな状況、漫画としてはよくあるけれど、その見せ方、漫画としてのスタイルは実によく出来上がってると感じさせるものだから、馴染んでいけば面白くなりそうだなっていう印象です。とりあえず、悪魔のお嬢さん、可愛いな。それと、悪魔のイメージアップという目標の示されているところ、こういう軸があるというのもいいなって思いました。

『家族猫娘団』、猫型宇宙人ものらしいです。地球の征服を図っているのだそうですが、妙にスケールが小さくて、その無害さ、可愛さというのを押し出そうというみたいです。わりと悪くはないと思います。けれど、もう一味、もう一押しが欲しいようにも思っています。

『大江戸えれきてる』、松本蜜柑の新作、ゲストです。松本蜜柑は好きなので、こうして連載があると、お元気でいらっしゃるんだなって安心できて、ちょっと嬉しい。平賀源内が主人公、であるのですが、ヒロイン、ええ、女性であるんです。長屋、お江戸で奇妙な事件が起こる、それを源内先生が解決する、っていう話の模様。最初にもいったけれど、松本蜜柑は好きなので、これ、続いてくれたら嬉しいなって思います。

『あまぞねす?』、会社の外に出ましたね。備品庫とあだ名されるコンビニ八神商店。タダで持ってきていいんですか? のやり取りは面白かった。そして、なにか間違えている八神商店の店長。どうも報われなさそうな人ですが、彼とふたりのやり取り、おかしくて、面白かったです。でも、この店、早々に潰れるんじゃないかね? なんて思うけれど、面白いのでどうか生き残ってください。

『ちょいのり。』、ドライブ旅行です。順調に車に関する話が続いています。それでもって、初の高速道路ですよ。本物は今日がはじめてとか、そうかシミュレータとかがあるのか。高速教習、私は実際に乗りましたけど、なかなかのスリルで、けれど飛び出しとかないし、昼間で車も少なかったから、むしろ安心して乗れました。で、高速運転に慣れると、一般道がゆっくりに思えて楽なんですよね。シミュレータは危険予測でやりましたけど、自転車をひいた覚えがあります……。でもって今回の見どころは、車に酔ったいのりだと思います。一般に同意を得られないことはわかった上であえていうけど、車に酔った女の子って、可愛くっていいよね!

『でり研』、今回は南部長です。なんだか緩くて、なんだかちょっとどんくさそうなお姉さんですが、どうにも食えない人でもありまして、そしてちょっとした過去のいろいろを思わせて、こういう話は好きですよ。また今回は、大仏くんMに目覚めるという素晴しい気付きの描かれた回でもあります。ええ、年上のおねーさんから叱られるのはイイものだと思います。でも、年下のお嬢さんから叱られるのもイイものだ、それを彼には伝えたい。そう思います。

空腹になったり、振り回されたり、叱られたり、大変ではありますけど、それで1ショット4500円のウイスキーにありつけるなら、それはいいなあって思いますよ。そんないいウイスキー飲んだことありません。一度飲んでみたいなあ、いやほんとにそう思います。

『剣道ガール』、ちょっとどんくさいお嬢さん杏子に、天才剣士の霊卯音がとりついている、ゲストです。今回は部活の話。練習試合で次鋒に選ばれた杏子。プレッシャーかけられて、弱気になって、けれどそれでもなんとか頑張ろうとする、その流れはいいなって思うですよ。卯音の動きを体感して、レベルの違いを実感して、それで皆で頑張ろうっていう、それはとてもいい。ベタだよ、ベタだけど、それがとてもいいと思ったのでした。

なのはなフラワーズ』、最終回でした。なのはな荘の由来語られて、それはとてもいい話でした。最終回を目前とした回などでは、モーリーの涙とかに、もうえらい貰い泣きしましたけど、でも最終回は明るく、気持ちよく、さっぱりと、けれどそうした表現の向こうに皆の思いや情があふれているように思えて、本当にいい話でした。終わりがよかったというだけじゃない。これまでを一気に思い返して、ああ、よかったなって思わせてくれる、そんなラストでした。ええ、本当にいい漫画でした。大好きでした。

『みちるダイナマイト!』、ベース、妹だったのか。はいいとして、寝る時間惜しんで練習しなさい、は身に沁みましたよ。今日は12時間寝た上に、4時間昼寝した。どこか悪いんかも知れん。バランスが指摘された、いやそれはバランスがよかったという好意的意見だったかも知れないけれど、その意見の大本がわかるところ。そしてその意見を受けてみんなで練習するところ、いいじゃないかって思いました。人間関係の輪がしっかりと描かれるのがいい。一人で練習ではなく、みなで練習、それが嬉しいっていう気持ち、それもよくわかります。わかるからこそ、いいなって思ったのかも知れません。

気分は上々』、最終回でした。ついに物件が完成。その打ち上げの様子など描かれて、建築の現場にはいろんな役割担う人がいるとわかる、そして皆がこの現場のこと好きだったんだなとわかる、そうしたアットホームな感じ、それがこの漫画のよさであったと思っています。わいわいとして、とてもいいラストでした。好きだったなって、今もなおそう思います。続刊出ないかなあ。

『レーカン!』、これ、結構面白いです。幽霊のバリエーションとでもいうのか。手だけとか、慣れっこになってるヒロインもすごいけれど、そうした幽霊のフレンドリーさ加減もなかなかのものです。そして、周囲の反応の違い、これがいいんでしょうね。レギュラーになってしまっている、通り魔に殺されて地縛霊になってしまった人かな。この人とのコミュニケーション、なんか切なくて、なんか悲しくて、けれどなんかすくわれるような気がするというか、なんともいえない味わいです。このしんみりとした感じにひかれている、そのように感じています。

  • 『まんがタイムジャンボ』第16巻第5号(2010年5月号)

引用

  • 藤凪かおる「Boy’sたいむ」,『まんがタイムジャンボ』第16巻第5号(2010年5月号),70頁。

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