2010年4月12日月曜日

バグダッド・カフェ

 先日知って嬉しかったこと。『バグダッド・カフェ』がBlu-ray化するっていうんです。『バグダッド・カフェ』は私のとても好きな映画で、大学卒業後働いていた図書館で、映画好きのお姉さんから、私のおすすめはこれや! と教えてもらったので、LDを借り出して見た。そうしたら、これがもう本当に素晴しい。一発で好きになり、そして私のおすすめ映画にもなったのでした。というわけで、私はこのBD買います!

しかし、なぜ今『バグダッド・カフェ』なんだろう。それはわからないのですが、この映画は一定数のファンがあって、静かに支えようとする、そうした人たちのあるためにこうして繰り返し、メディアをかえながら、リリースされ続けるのかな、なんて思ったりしてみると、なんだかちょっと嬉しい。この映画を好きという人はきっと多いのだと思います。はじめて見た時には驚きました。なんか花のない映画だなあって。ヒロインのジャスミン、どうみても映画のヒロインって感じじゃない。おばさんだし、太ってるし。しかしこれがなんといいますが、映画見てるうちにわかってくるんですよ、なんて魅力的なんだろうって。それは映画の設定がそうだからとかじゃないんです。確かに設定がそうなのだろうということはわかる。けれど、そういったこと抜きにして伝わってくるチャーミングさ。それがもう本当に素晴しいのですよ。

うらぶれたカフェ、バグダッド・カフェにやってきたジャスミン。そのバグダッド・カフェ、すごく荒んでるんですね。場所も荒んでれば人も荒んでいて、悪い意味で個性的な人ばかり。けどさ、そんな人たちがだんだんに変わっていくという、その様子の描かれかた、それがもう本当に素敵で、最初はもう無駄な努力にしか思えなかったジャスミンのやることなすこと、そいつをいつしか見ている私からが、次はなにをやるのだろうと心待ちにして見ている始末。本当にチャーミング。そして、変わっていったカフェの皆、彼らもまたどんどん魅力的になっていくのです。

『バグダッド・カフェ』は、すさんだ心にはうってつけの映画だと思います。乾いた土に水をやる、心にも潤いを、そうした思いのする映画。今、この時にBD化したというの、なにかの巡りのようにさえ思えてきます。

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