2010年4月26日月曜日

『月刊アフタヌーン』2010年6月号

 今月の『アフタヌーン』、とってもいい表紙。『武士道シックスティーン』、ヒロインふたりが桜を見上げている、そんな絵であるのですが、本編ではちょっと見られないような様子、雰囲気、とてもいい感じ。西荻の笑顔が素直で魅力的、というのは表紙に限ったことではありませんが、磯山の表情ですよ。険がとれて、ああ、こんな表情、はじめて見たんじゃないだろうか。そんななんだか特別な印象が鮮かでありました。あ、今月は6月号です。

百舌谷さん逆上する』、今回も少し以前の話からです。謎の新勢力、くーたんとモズモズ、このくーたんって人はいったいどういうところから出てきたのだろうと思っていた、その疑問への回答が得られたといった感じです。思ったより解明がはやかったなあ。さて、この人、葛原未来さん、どうも以前の学校での知り合いだか友達だか、あるいは何かみたいですね。今、物語は、百舌谷さんからはちょっとはなれ、番太郎と竜田の関係であるとか、またくーたん、モズモズの動きであるとか、それから竜田の兄貴か。複数の流れを描きながら、これら流れが関係をもって繋っていくという、そうしたところが実に面白く、この関係の中心には百舌谷さんがいるのでしょうが、はたしてこの流れが百舌谷さんのもとに戻された時、どのような状況が生じるのだろう、すごく楽しみであります。

で、それはいいんですけど、モズモズさんのメール、ちっとも判別できませんでした……。あれ、無理だと思います。

『ハルカカナタで』、読切前後編一挙に掲載であるのですが、108ページ、さすがにちょっと疲れました。未来からやってきた幼なじみが、あなたは明日殺されると告げる。それからの48時間? を描いて、それは確かに充実して読ませるものであったのですが、ちょっと描きすぎというか、思ったこと、いいたいことを、全部描いてしまったかのようないい過ぎ感があって、そのためかつみこみすぎ、そんな風に感じてしまったのかも知れません。ちょっと昔の少年漫画思わせるとかいったらいいのでしょうか、懐かしさ感じさせるものもあって、そういうところ、ちょっとよかったと思います。

『友達100人できるかな』は強烈な婆さん登場、ですよ。駄菓子屋の店主。なんというか、ものすごくあこぎ。子供相手に、無茶苦茶な商売してる、そう思わせて、実はそうではないんだよ、今のはやりでいえばツンデレでしょうか? そうしたキャラクターの描き方、なんともいえんものあっていいですね。この漫画はSFの体裁をとってるけれど、その実は人情もの。まっすぐに人に向き合い、人とわかりあっていこうという、そんな物語であるわけですが、その面目躍如たる回でありました。いや、ほんと、こういう話、大好きです。

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