なんかこのところ気落ちしてまして、まあこんなことを大っぴらにいってまわるような真似、あんまり好きじゃないんですけど、たまにはいいよね、と思って許してください。ダメ? 落ち込むまではいってないけれど、ちょっと忍耐の限界に達したと思った瞬間があって、それでちょっとがっかり気分なんですね。と、こういう時にはそうした気分にマッチする音楽がいいですね。そんなわけで、有山じゅんじの『Thinkin’Of You』聴いています。先日、iTunes DJが『碧い夜』と『いつかあの娘が戻ってきたら』をぽんぽんと流してくれて、ああ、有山じゅんじ、よいなあと思って、すっかり引き込まれたのでした。
有山じゅんじは、ギター弾きながら歌う人。ジャンルとしてはブルースでいいんだろうか。泥臭さは感じられない。素朴、朴訥といった印象が濃厚で、気取らない飾らない、そうした歌声が鮮烈なギター伴奏とともに、ひしひしと迫ってきて、しかしそれはちっとも重くなく、けれど軽くもないという、絶妙のバランス。ほっとして、心から打ち解けてしまうような、そんな感触に酔ってしまう思いがします。
歌われる内容からは、人生の悲哀とまでいってしまえば大げさかも知れない、けれどどこか哀愁感じさせるストーリーが感じられて、そして人間のちょっとなさけなくて、けれど愛しいと思える、そんな表情が浮かびあがってくるような感覚が、もう素晴しくって、なんか胸が切なさに満たされてたまらないんですね。なにか夢のような感覚もある、希望のようなもの、生きていくために必要な力も感じさせてくれる。ああ、人間って多様だなあって思えて、すごく沁みるのですよ。
ゆったりと過ごしたい時、嬉しい時、そんな時にもきっとマッチする。そして、悲しい時、疲れた時、くじけそうな時、そんな時にはそっと寄り添ってくれるような、そんなあたたかさが嬉しいアルバムです
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