『まんがタイムラブリー』2010年5月号、発売されました。表紙はこどもの日、こいのぼりや柏餅、ちまきが描かれたもの。ええ、もうじき5月ですからね。ちょっと季節を先取りといった様子。けれど先取りはいつものことでありますね。季節は人を待たず、刻々と変わりゆくのだなというのを、四コマ誌の表紙で実感する。っていうのもちょっと変な話でありますね。
『うさぎのーと』のうさぎ先生、この人のどこまで本当でどこから嘘かがわからないところ、食えなくって面白いです。と、その前に犬飼兄弟ですが、弟のいう連休の過ごし方、あの自信満々、してやったりといった様子はいったいどうしたものでしょう。この人にとっては、よほどのことなのだろうということはわかる。しかし、弟はもうどうしようもないとして、兄貴ですよ、兄貴。付き合いいいっていうか、包容力あるなあと感心します。で、うさぎ先生。この人ならやりかねないと思わせる、そういうキャラクターが確立されている、そこがすごいと思わされるところです。
『だんつま』、単行本出るそうで、嬉しいことであります。さて、本編、妻ひなよさんはなんだか無邪気にお泊まりしてのろけてみたり、またゴールデンウィークで帰省やら旅行やらで家をあけている人の用を聞いたりと、留守番ながらもエンジョイしている模様。その様子はなかなかによい感じでした。しかしなにがいいといっても、あの効率の悪いルートですよ。全然へこたれていない。生き生きとしてる。その元気そのものといったところ、大変に魅力的で素敵でした。で、最後にちゃんと最初のふりが回収されるのね。あ! と思いました。
『少女カフェ』、今回のテーマはロリコンです。メインとなるのはひとりのお客さん。この人がまた食えない人で、ひょうひょうと表情ひとつ変えずに冗談をいう。それもまた、どこまで本気でどこから嘘かがわかりにくい、そんな人。めちゃくちゃ面白かったです。こういう冗談、人が悪いなあ、なんて思わせながらも、いい味出していてよかったです。そしてよかったのはもちろんお客さんだけでなくて、双子もまた可愛く、お父さんも素敵でした。もちろん葉月さんもですよ。
『放課後のピアニスト』、かわらず面白いです。今回はレミの家庭での様子など垣間見えて、いいお父さんだなあ。そして、ただピアノを楽しく弾いてますって漫画じゃないんだなというのがわかるエピソード。ああ、朝練で走り込みとかするのか。体力がないという弱点を克服しようと頑張る、そうしたところ、ちょっといいなと思います。また、ララ先輩の演奏から、皆がどういう風にピアノに、音楽に向き合っているかというのが描かれる。この流れはとてもよかった。それぞれに個性がある。得意がある、苦手がある、足りないものがある、他の誰も持ってないものを持っている。自分にないものがあれば憧れ、悔しがる。そうした気持ちはよくわかる。ソラくんは、レミのこと認めてるんだなあ。この漫画は、レミの天真爛漫に、ソラくんの達観したようなところがいい組み合わせになっているのだなと思いました。で、なんかちょっと感動してる。なんでかわからないけど、心が動いてる。
『ちはる日和』、絵のゆるくやわらかな感じが、内容のほのぼのにマッチしていて、またこのちょっとゆったりのテンポ、けっこう気にいっています。特にとりたてて特別なことが描かれるわけじゃない。なんでもないようなことの連続。けれどそこに、ちはるという娘のちょっと変わってて、けれどそこが可愛いと思えるような描写が加わるから、いいなって思うのかも知れません。
『イタタ鍼灸整骨院』、ゲストです。タイトルにあるとおり、鍼灸整骨院での様子を描いた漫画であるのですが、これがなかなかに面白くてよかったです。整体師の資格に関する説明、それを聞いた患者の不安と見事回復のダウン、アップが素晴しかった。結構なお調子者ヒロイン。不真面目なんだかそうでないんだか、その合間をつくかのような言動の数々、とてもよかったです。で、あの、酸素カプセルっていうの、ちょっと入ってみたいです。肩凝りとか治りそうな気がします。
『さくら応援団』、ゲストです。イジメの現場に駆け付けた女の子ふたり。詰襟姿。応援団みたい。でもって、ちょっと強引。ネタもちょっと強引? あの、草野くんがエールをおくられるところ、なんというのだろう、いたたまれないというか、自分がこれやられたらきついなあという気持ちになって、なんだかちょっと赤面気分。でも、この明るさはいいですね。イジメといった、ちょっとシリアスなものとりあげて、けれど重くならず、そういうところもよかったと思います。
『この町のハテ』、ゲストです。味のある絵柄。ちょっと固め、けど可愛くていいと思います。爺さんが孫娘イズミに犬を託した。よくできた犬。自立心旺盛な犬。けれど、爺さんにほだされてしまったみたいですね。イズミの不安や迷い、犬、ハテの自問自答、それがうまく噛み合って、面白かったです。で、爺さん死んじゃうのかなあと不安になってたら、ああ、よかった。ええ、本当によかったです。
『ペンとチョコレート』、ちょっと待ってくれ。先月、新展開か! と思ったら、一気に時間が進められて、次号最終回、って、なんですかそれは! 思いもしない展開はあった。そして、ヒロイン、フタバトワコの木ノ下オレンジとしてうまくやってる様子描かれて、そうか割り切ってやってるんだな、そういう風に思わせて、けれど、けれど、実はそうじゃない、そんなわけなんてない、そうした彼女の心情がほとばしるシーン、大変よかったです。自分が見たかったもの、これだったんだなって思える展開。それだけに、一気に話が進んじゃったのは惜しい! いや、ほんと、惜しいって思います。
『サクラ町さいず』は、なんと新キャラです。黒髪の可愛いお嬢さん。転校生、ちょっとどんくさくて運動が苦手。可愛いなあ、そう思わせる娘さんで、で春田くんと相性がよさそう? といったことでひろえが焦るという展開です。この漫画は、本当になかなか好きと切り出せないひろえを愛でる、そんな楽しみ方するようになってきました。けど、実際、ひろえの恋が成就すればよいなあ、そんな気はするんですね。
『ヒーロー警報!』は前回の続き。昔の恋、少年Hの初恋が再燃!? といった回だったんですが、あんまり恋愛のどうこう描かれないところがさすがです。むしろ、お嬢さんふたりのこと、微妙な名付けであるとか、そうしたところが面白く、特にアイさんですね。中川オボとペンネームを告げる場面の表情、めっちゃくちゃ可愛くってまいりました。でもって規定どおりといったところでしょうか、Hがふられるというの、予想してましたけど、まさにその予想ど真ん中とまでは思いませんでした。しかし、ちょっといい話。面白かったです。
『ごめんね、委員長!』、委員長をめぐる攻防。委員長に憧れるお嬢さん登場して、そして恵理咲と対決するっていうのね。なんだかよくわからない競技に持ち込むというのはいつものことだけれど、今回は珍しく恵理咲が圧倒的に不利っていう、なかなかの面白さでした。しかしそれ以上に、ちょっと内気のお嬢さんと思われた美化委員の岸井結花、この人もなかなかの変わりものですね。ええ、よかったです。とてもよかったです。
『ものかき倶楽部』、大変いい感じ。押切もえみのノートに書き溜めている小説、間違って先生に提出してしまってた! ショックな出だし、読まれて添削されて、さらにショックといったところはなんだか同情感じる気がして、けれどそれが後に続くのだからいいですね。しっかりした批評をもらう、その意味。そして頑張っている人を見て、忘れてた気持ちが目覚めてしまった。先生のそうした気持ちがなんだかすごく清冽で、顧問としてものかき倶楽部に参加することとなって。こういう、教師が自分から参加したいといって顧問になる展開、それがすごくよいと思えたのでした。この漫画、ゲストで掲載された数回で、ぐっと面白くなったと思います。
『空に唄えば』、結構まじめな合唱もの。今回は、ピアノで練習、でありました。ラしか出ない音叉での練習は難しい、ということで、合唱部の留守を狙って音楽室のピアノを使おうというんですね。その、こっそりと潜んで、そんなに悪いことしてるわけでもないんですが、秘密という感じはなんだかわくわくさせてくれるものありまして、こういうの好きです。そしてひばりの駄目なところを次々指摘していくなつき。うまくない、だからうまくなりたい。そうした気持ちがはっきりと見えるのがいい。うまくなるための方法考えて、目的のためには手段も選ばないよ! みたいなスリル。すごく楽しかった。この、伸びよう、伸びたいという彼女らの姿勢。みずみずしくって、まぶしいです!
- 『まんがタイムラブリー』第17巻第5号(2010年5月号)
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