毎月9日は『まんがタイムきらら』の発売日。突然思い立って、雑誌感想を書き始めたあの日から、もうひと月が過ぎてしまいました。思い返せば、ブログに書くことが思いつかないの
、じゃなくて、『ゆゆ式』表紙が思いがけず魅力的だったのがきっかけだったんでしたっけね。今月の表紙は『けいおん!』。TVアニメ絶賛放映CHU!!
の煽りも誇らしく、しかし、関西では今夜からだ。って、あれ? 4月9日(木)深夜1時55分よりって、もしかしたら今朝? というか、昨日? ぎゃーっ! 何年かぶりに見ようかなって思ったアニメだったのにーっ! いや、大丈夫。録画予約してたはずだ。だから、大丈夫。後で確かめます。
しかし、『けいおん!』、なにごともなく、みな無事に進級して、唯たちも3年生になりました。正直なところをいいますと、びっくりしました。当然のように進級なんてしないと思っていたものですから、って、落第とか原級留置とかじゃなくって、物語上の時間が留め置きされると思っていたんですね。ですが、あっさりと、普通に時間を進ませて、そうかあ、進んでいっちゃうのんか。光陰矢のごとしだなあ。なんだか寂しいです。
物語上の時間が進むのはいいとして、そうなると夏くらいで3年生は引退するのかな。そうなったときに、ひとり残される梓はちょっとかわいそうかも。そんなこと思ったりして、まあそれはこれから先の楽しみとして、きっとなにか一悶着用意されることだろうと思って期待しておきたいと思います。
あ、これどうでもいいことだけど、なんでヒロインのギターがレス・ポールなのに、ロゴのバックはストラトなんだろう。いや、あれ、ムスタング? まあ、いいか。次にいきましょう、次。
『ゆゆ式』、コ、コメントしづらいな……。先生の大きなおっぱいが羨ましい三人です。けれど、そうしたもろもろよりも、先生に抱きつこうとしたり、ムネを触ろうとしたり、甘えようとしたりするのに、いざ本人を前にすると恥ずかしくなってしまってできない。そういう気持ちのもやもや、どきどきが面映ゆくって、なんか妙な面白さがありました。これがどこぞの家庭教師なら、躊躇なくやっちゃってるな。それと、ゆずこ、縁を苦手にする同級生が登場。これがまたいい感じに微妙な距離保っていて、積極的に嫌うわけではないんだけど、どう対応したらいいかわかんないって風で、いやもう面白いなあ。キャラクターのたてかたが、すごくよいとことさらに思った回でした。
『あっちこっち』は、相変らずの高高度空中戦を見せる展開で、舞台は調理室。いつもの面々に、ゲストなの? を加えて、彼らは普通の領域に暮らす、普通の人たち。対比がものすごいな……。しかし、目潰しは惨い。それから京谷の扱いは少々かわいそう。だけど、いいポジションだなあ。
『棺担ぎのクロ』は、ちょっと『赤毛のアン』などを思わせる出だし。やってきた子供は、望まれなかった子供。しかし、時間がだんだんと関係を変えていって、そして仕合わせのかすかに射し込みはじめたと思われたその時に、物語は一気に暗転して — 、本当にこの人は格別の人だと思った。この人のあり場所というものは、この世界のどこにもなくて、ただこの人のあるそこのみが、この人のあり場所なのかも知れない。以前、児童文学作家の角野栄子がいっていた、塀の上の人を思い出します。境界線上にあって、広く遠くに世界を見渡す、そんな視界を持った人。そして、どこにも安住しない人。十二世紀のスコラ哲学者サン・ヴィクトールのフーゴーがいう完全な人 — 全世界が流謫の地であると思う人は完全な人である
— 、私はこの人に、そうしたイメージを重ねて見たいと思っているようです。迷惑ですね。ごめんなさい。
『ネズ巫女ちゅー』は、なんともいえんゆるいテンションで進行する漫画。ゲスト掲載されていたときに、その不思議で微妙な魅力にやられてから、気になり続けています。だから、こうして連載が決まったのは嬉しいことで、神社の狛ネズミのふたりの傍若無人に振る舞う、そのわがままっぷり、小狡さ、それをこれからもまた見られるのかと思うと、ありがたいなあ、そう思います。そして、似たテンションで突入する『おまもりごさん』は、最初漫画が切り替わっているのに気付かなかったくらいで、けれどこちらの方がずっと意味不明感が強くて、その意味不明っていうのは、非言語的な領域に笑いを求めているっていったらいいのかな。言葉で書かれた部分はある、説明的な部分もあるけれど、そこに面白さが発しているわけじゃない。考えたらとりこぼしてしまう、そんな漫画だと思います。
『ふおんコネクト!』は、上記ふたつとは実に対照的で、こちらはギミック多め、高密度で濃厚で、構成もしっかりと組み立てられて、本当に圧倒されます。メモ帳ペン立てがエヴァ初号機の頭で、ペンがエントリープラグ? 細部に凝るという点においては、他の追随を許さない、そんなところがあって、けれどそれでメインになるストーリーは別にちゃんと組んである。サービス過剰で、人情派で、この人もまた異質な立ち位置、独自の場を築いている人だと思います。
『こどもすまいる!』、そもさんせっぱ、私はうどん派です。素うどん、最高。具も薬味もないほうが、うどんそのものを楽しめます。信号の黄色について、注意ではなく止まると答える、それは道交法的にも正解だなあ。素晴しい。『三者三葉』は西山さん人気強化月間? しかし彼女は友人に恵まれてないような気がします。しかし、そういうところもまた魅力であると思います。『まーぶるインスパイア』はちょっとカルチャーショック。表計算ソフトなんて、普通の生活してたらいらんだろ、と思ってたら、ネトゲ内市場調査に使うのか。というか、ネトゲする人って、そこまでやるものなのか。カルチャーショックでした。ゲームにはまって廃人っていったらイメージ悪いけれど、市場の動向を把握する、その訓練をしてるんだとしたら、それも中学生でしてるんだとしたら、下手な学校の授業よりもずっと有用な勉強になるんじゃないのか? そんなこと思ったんですが、真に受けすぎですか? パソ魂力に関しては、私も実はよくわかりません。パソコンに詳しい人って、本当、すごいと思います。
『境界線上のリンボ』は、まさかのアポジーさん再登場。ロボットの園丁さん。ラジオを通して話すというのがなんか面白いなと思って、ちょっと気にいってたから、再登場が嬉しいです。今後も積極的に登場してくるのかどうなのか。半レギュラーになるといいなと思っています。『二丁目路地裏探偵奇譚』は、多分この人、ショコラの身内ですよね。『天秤は花と遊ぶ』は、いつもとはずいぶん違った風合いで、こういうのも軽くて面白いけど、番外編といった趣。『フォワード』掲載のはもっと面白い、そんな風に思います。こういう四コマが、単行本巻末とかに入ってくると、目先がかわって、きっといいと思います。そういえば、吸血ものが続きました。
『きつねさんに化かされたい!』はラスト一回前。これまでのメインキャストが集まって、花見、酒も入っていつも以上に異常なテンションが見られて、それはそれは面白かったです。こうした、長く続いてきた漫画が終わるとなると、万感胸にせまるものがありますね。私はこの人の漫画の、シニカルな味がとりわけ好きで、それから自己主張のやたらと強い個性的な人たち。そして、そうした影にかくれて、田中の立ち直りなんてストーリーもあったんでしたっけね。振り返れば本当に充実した時間であったのだな。そんな風に思えて、だからやっぱり寂しいです。
『メロ3!』は、木ノ子の本音がちょっと切ない。でも、なんかわかる気もするんですね。人付き合いがちょっと苦手、そういう人にはおそらく共有される感情もあるのではないか、なんて思えて、ええ、私もたしかにそんなだったと思います。今は、コミュニケーションとれなくっても平気になったけど……。退化だな、うん、私は退化してる。漫画に戻って、たとえ名前を覚えられてなくても、そうして頑張りが認められていたっていうのは、やっぱり嬉しいことなのではなくって? と思うものだから、福田がなんかかっこよかった。そういえば、扉が眼鏡女子の二連続、なんだかハッピーです。
『そら』が完結。なんだか手紙を書きたくなる、そんなラストは、単行本にて、ひとつらなりの一番最後に読んで、その余韻を味わいたいと思う、そんな風情でありました。手紙として綴られる、エンドロールですね。RPGで、ラスボス倒した後で、町という町をまわりながら、これまでに出会った人たちの消息を訊ねて歩く。そうしたことが楽しかった私には、感じるところのある終わりでありました。
My Private D☆Vは『ラジオでGO!』のなぐも。さんでした。メガネ、マフラー、身長差! 素晴しいな。でもって、とあるメガネゲームってなんなんでしょう。私、『鬼畜眼鏡』しか思い浮かばなかったんですが、これ、絶対違いますよね……。そのゲームがなにか、おわかりの方いらっしゃったら、そっと教えてくださると嬉しいです。
アクティブ!
- 『まんがタイムきらら』第7巻第5号(2009年5月号)
引用
- 野々原ちき「メロ3!」,『まんがタイムきらら』第7巻第4号(2009年4月号),177頁。
- 『まんがタイムきらら』第7巻第5号(2009年5月号),表紙。
- サン=ヴィクトルのフーゴー「ディダスカリコン(学習論)」,上智大学中世思想研究所編訳『中世思想原典集成』第9巻 (東京:平凡社,1996年)所収【,104頁】。
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